「朝(あさ)・昼(ひる)・夜(よる)は、どんなものを食べていたのですか?」
朝(あさ)ごはんでは、イモとみそしるを一緒(いっしょ)に食べていました。そして、油(あぶら)みそですね。よくイモに油みそをつけて食べていました。
子どものころは大食いだったので、イモは5~6個(こ)くらい食べていたかもしれません。
お昼(ひる)ごはんもやはりイモですね。お昼もみそしると一緒に食べていました。
夕食(ゆうしょく)では、おかゆみたいなドロドロしたごはんを食べていました。それと、たくあんやチキナー、みそしるやおかずがありました。
おかずには、トーフチャンプルーやフーチャンプルー、マーミナーチャンプルーなど、さまざまなものがありました。
昔(むかし)の沖縄では、どの家庭(かてい)でも畑(はたけ)でイモを栽培(さいばい)しており、主食(しゅしょく)として毎日(まいにち)のように食べられていました。
毎朝(まいあさ)、その日に食べる分(ぶん)のイモをまとめてシンメーナービで炊(た)いて食べていました。
朝ごはんで食べきれなかったイモは、サギジョーキなどのかごに入れて、すずしい木の下などにかけて保存(ほぞん)していました。
イモの皮(かわ)やくずイモ(かたちがわるいもの)などは、家畜(かちく)の食べものとしても使われていました。
・イモ
・みそ汁(だし:かつおぶし、具:からしな)
・油(あぶら)みそ
ほとんどの地域(ちいき)では、ふだんはイモと汁物(しるもの)にもう一品(ひとしな)つける、という朝ごはんです。もう一品の例(れい)としては、大根(だいこん)や島(しま)らっきょうなどの漬物(つけもの)、海に近い地域ではすくがらす(あいごの子の塩づけ)など、地域や季節(きせつ)によって違(ちが)いはありますが、保存ができるものがほとんどです。
「みそしるについて、くわしく教えてください」
みそしるには、野菜(やさい)をいれます。畑(はたけ)でとれた野菜を使います。それをうかべてみそ汁(しる)を作るんだけど、一番(いちばん)重要(じゅうよう)なのは「出汁(だし)」なんです。
みそしるの出汁を取(と)るためには、鰹節(かつおぶし)を使います。昔(むかし)から鰹節はよく使われてきました。それに、乾燥(かんそう)した小魚(こざかな)の粉(こな)や昆布(こんぶ)も使うことがあるんだよ。
それから、豚(ぶた)のあぶら(ラード)を使っていたんだ。野菜にしみこんだラードが、野菜の味(あじ)を引(ひ)き立てるんです。
野菜には、農家(のうか)で使われる野菜(やさい)のほかに、野草(やそう)があるんだ。野草の中でも特(とく)によく使われるのが、ンージャナバー(ほそばわだん)っていうんだ。健康(けんこう)にいい、という理由(りゆう)でよく使われていましたよ。
それから、フーチバー(よもぎ)やマーオーバー(はるののげし)なども使うことがあります。はるののげしはウサギがよく食べるんだ。ただし使うとみそしるが真っ黒(まっくろ)になるんだけど、それでもおいしく食べていたんだよ。また、クワギヌハー(くわのは)やニービラー(にら)も使われていました。
そして、イモもたくさんあるから、カズラの葉(は)っぱも使うんだ。葉っぱも入れるし、それからそら豆(まめ)の葉っぱをたくさん使っていました。
肉(にく)や貝類(かいるい)も、塩(しお)づけにして保存(ほぞん)してあるものがたくさんありました。それを少(すこ)しずつ切(き)って、おつゆの中に入れるんだよ。そして、私(わたし)の印象(いんしょう)に残っているのは骨付(ほねつ)きの肉ですね。それも塩づけにしてあったんです。
同じ沖縄県でも、昔(むかし)のふだんの食生活は地域(ちいき)によって少(すこ)し違(ちが)っていました。
どうしてこのような違いがうまれたのでしょうか。