「阪大裁判原告を支える会」
趣意書
「阪大裁判原告を支える会」
趣意書
大阪大学は2023年3月末に10年ルールという不更新条項を適用して約100名の非常勤講師を雇止めにしようとしています。このようななかで阪大勤務の4名の組合員が原告になって2023年2月9日に大阪地裁に大学を提訴しました。提訴の内容は原告が無期転換を行使しているので期限の定めのない労働契約の地位にあることと、2022年4月1日に「準委任契約」が労働契約に切り替わるとき賃金の時間単価の切り下げを強行したことで損失を受けたので、その支払いを求めています。提訴の2月段階で2023年3月末での雇止めはほぼ確実ですが、まだその期限を迎えていないので、このような提訴になっていますが、4月1日に雇止めが実行された後は、非常勤講師としての「地位確認」を求める裁判に切り替える予定です。
原告のひとりは、提訴の記者会見で「今回、原告となったのは4人ですが、この場にいない、声を上げることすらできない、同じ立場の非常勤講師が何十人もいることを、ぜひ想像していただきたいと思います。私たちはそれぞれ、誠実に学生たちの教育にあたってきました。大阪大学には、労働契約法18条で定められ無期転換という最低限のルールを守ってほしい。この国に生きる同じ人間として認めてほしい、という思いでいっぱいです。」と訴えています。
私たちは勇気をもって立ち上がった原告4人を大きな輪で支えていかなければなりません。本会の目的は、原告らが裁判を続けるための物心両面での支援をしていくことです。言うまでもなく裁判には費用がかかります。さらに原告たちが裁判を続けていくためには生活をしていかなければなりません。非常勤講師はもともと低賃金で生活が不安定です。原告らは雇止めになって生活がいっそう苦しくなっています。原告たちが裁判を続けていくためには生活支援が不可欠です。組合も支援しますが、それだけでは不十分です。ここに「大阪大学非常勤講師雇止め争議原告を支える会」(通称 「阪大裁判原告を支える会」)を結成し、本会が原告らを精神的に支えるだけでなく、生活を支援するための支援カンパも集め原告らを支援していきます。
阪大は非常勤講師との契約を、2004年の独立法人化以降、旧大阪大学は「準委任契約」、旧大阪外国語大学は労働契約を結んでいましたが、2007年の両大学の統合後、契約を準委任契約に一本化しました。「準委任契約」とは業務委託契約のひとつで労働契約ではありません。ですから労働法は適用されません。ところが2013年に労働契約法が改正され、18条で5年無期転換ルールが導入されると、阪大は労働契約法18条による無期雇用への転換ルールが非常勤講師にも適用される可能性が完全には否定できないとして無期転換逃れの5年上限の不更新条項を非常勤講師にも適用しました。翌年の2014年4月1日、労働契約法の「特例」(「研究開発力強化法」と「大学教員任期法」が適用されている研究者は無期転換権の行使を5年から10年まで延ばす)が施行されると阪大は不更新条項を5年から10年に延長しました。これについて当時、阪大は「研究開発力強化法」の「特例」を適用し5年を10年に延長したと説明していました。しかし、近年行われた団体交渉(2018年1月23日、2021年10月21日)では非常勤講師に「特例」は適用していないと説明しています。
いずれにしても阪大の5年、10年上限の不更新条項は非常勤講師の無期雇用への転換を阻止するために作られたものです。
阪大は2022年4月1日から「準委任契約」を止め労働契約に切り替えました。これは2021年4月8日に文科省が「事務連絡」を出して、「大学が直接雇用していない者に実質的な授業科目を担当させる」ことを「不適切」としたからです。そして、その理由として「大学の職員(教員を含む)とは、学長の指揮命令権の下で大学の校務に従事する者」で、「請負契約や準委任契約等」の者は「職員に当たらず、学校教育法上授業担当教員となることができると解される講師(非常勤を含む)として発令することはできない」としました。2021年6月4日の厚生労働委員会で日本共産党の宮本徹議員から阪大の「準委任契約」は学校教育法違反ではと追及され、文科省は「仮に不適切な事例が判明すれば、必要な指導・助言を行なう。」と回答しました。これを受け阪大は「準委任契約」でも学校教育法に違反していないといろいろと偽装工作をおこないましたが、最終的には「準委任契約」を労働契約に切り替えざるをえなくなりました。
しかし、阪大は2014年4月に決定し2013年4月を起点にした10年上限の不更新条項は変更しませんでした。また、2022年4月に作成された「非常勤講師就業規則」でも5年の不更新条項を入れました。2022年12月22日の団体交渉で大学側は、なぜ10年上限なのかの理由を明確に説明していません。新規採用段階で以前から勤務している講師には10年、新規採用の講師には5年のルールを決めることは労働契約法19条の契約更新の期待権をなくすためですが、このルールが一般化されれば非常勤講師の無期雇用への転換権が実質的に否定されることになります。阪大の5年、10年での不更新条項は無期転換逃れのためのものです。阪大は雇用者責任を完全に放棄していると言わざるをえません。また、5年、10年でのクビ切りは、2023年だけではなく今後毎年行われます。経験豊富な非常勤講師を毎年クビにして阪大は学生への「教育の質保証」をどのように担保できるのでしょうか。阪大は教育の面でも責任を放棄しています。
本会への賛同募金は1口団体3,000円、個人1,000円です。何口でもけっこうです。カンパをよろしくお願いします。
2023年3月24日
郵便振替 口座番号00990-1-213601 (加入者名 江尻 彰)
銀行からの振込 ゆうちょ銀行 〇九九店 当座預金 口座番号 0213601
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