大阪大学非常勤講師雇止め争議 原告を支える会
(阪大裁判原告を支える会)
(阪大裁判原告を支える会)
2023年2月9日、大阪大学の雇止め問題をめぐり、4名の非常勤講師が大阪地裁に提訴しました。この裁判では、大阪大学に対して雇止めを撤回すること(期限の定めのない労働契約の地位確認)を求めてたたかっています。
本会は、裁判に勝利し、大学復帰を勝ち取るための運動に取り組み、原告たちの経済的支援をおこなうことを目的に立ち上げました。「趣意書」ならびに「入会案内」をご覧の上、ぜひとも「支える会」にご入会し、原告支援のためのカンパをお願いします。
支える会は、大阪高裁でのたたかいに向けて署名活動を開始しました。署名は団体および個人署名があります。ぜひともご協力をお願いします。
(署名の依頼文、各署名のファイルは本サイト上部の「署名」に格納しています)
3月20日にエルおおさかとZoomで「阪大裁判原告を支える会」の第3回総会が開かれました。原告3名を含め20名弱の会員らが参加しました。総会では、初めに阪大裁判弁護団のひとりである鎌田弁護士から大阪地裁の判決の問題点と大阪高裁での争点についてお話がありました。また、大阪地裁判決は、大学非常勤講師の労働者性が否定された判決なので、控訴審に向けてこの判決に対する抗議の運動を専任の教職員組合を含め全国で広げていく必要があると指摘されました。
総会では、その後「支える会」事務局の江尻から、この1年間の「支える会」の活動について、街頭宣伝、署名活動、裁判傍聴への参加などについて報告がありました。また、会計報告についても報告がおこなわれ会計監査の報告の後に拍手で承認されました。最後に原告の新屋敷、浦木、Kさんから大阪高裁への控訴審への決意が述べられ総会を終了しました。
1 本日、大阪地方裁判所第5民事部(裁判長横田昌紀裁判官、山中洋美裁判官、蒲田祐一裁判官)は、国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。)に勤務する非常勤講師である原告らが、大阪大学が行った雇止め(解雇)が無効であるとして地位確認及び賃金請求を行った訴訟において、不当にも原告らの請求を棄却する判決を言い渡した。
2 大阪大学は、有期契約の更新により5年以上勤務していた原告らが労働契約法18条1項に基づき無期転換権を行使したことに対し、非常勤講師らとの間の契約が2022年4月に雇用契約に切り替える以前は委嘱契約(準委任契約)であり労働契約ではなかったとして無期転換権の発生を否定し、さらには、2023年3月末で、勤続10年以上の原告ら非常勤講師約100名全員について雇止めを行った。
3 本判決は、非常勤講師が「労働者である教員とは異なり、被告から、委嘱に係る授業以外の業務を義務として命じられることはなく、諾否の自由があることがうかがわれる」こと、「業務の遂行に当たり、被告から一般的のみならず、具体的な指揮監督を受けることが想定されていないことがうかがわれる」などとして原告ら非常勤講師が2022年3月以前においては労働者でなかったとして原告らの無期転換権の行使を認めなかった。
4 契約で定められた業務以外の業務に従事しないことは当然のことであり、これをもって諾否の事由がないとした点は明らかに誤りである。一般的な指揮監督や具体的な指揮監督を受けることが想定されていないという点は、原告らがコアカリキュラムやシラバスなどの一般的な指揮命令に加えて個々の場面で具体的な指揮命令も受けることがあったことも無視するものである。
原告ら非常勤講師の就労実態は、大学における一般的な非常勤講師の働き方と何ら変わりはなく、さらに雇用契約に切り替わった2022年4月以前とそれ以後においても働き方に変化がなかったにもかかわらず、本判決が形式的な委嘱契約の形式にとらわれ、個々の労働者の就労実態を無視して労働者であることを認めなかったとは極めて不当である。
5 私たちは、この不当な判決に対し強く抗議するとともに、自分たちに何ら非がないにもかかわらず無期転換逃れのために職を奪われ声をあげることすらできなかった多くの非常勤講師の仲間のためにも、原告らの職場復帰及び雇用の安定、さらにはすべての大学において非常勤講師が当たり前の権利である無期転換権を行使でき、雇用の安定が図られるよう引き続き一丸となって闘い続けることを表明する。
以上
2025年1月30日
大阪大学非常勤講師雇止め事件原告一同
大阪大学非常勤講師雇止め事件弁護団
大阪大学非常勤講師雇止め争議原告を支える会