何か面白い事は無いか・・・
現役を離れ、JIRA男声合唱団に加わりコーラスに集中して居る頃、もう14~5年も前になる音楽好きな会社OBが一堂に会し合宿するという企画に「H」先輩から誘われた。この先輩はJIRA男声合唱団の古参メンバー、ジャズからクラシックまで知識が豊富で会話も洒脱、プロのエンターティナーになった方がと思うほど、とにかく楽しい方なのだ. 主催は「H」先輩の同期入社で在社時からすでに音楽家を目指していたといい、早期に退社、その道に入られたとか、現役のミュージシャンらしい・・・それだけに揃ったメンバーの紹介を受けて更にびっくり、皆セミプロ級の楽器演奏をするし中に本物のプロ歌手「日野美子」さん(シャンソン歌手)も加わっていて、スッピンであったがやはりどこか垢抜けている・・・東京でライブ活動中そういえばH先輩は仕事の関係上、当然と言えば当然ではあるが、英語、フランス語、他にも・・・バイリンガーである、酒が入り興にのればピアノの伴奏にのせてフランス語や英語で”枯葉”をうたう・・・これは秀逸であった。私はと言えば、現役から離れて日も浅く、楽器のアンサンブルにも自信がない、事前に渡された合奏用のギターパート譜だけでは全体演奏についてゆけない、当日の演奏参加は冷や汗タラタラ・・・見送らせて頂いた。この一泊二日の経験が昔のバンド活動を思い起こさせ、ギターアンサンブルの倶楽部を探し始めるきっかけになったのだが、今回参加したメンバーにはもう一人、JIRA男声合唱団の「I」さんがコントラバスを持参で参加していた「H」さんのお誘いかと思いきや主催の「Y」さんと大学の同期であった。ここでこうして・・・縁とは異なものである。
日野さん&ホッサンの即席アカペラ”ジャズセッション「聖者の行進」etc
バイオリン製作工場のバイオリン”試奏” 即席「弦楽四重奏」
「I」さんの「T社」時代の友人が河口湖周辺で「バイオリン製作工房」を営んでいるとの事で音楽合宿の翌日,見学させて頂くことになった。昨晩の演奏会では工房の「主」が自作のバイオリンを弾いて見て下さいとわざわざ持参してくれた。主催の「Y」さんはピアノはもちろん、バイオリンの演奏もやはりプロ並みいやさすがプロ、改めてこのメンバーの中に加えてくれた先輩「H」さんに感謝だ。工房の中に入ると様々な工作機械と作品、製作途中のもの、天井にも壁にも所狭しとぶら下がっている・・・見学している時間、製作工程の流れが興味深く時間の経つのも忘れて工房「主」の説明に聞き入った。私が楽器作りに興味をもったのはこのときからである
バイオリン工房を見学以来、”楽器製作”が頭から離れない、しかしあれだけの工具と技術が必要となると”生半可な気持ち”や”投資”ではチョット無理じゃ・・・そして数年後、たまたま覗いていたネット上で”楽器製作キット”なるものが目にとまった”手作りウクレレ製作キット”である。その昔、会社のハワイアンクラブに属していた時期があり”ウクレレ”は身近な楽器である。価格も手ごろ、失敗しても大したことは無いと早速発注、通販は手軽だ、そして早い、早速商品のマニュアルと照らし合わせながらの体験に心が躍る。工程が進むうち、手元にある工具や塗料だけでは足ら無くなって、この間、何度となく”ホームセンター”に・・・部屋はたちまち工具の山、数時間あれば出来ると思った作業は、接着剤や塗料の乾燥など、それなりの時間が必要で一台ができあがるまでほぼ一週間余りを要した。とにもかくも”ウクレレ製作キット”はできあがった。セットには簡単なもの(半完成品)もあったが私は材料や部品の細部を知りたくて、難易度の高い(製作手順が多い)キットを敢て選んだ。完成度、塗装はイマイチだが、ボディー材はマホガニーの一枚板・・・手前味噌だが市販品の高級品にも、勝るとも劣らない、音量もあり良い響きがする 2012.9.4 は私の誕生日である・・・世界に一つしかない「ウクレレ」その1号機に製作者名シールを貼りつけた
ウクレレ自作キットは思ったより良い出来上がりで音色も好い、何よりも響きが良かった。小さなボディーからこれだけの音量が・・・古いウクレレ楽譜を引っ張り出しては演奏してみた。扨、こうなると・・・もう一台となるのが私の悪い癖だ,しかし自作キットを再度では面白くない、今度は身近な材料で一から作り上げて見ることにして・・・と・・・早速完成品が目ににうかんでくる。手始めにベニア板を加工して作ってみた、自分なりに工夫為てみたが出来上がったものは”イビツ”だったがまあ〃それらしき形で音もそれなり聞こえる。さあ~これから本格的な製作にとりかかる為の準備だが・・・
1.側板にR(波形)をつけるためのアイロンを手作り・・・アイロンは高価で輸入品しかない、仕方なく自作の”ボディ組立冶具”で強引にねじ曲げる事にした。側板は一昼夜水に浸しておき治具の型に挟み込みこれを乾燥するまで圧着する。・・・かたちはいびつ、アバウトな性格がでている・・・
2.指板にフレットを打ち込むための溝用極細のこぎりの入手・・・フレットの位置計算とフレットの溝切り作業、フレットの刻み位置計算・・・ネットで見つけた”フレット君”(フリーソフト)で、
「ナット」と「サドル」間の寸法を入力すると簡単にプリントアウトが出来た。そのラインにそって丁寧にフレット打ち込み用の溝を切る・・・この作業が大変だった
3.極薄ボディー材、側板、指板、ネック材、ナット、サドル、フレット,ペグ材強力接着剤の入手・・・圧着用の”万力”各種が重要な役割をする。組み立て治具の圧着は一寸イビツになってしまったが、自作でまにあわせた。ボディー材はさすがに”ホームセンターでは見つからず”東急ハンズ”でシナ材の薄板を発見、2mm圧まで加工してもらった、もう0.5mm程削ってほしかったが、後は全く手作りである。もうかれこれ7~8年も前になる。ここに掲載した写真はもう一台~と思いながら、試作も含めて7~8台、孫がおもしろがって持ち帰り手元にのこったものは二台だけである・・・今は只の置物、これ以外の製作用治具機材の諸々は処分してしまった・・・あの頃はまだまだ元気があった
出来上がった作品群・・・細かい細工は無理だったが・・・音は間違いなくウクレレ・・・ 根が尽きた果ての残骸・・・