平成九年

平成九年

老母の酌む女三代屠蘇の膳

車椅子夾竹桃の陰にそひ

点滴の針の痛みの秋暑し

杖の老片手拝みに盆の月

足弱を庭にいざなふ十三夜

看取る夜の暇の一刻年惜しむ