地球システム・倫理学会の「研究例会」
地球システム・倫理学会の「研究例会」
■日 時:2024年12月21日(土)16時00分〜18時00分(開場:15時45分)
■会 場:麗澤大学新宿キャンパス(東京・西新宿「新宿アイランドタワー」4階)およびZoom
■テーマ:地球システム倫理と学問・教育革命 【講演資料】
■講 師:山脇 直司 東京大学名誉教授
■要 旨:
本学会の初代会長で数々の業績を残した伊東俊太郎氏が、科学史研究や比較文明論から地球倫理に関心の軸足を移し、包括的なヴィジョンを示した書は、おそらく2013年刊行の『変容の時代――科学・自然・倫理・公共』(麗澤大学出版会)であろう。今回の発表では、この書の意義を再確認することから出発し、伊東氏と知的出自が異なるとはいえ、危機意識と問題関心を共有する私なりの構想を「学問・教育革命」という観点から提示してみたい。
このテーマを論じるにあたって、私が出発点に据えたいのは、生物哲学者のユクスキュルが唱えた「環世界(Umwelt)」と私が長らく重視してきた「公共世界」である。この二つはオーバーラップしつつも、前者が人間を含めた生物全般に特有の世界なのに対し、後者は人間固有の価値や制度に彩られた世界という相違点がある。そしてそれは、人間が生物や宇宙の一員としての自然的存在者である同時に、人間固有の公共世界の中に生きる文化的・歴史的存在者であることを意味している。このような根源的認識に基づきながら、現在の地球的な危機や諸分断に直面して、19世紀半ば以降に確立し現在に至っている知の体系(学問体制)と教育制度が今や大きく変革されなければならない。その変革とは、理系(自然科学)と文系(人文・社会科学)の棲み分けを超える再統合、蛸壺化した学問体制を打破する教養教育の新しいあり方、そして多くの場合文学部の片隅に置かれている哲学の新たな意味づけと再定位、などである。今回は、その構想をできるだけ具体例に即しながら発表し、皆様の質疑に応えてみたい。
キーワード:環世界と公共世界、理系と文系の再統合、教養教育と哲学の再定位
■略 歴:山脇 直司(やまわき・なおし)東京大学名誉教授 1949年3月青森県生まれ。一橋大学経済学部卒業、上智大学大学院哲学研究科を経て、1982年ミュンヘン大学にて哲学博士号を取得。 1988 年 4 月から 1993 年 3 月まで東京大学教養学部助教授、1993 年 4 月から 2013 年 3 月まで同教授および東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授。2013年4月星槎大学教授、2019年4月から2023年3月まで同学長。現在は、星槎大学特任教授、東日本国際大学客員教授、朝日カルチャーセンター講師。地球システム・倫理学会副会長、日本共生科学会会長、八戸市観光特派大使。 【単著】 『ヨーロッパ社会思想史』(東京大学出版会1992年、あとがき付き新版2024年)、『公共哲学とは何か』(ちくま新書2004年)、『グローカル公共哲学』(東京大学出版会2008年)、『社会とどうかかわるか―公共哲学からのヒント』(岩波ジュニア新書2008年)、『社会思想史を学ぶ』(ちくま新書2009年)、『公共哲学からの応答―3.11の衝撃の後で』(筑摩書房2011年)、Glocal Public Philosophy: Toward Peaceful and Just Societies in the Age of Globalization (Lit Verlag,2016)、『分断された世界をつなぐ思想―より善き公正な社会のために』(北海道出版会2024年)など。 【編著】 『科学・技術と社会倫理―その統合的思考を探る』(東京大学出版会2014年)、『教養教育と統合知』(東京大学出版会2018年)、『共生社会の構築のために―教育・福祉・国際・スポーツ』(星槎大学出版会2019年)など。 【共訳書】 ローベルト・シュペーマン『進化論の基盤を問う―目的論の歴史と復権』(東海大学出版会1987年)、同『原子力時代の驕り―後は野となれ山となれでメルトダウン』(知泉書館2012年)、同『幸福と仁愛―自己実現と他者の地平』(東京大学出版会2015年)、フィヒテ『ドイツ国民への講話』(京都大学学術出版会2023年)など。
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■「研究例会」には、当学会に未加入の方も、来場ないしはオンラインで参加頂けます。当学会に未加入の方が来場して参加される場合は、当日、会場受付にて資料代として1,000円お支払いください。(ただし学生・院生は無料です)
■「研究例会」への出欠をこちらのフォームで、2024年12月16日(月)までにご回答下さい。(12月17日(火)以降に参加を申し込まれる場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡ください。)メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■オンライン(Zoom)で参加希望の方には、開催前日までにZoomのURLとパスコードをお届けします。前日までにURLとパスコードが届かない場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡下さい。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■来場に際しては感染症防止に十分ご留意下さいますようお願い申し上げます。
■「研究例会」に先立ち、14時30分から15時30分まで「理事・評議員会」を開催します。「理事・評議員会」は、当学会の役員(理事・評議員)のみの参加となります。
更新日:2024年12月21日