地球システム・倫理学会の「2025年度総会・記念講演」
地球システム・倫理学会の「2025年度総会・記念講演」
■日 時:2025年4月19日(土)
■年次総会:14時30分〜15時30分
■記念講演:16時00分〜18時00分(開場:15時45分)
■会 場:麗澤大学新宿キャンパス(東京・西新宿「新宿アイランドタワー」4階)およびZoom
■講 師:川勝 平太 元・静岡文化芸術大学学長
■テーマ:伊東俊太郎博士「人類史五段階」テーゼと日本
■要 旨:
報告の前提は、伊東俊太郎博士の学問体系の枠組「人類史の五段階(人類→農耕→都市→精神→科学革命)」の、どの革命にも、自明のことながら、“日本がまったく関与しなかった”という紛れもない事実です。日本は“受容”に終始しました。
人類史の画期をなす五つの革命はアフリカ・ユーラシアの地で起こり、陸・海のシルクロードを東漸して日本列島に達し、日本の文化・文明の形成に決定的な影響を及ぼしました。
日本は舶来する文物を“受容”して独自の文化・文明を“創造”した国です。
では、渡来した文明の日本への影響をどのように説明するのか。主に地中海域圏における史実の分析から伊東博士が摘出されたのは「文明の交流・移転」でした。それは服部英二氏がユネスコの理念に立脚して実現に尽力された「文明の対話」とともに、たとえば「文明の衝突」と対比し、「文明の衝突」を回避する上では有効です。しかし渡来した文物が日本に根付くのを説明するには、むしろ服部英二氏の提示される「文明の転生(てんしょう)」すなわち親が子を生むように“文明も生まれ変わっていく”という見方のほうが有効であるように思います。
報告では、五つの革命の精華が生誕地とは異なる日本の風土と出会い、原郷(オリジン)のオリジナルな文明セット(文化・物産複合)が異郷でどのように転生したのかを概括し、その意義に論及したいと思います。
最大の論点は「人類史五段階」テーゼの五番目、“伊東博士=統合知の巨人”(服部英二氏)の文明論の大黒柱「科学革命」です。ヨーロッパの科学革命について、比較文明の観点から論じます。
補足として、伊東博士が提唱された人類史の六番目の「環境革命」についても言及できればと思います。
■略 歴:川勝 平太(かわかつ・へいた)
1948年 京都生まれ
1972年 学士(経済学) 早稲田大学
1975年 修士(経済史) 早稲田大学
1985年 D.Phil. Oxford Univ.
1991~98年 早稲田大学政治経済学部教授
1998~07年 国際日本文化研究センター教授/副所長
2007~09年 静岡文化芸術大学学長
2009~24年 静岡県知事
2010~現在 静岡文化芸術大学名誉教授
著作:以下は知事在職中(2009~24年)の主要著作(本の表紙に氏名記載のもの)
邦文:単著『日本の理想―ふじのくに』(2010年、春秋社)
『近代文明の誕生―通説に挑む知の冒険』(2011年、日経ビジネス人文庫)
『資本主義は海洋アジアから』(2012年、日経ビジネス人文庫)
『鎖国と資本主義』(2012年、藤原書店)
『文明の海洋史観』(中公文庫版:新稿「あとがき」、2016年、中央公論新社)
共著『「東北」共同体からの再生』(増田寛・東郷和彦と共著、2011年、藤原書店)
『新版「内発的発展」とは何かー新しい学問に向けて』(鶴見和子と共著、2017年、藤原書店)
『日本思想の古層』(梅原猛と共著、2017年、藤原書店)
『ベルク「風土学」とは何か』(A・ベルクと共著、2019年、藤原書店)
『楕円の日本』(山折哲雄と共著、2020年、藤原書店)
編著『日本の中の地球史』(2019年、藤原書店)
『増補新版 海から見た歴史』(2020年、藤原書店)
英文:
H.Kawakatsu, The Lancashire Cotton Industry and Its Rivals - International Competition in the Late Nineteenth Century: Britain versus India, China, and Japan (Tokyo: International House of Japan, 2018).
Latham and Kawakatsu eds., Asia and the History of International Economy:Essays in Memory of Peter Mathias, with special contribution from H.I.H.Crown Prince Naruhito (Abingdon and New York: Routledge 2018).
Latham and Kawakatsu eds.,Japanese Industrialization and the Asian Economy (London:Routledge,1994.Repr.Routledge Paperback,2014).
Latham and Kawakatsu, eds., Asia Pacific Dynamism, 1550-2000 (London & New York: Routledge, 2000. Repr. Routledge Paperback 2016).
Latham and Kawakatsu eds., Intra-Asian Trade and the World Market (Abingdon and New York: Routledge,2006. Repr. Routlegde Paperback, 2009).
Latham and Kawakatsu eds., The Emerging Structure of the East Asian Economic System since 1700:A Comparative Analysis.(Abingdon and New York, 2011. Repr.Routledge Paperback,2014).
なお、伊東俊太郎博士との対談等―3篇
1)対談「比較文明学の現在、そして未来へ」『比較文明』18号、2002年
2)鼎談(伊東・服部英二・川勝)「文明間に通底する価値を求めて」『環』31号、2007年
3)対談「日本を変えるー文明の視点からー」『環』59号、2014年
以上
■「記念講演」には、当学会に未加入の方も、来場ないしはオンラインで参加頂けます。当学会に未加入の方が来場して参加される場合は、当日、会場受付にて資料代として1,000円お支払いください。(ただし学生・院生は無料です)
■「記念講演」に先立ち、14時30分から15時30分まで「2025年度総会」を開催します。「2025年度総会」は、当学会の会員のみの参加となります。
■「記念講演」および「2025年度総会」への出欠を、こちらのフォームで、2025年04月11日(金)までにご回答下さい。(04月12日(土)以降に参加を申し込まれる場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡ください。)メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■オンライン(Zoom)で参加希望の方には、開催前日までにZoomのURLとパスコードをお届けします。前日までにURLとパスコードが届かない場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡下さい。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■来場に際しては感染症防止に十分ご留意下さいますようお願い申し上げます。
更新日:2025年3月23日