長尾七弁天
長尾七弁天
長尾七弁天については史実としての史料は残っていないが、地域の伝承と調査による七弁天の特定に加え、令和3年の両崖山火災の類焼範囲と延焼を食い止めるための消防による防衛線が、七弁天を結んだ線とほぼ一致することから、特に近年NPO足利歴史街づくりの会(*)で大きく着目している。なお、通り6丁目の長尾弁才天はこの線から外れるが、もとは西宮長林寺から遷座したものであり、当時は線上にあったもの。当弁財天は両崖山城の裏鬼門にあたる。中島太郎著「北の郷物語」によれば、両崖山火災と七弁天との関係を「火蛇の災禍と水蛇の結界」と捉え、両崖山城防衛の戦略性に加え、白蛇が祀られている弁財天の水による恩恵と七弁天が結ぶ霊的な結界を説いている。
中島太郎著「北の郷物語」より
長尾七弁天と令和三年(2021)足利両崖山火災延焼防衛線
☆が今福弁財天
*「NPO足利歴史まちづくりの会」
関東平野の最北端、渡良瀬川とどこまでも続 く山並に囲まれた栃木県南部のまち、足利市。 私たちは、足利市の歴史や文化、民俗の収集、 研究、保存をするとともに、その普及啓発及び 振興、並びに足利に関する有形・無形文化財等 の伝承を図り、ひいては足利への認識や愛着 を高めていくことを通じ、「歴史のまち足利」の まちづくりに寄与する活動をしています。