JSTさきがけのプロジェクトに関するページ(2021年12月作成)

課題名: 生物集団移動の専門家が利用可能な説明・意思決定のための基盤技術

研究代表者 藤井 慶輔(名古屋大学 大学院情報学研究科・准教授)研究期間:2020-23年度研究概要:計測技術の発展によって様々な生物や人工物の集団移動の記録が可能になり、これを背景に様々な社会や科学分野への貢献が期待されています。しかし、情報技術の利用が想定される実環境での集団運動の専門家、例えば生物学の研究者やスポーツチームの監督等にとって説明・操作・意思決定が難しい場合があります。本研究では、実環境での集団移動の専門家が説明・操作・発見・検証・意思決定可能な人工知能基盤技術を開発します。

研究成果:

1. 生物集団の移動軌跡から相互作用の規則を学習―「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を開発名古屋大学、理化学研究所、科学技術振興機構(JST)、同志社大学、九州大学、西スイス応用科学大学(スイス)、基礎生物学研究所、東海大学との共同研究で、生物集団の移動軌跡から相互作用の規則、例えば「誰を見てどう動いたか」を理論とデータから推定できる機械学習技術を新たに開発しました。本研究により、これまで概念的であった動物行動学の理論モデルに基づき、1つの機械学習モデルを用いて、多種の生物集団に柔軟に適用できる定量的な解析方法が開発されました。これにより、人間を含むさまざまな生物の集団移動に関する一般的な法則や、その多様性の発見へとつなげていくことが期待できます。本研究成果は、2021年12月6日(月)から14日(火)までオンラインで開催された、人工知能・機械学習分野における世界最高峰の国際会議の1つである「Neural Information Processing Systems 2021 (NeurIPS'21)」で発表されました。プレスリリース詳細:[PDF]論文情報:Keisuke Fujii, Naoya Takeishi, Kazushi Tsutsui, Emyo Fujioka, Nozomi Nishiumi, Ryoya Tanaka, Mika Fukushiro, Kaoru Ide, Hiroyoshi Kohno, Ken Yoda, Susumu Takahashi, Shizuko Hiryu, Yoshinobu Kawahara, Learning interaction rules from multi-animal trajectories via augmented behavioral models, Advances in Neural Information Processing Systems (NeurIPS'21), 34, 2021.12. [arXiv] [slide][openreview][code] メディア掲載: 日経新聞日本の研究.com