御蔵島のヒラムシ

ヨイミヤ ミノ ヒラムシ

みなさんはヒラムシを知っていますか?泳ぐところを見たことがありますか?

私は、見たことがありませんでした!


2020年の夏、御蔵島の海でぼけーっと休日を過ごしていたら、ひらひら泳ぐドット柄の生物が…!

ま、、まさか、ヒラムシ!? こんなところにいるんだ!!  あわてて水筒でつかまえて、シャーレに移して観察しました。

たまたま研究室にヒラムシを研究している先輩(露木さん)がいらっしゃったので、種を判別していただいたところ、これまで御蔵島では見つかっていなかった種でした。


島民のスーパー生物ハンターの方にもお手伝いいただき、その年のいつ頃ヒラムシが観察されたか、経年変化はあるか?などを考察し、露木さんが報告をまとめてくださいました。

左)背面の様子。点線で囲った部分に2つの突起(背面突起)がある。

右)飼育を続けたところ産卵した。 (写真はTsuyuki & Katsushima 2022より引用。)

ヒラムシの名前が気になりますよね!

その名も、、ヨイミヤ ミノヒラムシ

特徴:背面は濃紫〜黒色、白い縁取り、背面突起が円錐状で先端が黄色い。 この個体の大きさは3cmほど

なんて見事なドット柄... ミ○タードーナツのゴールデンチョコレートボールみたい...

亜熱帯を好む種のようで、日本からは慶良間諸島、小笠原諸島、八丈島などから報告されていました。

今回の御蔵島からの報告でヨイミヤミノヒラムシの日本における北限更新となりました。


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それにしても、こんなに小さい生き物が、黒潮の流れの中をひらひら泳いでいるのを見ると、ただただ「すげーー」という言葉に尽きますね。本当にすごい。

今回紹介した研究:

Aoi Tsuyuki, Hinako Katsushima. 2022. "First record of 'Yoimiya-mino-hiramushi' Thysanozoon sp. (Platyhelminthes, Polycladida, Cotylea, Pseudocerotidae) from Mikura Island, Tokyo, Japan",  Mikurensis 11: 11–15.御蔵島におけるヨイミヤミノヒラムシ(扁形動物門, 多岐腸目, ニセツノヒラムシ科)の初報告. )

*ヒラムシに興味を持った方は露木さんのHPをご覧ください

美しいヒラムシの写真を見ることができたり、ヒラムシグッズをゲットすることができます