トーマスリーフモンキー

2014年。インドネシア、ブキットラワン(スマトラ島グヌンレウセル国立公園近く)にて。撮影者:綿貫

国立公園の入り口の村に到着して、「明日は朝からスマトラオランウータンを見るぞ!」と意気込んでいたら、その日の夕方のうちになんと村の中でこんな見慣れないサルに出くわしました。北スマトラの固有種で、現在は世界中のどんな動物園にも飼育されていません。感動と緊張で足が震える思いがしました。

非常にありがたいサルたちながら、最初に見たのが村のゴミ捨て場だったというのがたいへんザンネンでした。この頃のインドネシアのヒトたちは(現在はどうか知りませんが)とにかくそこらじゅうにすぐにゴミを捨てるので、驚いた記憶があります。

これじゃあリーフイーターどころかガベッジイーターじゃないかと、一人でツッコミを入れながら見ていました。意図的でなかったとしても、生ゴミを外にそのまま捨てるのは野生動物の餌付けになってしまうことがあるので、控えましょう。

翌日はちゃんと葉っぱを食べているリーフイーターらしいリーフイーターの姿を見ることができたので安心しました。葉っぱを食べてるだけなのに、「すごいねー」「偉いねー」と心の中で叫んでいました。

ちなみに、リーフイーターのなかまは、オトナと仔で体色が違うことがよくありますが、トーマスもそのようです。体はだいぶ灰色になっていますが頭はまだ白いままの仔ザルを見ることもできました。