はじめに、一つの雫があった。
雫は、大いなる混沌の中に零れ落ち、七つに割れて、それぞれの中に世界が生まれた。
七つの世界には『神』が生まれ、『神』は『人』を生み、七つの世界はそれぞれの進化の道を歩んでいった。
あるとき、一つの世界が滅んだ。進化と文明の極みに達した人が、発展の果てに滅び、世界そのものを崩壊させた。
神々は驚き、焦った。雫の世界の中で、彼らは絶対の存在であった。だが、雫そのものが壊れたとき、彼らは何の力も持たなかった。
《在り続けたい》
その願いを叶える方法は一つしかなかった。在るべき世界が無いならば、まだ在る世界を奪えば良い。
かくて、世界を失った神々は、まだある世界を奪うため侵略を開始した。侵略は世界の法則を乱し、また世界が一つ崩壊した。またひとつ、またひとつ、またひとつ……。雫は次々に弾け、とうとうただひとつとなった。
滅び去った六つの世界の神々は、ただひとつ残った世界を目指した。己が在るべき世界を奪い取るために――。