ワークショップ・交流会

2月8日(土)

ワークショップA「学校における多面的視点を持った保護者対応 」

教師の業務の中で、対応困難な保護者との折衝は非常にメンタルヘルスに影響を与える業務であろう。本ワークショップでは、対応困難な保護者に対しては、①複数対応、②視点の切り替え、③俯瞰してみる、という3種類の視点で関わることを検討したい。対応困難な保護者こそ、教師が一人で抱え込まずに様々な専門家と連携する必要がある。その際、臨床心理学の専門家であるスクールカウンセラーの有する技術として、対人関係でトラブルに陥りやすいクライアントとの安全な治療関係・構造の作り方があるので、それを伝えていきたい。さらに、俯瞰した視点を持つこととして、家族療法の技法である家系図、ケースワークの技法であるエコマップ、等の作成の仕方も演習する予定である。

講師:上手幸治(広島市スクールカウンセラー)


講師紹介

上手幸治(広島市スクールカウンセラー)

広島市のスクールカウンセラーを9年勤めています。職歴は、児童養護施設が最も長く、約20年近く関わっています。医療域は、精神科病院、心療内科クリニックで勤務してきました。得意とする支援は、個人だけにアプローチするのではなく、家族や同僚やコミュニティーの資源を活用しながら、支援ネットワークを活用する関わりです。


ワークショップB「ワールド・カフェで学ぶストレスマネジメント」

本ワークショップでは、ストレスが健康に悪影響を及ぼす仕組みについて学ぶとともに、参加者の方々がお互いの日常生活においてストレスに感じている事柄について共有し、どのようにしてうまく付き合っていくかということについて考えていくグループワークを行う予定です。今回は、カフェのような雰囲気でお互いに自由に発言したり助言したりするワールド・カフェという組織開発の手法を用います。ストレスマネジメントの具体的な方法には様々なものがありますが、本ワークショップでは、特にストレスへの対処方法を工夫するということに焦点を当てた問題解決スキルの習得を取り挙げたいと思います。また、グループでの話し合いを通して、様々な人の意見を参考に、自身のストレスとの上手なつきあい方のレパートリーを増やしていただくこともねらいとしています。このように、本ワークショップは、特定のストレス対処法方略についての一方向的な教授ではなく、普段の生活の中で実行可能なストレスへの対処の工夫についてみんなで学んでいく体験を大切にしていきたいと考えています。本ワークショップで取り挙げることは、学校教育や教員研修などの場面でも応用できるところがあると思います。本ワークショップを通して、ストレスを日常の負担から、生活上の適度な刺激へと変えていけるヒントをつかんでいただければ幸いです。

なお、本ワークショップでは、当日に以下の持ち物が必要です。

・筆記用具。できるだけカラフルなもの。特に太字のマーカーやクレヨンなど。

・「カフェ」なのでお菓子や飲み物はご自由に(ただしノンアルコールでお願いします!)。

講師:大塚泰正(筑波大学)


講師紹介

大塚泰正(筑波大学)

筑波大学人間系心理学域准教授。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。臨床心理士。専門は臨床心理学、産業保健心理学。これまで、主に職場のメンタルヘルスに関する研究を行いながら、企業等での産業臨床の実践を継続しています。

※ワークショップBは、講師および内容を変更しております。


交流会「教職員のための語り場で一息」

私は永年公立小学校の養護教諭として、不登校、いじめ、発達障害、教師のメンタルヘルスなど、学校メンタルヘルスに関するさまざまな課題について、校内外の教職員とタッグを組んで実践してまいりました。今学会でも自由に意見交換ができる場(学会の保健室的役割)でお互いに知識や実践などを共有することができれば、今後の学校現場での活動にとても有益に繋がるのではないかと思います。せっかくの休日を学会に参加してくださる教職員の方々に、講演やシンポジウムなど、主に「聞き手」として参加するだけでなく、今回は「語りあい」という時間を設け、双方向のやり取りを行うことを通して、自分や他人のよい取り組みを水平展開していけるような機会になればと考えております。初めて学会に参加される方も気軽に足を運んでいただきランチタイムのひと時を一緒に語り合いませんか?お待ちしております。

ファシリテーター:玉置美惠子(元公立小学校養護教諭・現ストレス対処法研究所カウンセラー)・北見由奈(湘南工科大学)


ファシリテーター紹介

玉置美惠子(元公立小学校養護教諭・現ストレス対処法研究所カウンセラー)

元東京都公立小学校養護教諭、主幹教諭。定年退職後、昨年3月まで区教育委員会事務局特別支援教育課相談担当。不登校相談支援チームとして相談や学校へのコンサルテーション、適応指導教室の運営に携わっていた。現在はNPO法人、ストレス対処法研究所カウンセラー。


北見由奈(湘南工科大学)

湘南工科大学工学部総合文化教育センター兼教職センター専任講師。日本学校メンタルヘルス学会理事・機関誌副編集委員長。専門分野は、健康心理学。

2月9日(日)

ワークショップC「動的学校画を学校現場で活かす 」

動的学校画は、Prout & Phillips(1974)によって提唱された描画法です。「学校で何かしているところを描いてください。絵には自分、先生、友達2人以上を描いてください」という教示によって描かれます。多くの種類がある描画法の中でも、動的学校画は学校をテーマとしており、子供の学校における心的世界が絵に投影されることが特長です。このワークショップにおいては、まず動的学校画ではどのような絵が描かれるのかを提示して、動的学校画という描画法を知っていただきたいと思います。また、子供が描いた動的学校画を基にしながら、学校教員であればこのような使い方ができるのではないか、心理専門職であればこのような使い方があるのではないかなど、動的学校画を学校現場に活かすための方法を皆さんと共に考えることができればと思います。

講師:大門秀司(富山県公立小学校教諭)


講師紹介

大門秀司(富山県公立小学校教諭)

富山県公立小学校教諭。博士(学校教育学)。富山県出身。富山大学教育学部卒業。上越教育大学大学院 生活・健康系コース保健体育(丸山芳郎研究室)、同 学校教育専攻臨床心理学コース(宮下敏恵研究室)修了。平成23年臨床心理士資格取得。平成31年3月兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程修了。

いずれも事前申し込み不要