水上治先生おすすめの映画集

認知症が題材の映画

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙


イギリス初の女性首相、マーガレット・サッチャーの人生を、戦中の若年期から1990年の首相退陣に至るまで回想を挟みながら描く。 政界引退後、認知症を患うマーガレットの実生活と重ね合わせながら、彼女のこれまで辿ってきた政治家、妻としての半生を振り返る構成で物語が進んでいく。

明日の記憶


広告代理店に勤める49歳の佐伯雅行は、公私ともに忙しくも幸せな日々を送っていた。そんなある日、彼は若年性アルツハイマーと診断される。やり場のない怒りと不安に苛まれ、徐々に記憶が失われていく夫を静かに受け止め、献身的に支える妻の枝実子との深い絆を描く。

アウェイ・フロム・ハー 君を想う


結婚して44年になるグラントとフィオーナ。決して良き夫とは言えない過去もあるグラントだったが、いまはフィオーナを深く愛し、夫婦仲良く穏やかな日々を送っていた。ところがやがて、フィオーナをアルツハイマー型認知症の悲劇が襲う。物忘れが激しくなったフィオーナは、ついに自ら老人介護施設への入所を決断するが...。

アリスのままで


若年性アルツハイマーを発症した50歳の大学教授。彼女は、徐々に自分が自分でなくなっていく恐怖と向き合いながら、さまざまな葛藤を抱えていく。

ファーザー


ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーは記憶が薄れ始めていたが、娘のアンが手配する介護人を拒否していた。 そんな中、アンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられショックを受ける。 だが、それが事実なら、アンソニーの自宅に突然現れ、アンと結婚して10年以上になると語る、この見知らぬ男は・・・。

ペコロスの母に会いに行く


小さな玉ねぎ「ペコロス」のようなはげ頭のサラリーマンのゆういち。認知症の母親みつえを、悩んだ末に介護施設に預けることを決めるが、施設の人間模様やみつえの振る舞いを見て、自身の中の意外な思いに気づく。

きみに読む物語


記憶を失っている老婦人を訪ねて療養施設に通い、彼女に物語を読み聞かせる老人男性。その話は1940年、アメリカ南部での夏の恋物語だった。裕福な家族と一緒に避暑に来た少女が、地元の青年と出会う。だが彼女の両親の反対に遭い、2人は別々の人生を歩みだす。

やさしい嘘と贈り物


アメリカの小さな町で孤独な毎日を送る老人、ロバート。ある日、仕事先のスーパーから帰宅した彼は、ドアが開いていて心配だったからと勝手に上がり込んでいた見ず知らずの女性メアリーに面食らいながらも、思いがけず心惹かれてしまう。そして、そのメアリーからいきなり食事に誘われ、年甲斐もなく舞い上がるロバート。スーパーの若いオーナーや同僚たちもロバートを親身にサポートし、その甲斐もあってか、交際は順調に進み、みるみる距離を縮めていく2人だったが...。

わが母の記


小説家の伊上は、実母の八重と距離を置いて生活していた。しかし、父の逝去を機に、記憶障害が進む母と向き合うことになる。そしてあるとき、伊上が長年胸に秘めていた不満を吐き出した際に、母の意外な思いを知る。

百花


女手1つで育ててくれた母・百合子との間にある溝を埋められないまま過ごす葛西泉。そんなある日、母の認知症が判明する。徐々に記憶を失っていく中で、母は半分の花火が見たいと不可解な言葉を口にする。

ぼけますから、よろしくお願いします。


ドキュメンタリー作家の信友直子監督が、アルツハイマー病を患った母と、彼女を献身的に支える父の老々介護生活をカメラに収める。95歳から始めた父の家事が日々上達していく一方、母の認知症はさらに進行し、ついに脳梗塞を発症して入院生活が始まる。父は、毎日1時間かけて面会のために足を運び、母を励まし続けるが、やがて新型コロナの感染が拡大し、病院の面会すら困難な状況が訪れてしまう。

パーソナル・ソング


アメリカのソーシャルワーカーであるダン・コーエンが、認知症の高齢者たちに音楽を聞かせて、その音楽が高齢者たちの心や記憶にもたらす改善効果を、3年間にかけて追ったドキュメンタリー映画。

 長いお別れ


かつて中学校の校長を務めていた厳格な男性が認知症と診断される。彼の70歳の誕生日に、久しぶりに顔を揃えた2人の娘は、母からその事実を知らされる。それぞれ人生の岐路に立つ彼女たちは、思いもよらぬ出来事の連続に翻弄されながらも現実と向き合ってゆく。

毎日がアルツハイマー


アルツハイマー病と診断された母との日々を2年半にわたり撮影しYouTubeで公開したところ、同じ境遇にある人や医療従事者などの支持を集め、累計視聴数が20万Viewを超えた。本作は100時間にもおよぶ記録動画の中から、母の喜怒哀楽を中心に編集したドキュメンタリー番組。

