Materials Informatics

データ駆動型の材料開発・分子設計

これまでの材料開発・分子設計は実験・理論・シミュレーションによって推進されてきましたが、近年データ科学という新たなアプローチが広がっています。データ駆動型のアプローチはMaterials Informaticsと呼ばれ、最もホットな研究分野です。私たちは本アプローチに必要になるデータを、実験や文献から取得したり、シミュレーションにより生成しています。シミュレーションには日本が誇る「富岳」や九州大の「ITO」などのスーパーコンピュータを使用します。スーパーコンピュータやデータ科学の手法を駆使して、未知の材料・分子の探索や、高精度シミュレーションを高速に実現するための研究を進めています。

最近の動向

1. SARS-CoV-2関連たんぱく質の量子化学的相互作用データベース構築

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)タンパク質と治療薬候補化合物の分子間相互作用を「フラグメント分子軌道法(FMO法)」で計算し、データを、世界中の創薬研究者が自由に利用できる「FMOデータベース(FMODB)」にて公開しました。

K. Fukuzawa, K. Kato, C. Watanabe, Y. Kawashima, Y. Handa, A. Yamamoto, K. Watanabe, T. Ohyama, K. Kamisaka, D. Takaya, T. Honma, J. Chem. Inf. Model. 2021, 61, 9, 4594–4612.