地球システム・倫理学会 第21回学術大会
人類に美の文明を~倫理と審美の循環をめざして~
人類に美の文明を~倫理と審美の循環をめざして~
●地球システム・倫理学会第21回学術大会を、以下のように開催致します。
●学術大会に関するお問い合わせは、学会事務局宛にメールでお願い致します。( tinukai@reitaku-u.ac.jp )
【概要】
・開催日:令和07年(2025年)11月08日(土)
・会 場:国際ファッション専門職大学・東京キャンパス (〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-7-3 総合校舎コクーンタワー)
・大会実行委員長:田中 雅一 国際ファッション専門職大学副学長
・共 催:国際ファッション専門職大学
・主 催:地球システム・倫理学会
・テーマ:人類に美の文明を~倫理と審美の循環をめざして~
・方 式:「午前の部(自由論題発表)」は対面で開催します。ただしオンライン配信はありません。「午後の部(基調講演とシンポジウム)」は、会場からオンライン配信するハイブリッド方式で開催します。
【大会趣旨】
「「美の文明」と審美的な視野が、「善」と「真」をイデオロギーの前提とした論説が広く定着したことから生じた行き詰まりを打破できる、有望なもう一つの議論の軸であることが認識された。まさしく「善」や「真」の概念に基づいた教義により現代の多くの危機が引き起こされている状況を目にする時、「美」は価値論的な論説を超える可能性として表れてくる」(*)
本シンポジウムは、われわれが直面する複雑で困難な課題の解決に当たり、美を追求する人間の根源的な力が果たす役割を論じることを目的とする。
人類はその歴史の中で、近代的理念体系の下で社会を構築し、民主主義という社会統治や、資本主義という繁栄の仕組みづくりにおいて一定の成果を挙げてきた。
しかしこれらは他方で自然破壊や人類社会の分断、さらには制御不能なテクノロジー革命がもたらす負のリスクへの懸念を生んでいる。こうした課題は、その存在は認識されているものの、抜本的解決策がとられぬまま、現在まで先送りされている。
その背景にあるのは、経済成長主義や、それを支えるテクノロジー信仰が社会に深く浸透し、また狭量な民族主義が再台頭した結果、人類がかつて求めた純粋な真・善の追求が、権力や情動の追求のツールとしてのイデオロギーと結びつけられて、本来の目的から遠ざけられていることである。
これらの課題を、理念や細分化された学問の力で解決することは極めて難しい。理念を司る理性の力と、行動の源泉となっている感性の力を総動員することによってのみ社会の行動変容を促し、現在の行き詰まりを打開する糸口を見いだすことができる。それを促す力をもつのが、人類が追求する3つ目の価値たる「美」である。
ここでいう「美」とは単なる視覚的な美しさなど芸術の追求に止まるものではない。それは国境や利害を超えて自然や社会、他者との関係性を育み、それを通して自らの心を整える力をもっている。「美しく生きる」ことをめざすことにより、価値論的論説に流れている真と善の追求を、本来の健全な姿に戻す「倫理」感の復活をもたらすことができるであろう。
「美の文明」へのパラダイム転換は、ひとつの運動で達成できるものではない。ひとつひとつの真剣な運動の相互作用が積み重なって初めて生成される。こうした壮大な社会変革を行う上で、「美」と経済の融合を担うファッション業界が果たす役割が大なるものであることが、本大会が国際ファッション専門職大学との共催で行われることで再認識された。衣服とは単なる身体の保護ではなく、人類の生存、自己表現、自己と社会との関係などの人類共通の文化的表現だからである。ファッション業界が取り組み始めた持続可能性への運動を今後更に進めていくことは、業界の生存のみならず、審美の心がもつ大きな力が、地球規模の倫理と相互に作用し、「美の文明」というパラダイムへの架け橋のひとつとなることを期待させる。
(*)2005年ユネスコ本部で開催された国際シンジウム「文化の多様性と通底の価値」の最終公式声明より抜粋。
【当日の流れ】
日 時:2025年(令和07年)11月08日(土)09:00〜17:40
会 場:国際ファッション専門職大学・東京キャンパス
09:00〜 受付開始 コクーンタワー2階(コクーンホール側、コンビニNew Days前)
09:30 〜 12:00 自由論題発表(コクーンタワー47階の2教室) 自由論題発表は対面のみ。オンライン配信はありません。
自由論題発表の発表者リストは、こちらをご覧ください。
12:00 〜 13:00 昼食
*午前の部参加者は、各自で昼食を持参し、コクーンタワー20階の教室にて召し上がって下さい。
*午後の部の登壇者は、コクーンタワー3階の会議室にて昼食・打ち合わせ。
午後の部の会場:コクーンホール5階・ホールA
13:00 〜 13:10 開会挨拶 川勝 平太 地球システム・倫理学会会長
13:10 〜 14:00 基調講演 近藤 誠一 国際ファッション専門職大学学長
「倫理に基づく文明構築:美の探究によってどこまでできるか」
14:00 〜 14:15 休憩
14:15 〜 15:15 美の追求とサステナビリティのバランスに関する報告
国際ファッション専門職大学の学生の皆さん
コーディネーター・司会:佐々木 瑞枝 日本語学者
15:15 〜 15:30 休憩・シンポジウム準備
15:30 〜 17:30 シンポジウム「人類に美の世紀を開こう〜倫理と審美の循環をめざして〜」
モデレーター
田中 雅一 国際ファッション専門職大学副学長
シンポジスト
コシノ ジュンコ デザイナー
生駒 芳子 一般社団法人日本エシカル推進協議会代表理事・会長
青木 三郎 筑波大学名誉教授
西岡 文彦 多摩美術大学名誉教授
コメンテーター
川勝 平太 地球システム・倫理学会会長
服部 英二 地球システム・倫理学会名誉会長/常任理事
17:30 〜 17:40 閉会挨拶 山脇 直司 東京大学名誉教授
18:00 〜 20:00 懇親会
●参加申し込み・参加費
(1)地球システム・倫理学会の会員(要・事前申し込み)
・来場参加の場合:参加費3,000円(受付にてお支払い)学生会員は無料
・オンライン参加の場合:参加費無料
・懇親会費:6,000円(受付にてお支払い)
・地球システム・倫理学会の会員の皆さまは、こちらのフォームでお申し込みください。締切:10月30日(木)
(2)国際ファッション専門職大学の学生・教職員(午後の部のみ参加できます)
・来場参加の場合:参加費無料(事前申し込み不要、受付で学生証・職員証をご提示下さい)
・オンライン参加の場合:参加費無料(オンライン参加の場合は、事前申し込みが必要です)
・懇親会費:6,000円(受付にてお支払い)
・国際ファッション専門職大学の学生・教職員の皆さまで、オンライン参加または懇親会参加を希望される方は、こちらのフォームでお申し込みください。締切:10月30日(木)
(3)上記以外の方・一般の方(要・事前申し込み。午後の部のみ参加できます)
・来場参加の場合:参加費無料
・オンライン参加の場合:参加費無料
・上記以外の方・一般の方は、こちらのフォームでお申し込みください。締切:10月30日(木)
・申し込み多数の場合、参加をお断りする場合があります。
・懇親会は学会員、開催校の学生・教職員、および、招待者のみ参加できます。
以上
最終更新日:2025年10月02日