手紙は憶えている


アウシュヴィッツを生き延びた老人の復讐の旅路を描いたサスペンス・ドラマ。共演はマーティン・ランドー。最愛の妻に先立たれ、認知症も日々悪化していく90歳の老人ゼヴ。ある日、友人のマックスから1通の手紙を託される。そこには、目覚めるたびに記憶を失ってしまうゼヴのために、彼が果たそうとしていたある使命が詳細に綴られていた。2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、ともに家族を収容所の看守に殺されていた。しかも、その犯人は身分を偽り、今ものうのうと生き延びていたのだ。手がかりはルディ・コランダーという名前で、容疑者は4人にまで絞り込まれている。そこで車椅子で体の自由が利かないマックスに代わり、たった1人で復讐へと旅立つゼヴだったが...。

私の頭の中の消しゴム


無邪気な社長令嬢は、建築家志望の孤独な青年と恋に落ち、結婚する。幸せな日々を過ごす中、次第に彼女の物忘れが激しくなっていく。彼女は若年性アルツハイマーを患っていた。そして、2人は夫婦の記憶を繋ぎとめようと奮闘する。

幸せは、ここにある


ベテランのコメディライター、チャーリー・バーンツは初期の認知症を患っており、家族のことすらも十分に思い出せないという有り様だった。しかし、自らが業界内の伝説的存在であるという自負はまだ彼に残っていた。そんなある日、チャーリーが自らとランチを共にする権利をオークションに出したところ、ある女性(エマ)によって落札された。意気揚々とランチの席に着いたチャーリーだったが、エマは期待していたような大物ではなく、ストリートを拠点に活動するミュージシャンであった。しかも、落札価格はチャーリーの想定をはるかに下回る22ドルで、挙句の果てに、エマはチャーリーのことを全く知らなかった。

実に気まずい出会いを果たした2人だったが、ここから年齢の壁を超えた友情が芽生えていく。

43年後のアイ・ラヴ・ユー


ロサンゼルス郊外に1人で暮らす70歳の元演劇評論家のクロード。ある日、かつての恋人で人気舞台女優のリリィがアルツハイマー型認知症で高齢者施設に入所したことを知り、彼は同じ施設に入所する。

女優 原田ヒサ子


認知症が進む原田ヒサ子は、ある日突然、娘の人生を自分の人生と混同させて語りだす。娘の美枝子はその言葉に驚きつつ、女優になることが母の夢だったのではないかと思い立ち、その夢を叶えようとする。

選ばなかったみち


認知症を患い、たびたび過去の記憶や幻想で混乱をきたすニューヨーク在住のメキシコ移民で作家のレオ。娘モリーはそんな父を気づかい、医者に行くために2人で外出するが困難に直面する。

CBDが題材の映画

CBD NATION


2020年にアメリカで製作されたCBDについてのドキュメンタリー映画。 誤解の多い医療用大麻の世界を、研究者による科学的な視点と実際に使用している患者やその家族の視点とを織り交ぜながら読 み解きます。

WEED THE PEOPLE


大麻は麻薬として厳しく規制されているが、医療用大麻を使ってガンと闘う子供達もいる。そんな子供達の家族や医師達が、医療での大麻の可能性を切実に訴える。

麻てらす 〜よりひめ 岩戸開き物語


国産大麻の糸績み技術を次代に継承すべく活躍が始まっている“よりひめ”を軸に、大麻をめぐる様々な人たちの深い思いや、熱い活動を、大地に息づく大麻栽培の模様等を絡め、美しく、かつ感動的に紹介します。

縄文文化が題材の映画

縄文にハマる人々


「死なない子供、荒川修作」の山岡信貴監督が、過剰な装飾の土器や奇抜な造形の土偶など、いまだ多くの謎を秘めた縄文時代をテーマに、専門家のみならず文化人やアーティスなど縄文に魅せられた人々への取材を通して、縄文時代の不思議と魅力に迫っていくドキュメンタリー。

シバ 縄文犬のゆめ


縄文時代に人間の狩りに伴い、ともに暮らした日本犬を理想とし、柴犬をその理想に戻す保存活動に取り組む照井さんたちの思いや愛情、縄文の記憶を秘める犬たちとの触れ合いを通じて命あるものの姿を丁寧に描き出し、古来の記憶を呼び覚ましていく。

掘る女 縄文人の落とし物


全国の遺跡発掘現場へ出向き、縄文時代の土器や土偶に魅せられた女性たちの姿を追う。そして、知られざる発掘調査の内側を丁寧に紹介していくとともに、長年発掘や考古学に携わってきた人々の人生を映し出していく。

ライアの祈り


メガネ販売店の八戸支店で店長を任された女性。社会にも慣れ、離婚歴もある彼女は、赴任早々後輩に頼りにされる。ある日、人数合わせで誘われた食事会で、彼女は40代後半の無骨な考古学研究者・佐久間五朗と知り合う。そして、縄文時代にひとかたならぬ情熱と愛情を注ぐその男性の案内で、八戸のさまざまな場所をめぐる一日デートをする羽目になる。すると、いつしかその「縄文愛」に感化され、彼女も遺跡の発掘現場まで自発的に足を運ぶようになる。

