(2023年10月更新)
名古屋大学で教員をしております藤井慶輔と申します。
現在はスポーツなど複雑な運動を対象とした機械学習などの情報処理技術について研究しています。
読みやすい記事では、以下のものがあります。
【名古屋大学】データサイエンスで集団スポーツの解析に挑む(データサイエンス百景)
サッカー戦術分析で起業へ 名大准教授、自動運転も応用(日本経済新聞、日経MJ)
部活動の指導者不足の問題を解決へ 集団スポーツの「戦術」を科学的に評価する研究(中日新聞、記事は転載許可を得ています)
スポーツ戦術の巧みさを、情報科学で魅せる(名大URAの方による記事)
(YouTube)選手はAIより上手い!? スポーツ戦術の巧みさを情報科学で魅せる(名大URA)
生物集団の軌跡から相互作用の規則を学習(プレスリリース)
サッカーにおけるチームの守備評価(ログミー)
ヒトの身体運動などの複雑な時系列データを用いて、これまで未解明であった規則を発見することや、その中心的手法としての機械学習などの情報処理技術に興味を持っています。近年、計測技術の発展により、様々な生物や人工物の動きを正確に記録することが可能になりました。そのため、実際に行われたスポーツの身体運動データなどから、ヒトの巧みな動きや柔軟なチームワーク、あるいはヒトを含む生物の行動規則を明らかにすることや、それらの応用技術が期待されています。
私たちはこれまで、実際に行われたスポーツの身体運動データを用いて、ヒトの巧みな動きや柔軟なチームワークなどをモデル化・評価・理解する研究を行ってきました。しかし、特に予測が難しい状況に対応するような行動に関して未解明な点が多く残されています。特に、計算生物学的なアプローチであるルールに基づくモデリングは、実環境の複雑な運動の場合、協力、逃避、闘争などの複雑な相互作用の明示的なモデルを作ることが難しい場合があります。言い換えれば、理論上の(ルールに基づく)モデルと実環境の生物の行動の間にはギャップがあります。
機械学習を用いたデータ駆動的モデリングでは、データからパラメータや規則を推定することでこの問題を解決できる可能性があります。このようなアプローチを用いて、ヒトを含む生物の新たな行動規則を発見することや、様々な人が便利に使える情報基盤技術の開発を目指しています。