津守 略歴

津守 不二夫

学歴

  • 1990年: 山口県立下関西高等学校卒業

  • 1990年:東京大学教養学部理科I類入学

  • 1994年:東京大学工学部金属工学科卒業

  • 1996年:東京大学大学院工学系研究科金属工学専攻修士課程 修了

  • 1999年:東京大学大学院工学系研究科金属工学専攻博士後期課程 修了

  • 1999年:博士(工学)東京大学 学位授与

  • 論文題目「内部メカニズムを考慮した焼結現象解析のためのマルチレベルモデリング」

職歴

  • 2000年:大阪府立産業技術総合研究所 客員研究員

  • 2001年:京都大学大学院工学研究科機械工学専攻 助手

  • 2004年:京都大学大学院工学研究科マイクロエンジニアリング専攻 講師

  • 2009年:九州大学大学院工学研究院機械工学部門 准教授

  • 2010年4~10月:フライブルク大学(ドイツ)Dept. Microsystems Eng., Visiting Researcher(JSPS優秀若手研究者海外派遣)

  • 2020年10月:九州大学大学院工学研究院航空宇宙工学部門 教授(現在に至る)

学生時代からこれまで

学生時代は粉末冶金プロセスの解析プログラムを書き続けていました.学位取得まで解析オンリーで実験経験ゼロです.

博士課程の集大成を投稿した論文です.粉体と内部微細構造の両方を考慮するモデル化(ミクロ-マクロ連成)を行いました.

"Macro–micro modeling for coupled elasto–creep and thermal analyses under sintering", Materials Science and Engineering A, 285 (2000), pp. 357-362.

ポスドク時代には,大阪府立産業技術総合研究所のセラミックス研究室で新たな成形加工プロセスの開発に従事しました.月例報告書を部長に提出するのが義務でしたが「自分とは分野が違うけど,あんたの報告は面白い」と言われたのがうれしかった記憶があります.

ポスドク時代の成果.新プロセスを開発し,セラミックスで自分の「指」をコピーしました.指紋まで転写されています.2003年,粉末冶金工業会より表彰されました.

"Semi-solid Mold Isostatic Compaction", Int. J. Powder Metallurgy 39-8, (2003) pp. 46-51.

京都大学での助手時代は,粉体成形プロセスの大御所,島進(しま すすむ)先生のもと自由に研究させてもらいました.面倒がって論文をほとんど書かず,島先生を大いに心配させてしまいました.先生はガンで早くに亡くなられ,今でも師匠不幸だったと恥じ入るばかりです.ただ,この頃のアイデアや予備実験結果は今でもとても役にたっています.

講師に昇任してからは,マイクロエンジニアリング専攻というところで,これまでと違う素材を扱い始めます.微細加工可能な柔軟樹脂材料(PDMS)を使った研究やナノインプリントはこのころに開始したテーマです.

磁性ゴムで初めて駆動した人工繊毛.当時の4年生ががんばってくれました.

九州大学に移ってからは,これまでの研究を継続しつつ,レーザ加工や3Dプリンタを変革してやろうと,人と違う取り組みを意識した計画を常にたてています.総合大学ならではの多分野の研究者との交流も堪能しています.