日本の文学作品が題材の映画

破戒


明治後期、信州小諸城下の被差別部落に生まれた主人公・瀬川丑松は、その生い立ちと身分を隠して生きよ、と父より戒めを受けて育った。 その戒めを頑なに守り成人し、小学校教員となった丑松であったが、同じく被差別部落に生まれた解放運動家、猪子蓮太郎を慕うようになる。

羅生門


ある日の暮れ方、主人から暇を出されて途方にくれる下人が、荒廃した羅生門の下で雨やみを待っていた。

彼が門の楼上に登ると、女の死体の髪を抜く老婆がいた。

憎悪を抱き、力で老婆を押さえつけた下人だったが、老婆から生きる為の悪事を正当化する言葉を聞く。

下人の心に悪を肯定する勇気が湧き「自分もそうしなければ餓死する体なのだ」といい、老婆の衣服を剥ぎ取って夜の中に駆け去ってしまう。

蟹工船


蟹工船では、劣悪な環境で長時間労働という、非人道的な労働者の酷使が平然と蔓延っていた。蟹工船は「工場船」であり、「航船」ではないため、航海法は適用されない。純然たる「工場」であるにもかかわらず、工場法も適用されない。そして、海上に出てしまえば、そこは法の空白域なのである。


 労働監督の浅川は理由を問わず、働けぬ者に容赦なくこん棒を振り下ろした。過労・傷病・事故……次々と倒れ、また死んでいく労働者たち。浅川の暴力と虐待による支配は日に日に苛烈さを増していく。


 ある時、大荒れの日にゴリ押しで漁に出され、数日間、行方不明になっていた小型船が帰着する。乗組員たちは偶然ロシア人に救出されており、中国人の通訳から「プロレタリアートこそ至高の存在」と教え込まれていた。ここで教えられた人権という概念は徐々に労働者たちに伝播していく。


 人権意識に目覚めた労働者たちによって、ついにストライキが決行される。浅川を追い詰め、成功するかに見えたが、護衛として随伴していた駆逐艦のクルーによって鎮圧。ストライキは失敗に終わってしまう。


 浅川は復讐心に燃え、労働はさらに過酷さを増す。だが、一度目覚めた人権精神が死ぬことはない。そして、労働者たちは「もう一度!」ストライキに立ち上がるのだった。

放浪記


昭和初期、第一次大戦後の日本。幼い頃から行商人の母親と全国を周り歩いて育ったふみ子は、東京で下宿暮らしを始める。職を転々としながら、貧しい生活の中で詩作に励むようになった彼女は、やがて同人雑誌にも参加する。創作活動を通して何人かの男と出会い、また別れるふみ子。やがて、その波乱の中で編んだ「放浪記」が世間で評価され、彼女は文壇へと踏み出していく。

雪国


親の遺産できままな暮らしをしている妻子持ちの島村は、雪国の温泉場を訪れ芸者の駒子と深い仲になる。 許嫁の療養費を稼ぐために芸者になったという駒子に惹かれる一方で、真剣なまなざしを持つ葉子という娘にも惹かれるようになる。 駒子と出会って三年目、島村は駒子と別れなければならないように感じはじめる。

炎上


1950年に実際に発生した“金閣寺放火事件”を題材とした三島由紀夫の小説『金閣寺』を市川崑監督・市川雷蔵主演で映画化した異色作。終戦直後、金閣寺をモデルとした「驟閣寺」(しゅうかくじ)に強く心を惹かれた主人公は周囲のいびつな人間関係に飲み込まれていき、そしてある決意をする…。

婦系図 湯島の白梅


泉鏡花の小説『婦系図』を原作として脚色した作品。早瀬主悦は、芸者あがりの愛人・お蔦と同棲していたが、師匠に別れるように勧められる。恩師の言葉にそむけず主悦は、お蔦に別れ話をもちかけるが、お蔦は病床に伏す身となってしまう……。

ビルマの竪琴


1945年のビルマ。日本軍は敗戦後も抵抗を続け、彼らの説得に向かった上等兵。だが、一向に彼は戻らず、隊の仲間たちが探しに行く。すると、彼らは上等兵に似たビルマの僧を目撃する。

笛吹川


戦国時代、笛吹橋の近くに「ギッチョン籠」と呼ばれる家があった。その家に暮らす貧農の家族。お屋形様である武田家に翻弄されながら、激動の時代を生き抜いていく。


高利貸しの妾であるお玉が、東京大学の学生である岡田に儚い恋をするも、ある偶然によって結ばれることのできなかった物語を通して、不幸な境遇の中で自立していく彼女の姿や、一度の偶然が運命を左右する様を描いた作品。