仲本先生に聞いてみよう
「ンムクジとはなんですか?」
イモからとれるデンプンです。
作り方は、まずイモを炊(た)く前に、生のまますり器(き)ですります。
すったイモに水をかけ、ざるでこします。すると、ざるの上にかすが残(のこ)ります。そのかすを絞(しぼ)ったものをンムカシといいます。
また、ンムカシをしぼったときの汁(しる)を一晩(ひとばん)おいておくと、下にでんぷんがたまります。
このたまったでんぷんをンムクジといいます。
ンムクジは、ンムクジアンダギーといって、天(てん)ぷらにすることもあります。
また、ンムカシポーポーは、ンムカシにンムクジを加(くわ)えてまき、中に油(あぶら)みそを入れます。それとは別(べつ)に、ンムクジプットゥルーといって、ンムクジを野菜(やさい)や豚肉(ぶたにく)と一緒(いっしょ)に炒(いた)めて食べる料理(りょうり)もあります。
だからイモの利用(りよう)というのは、そのままむいて食べるもの、それから油で炒めて食べるもの、それから「くず」をとって食べるもの、それからつぶして食べたり、いろいろな食べ方がありました。
もっと知りたい!すがたを変(か)えるおイモ
イモは煮(に)てそのまま食べるだけではなく、ンムカシやンムクジに加工(かこう)したり、それらを使っていろいろな料理(りょうり)を作っていました。
なぜそのような工夫(くふう)をする必要(ひつよう)があったのでしょうか。
もっと知りたい!ンムカシとンムクジの作り方
生のイモを「ンムカシ」と「ンムクジ」に加工(かこう)することで、生のイモよりも長く保存(ほぞん)することができます。
ここでは、その作り方を紹介(しょうかい)します。
同じように、じゃがいもからもでんぷんをとることができます。
材料(ざいりょう)と道具(どうぐ)
生のさつまいも 2本
おろしがね
ガーゼ
バット
ボウル
ざる(ボウルと同じくらいのサイズ)
道具(どうぐ)を準備(じゅんび)する。
生のままのイモを水でよくあらっておく。
ボウルの上にざるをかさねる。
さらにその上に、ガーゼをかぶせる。
ガーゼの上で、おろしがねを使ってイモをすりおろす。
すりおろすと、だんだんとイモが小さくなってくる。このとき、おろしがねで指(ゆび)を切らないように気をつける。
すりおろしたイモにゆっくりと水をかける。
ボウルのなかにだんだんと水がたまってきた。ここで、水をかけるのをやめる。
すりおろしたイモをガーゼでつつんで、水をギュッとしぼる。
しぼったすりおろしたイモ。これがンムカシ(イモのかす)である。
ンムカシを手でキュッと握(にぎ)って、まるく形(かたち)をととのえる。
ウムカシのかたちをととのえるのがむずかしいときは、バットの上において、ギュッと上からおさえてもよい。
バットにならべたンムカシは、ラップをして冷蔵庫(れいぞうこ)で乾燥(かんそう)させる。
水がたまったボウルは、20分間くらいそのまま静(しず)かにおいておく。するとだんだんとボウルの底(そこ)に白いかたまり(ンムクジ)が沈(しず)んでいく。
20分間おいたボウルをそっと持ち上げて、ゆっくりと上ずみ(水)だけを捨(す)てる。
このとき、ンムクジは捨(す)てないように気をつける。
ンムクジが沈(しず)んだボウルに新しい水を入れてまぜる。そして、また20分間くらい静(しず)かにおいておく。
ゆっくりと上ずみだけを捨てる。そして、ボウルに新しい水を入れて、さらに20分間くらい静(しず)かにおいておく。
ゆっくりと上ずみだけを捨(す)てる。
このまま冷蔵庫(れいぞうこ)で乾燥(かんそう)させる。
乾燥(かんそう)したンムクジ
もっと知りたい!食べものを長く保存(ほぞん)する方法(ほうほう)
冷蔵庫(れいぞうこ)がない時代(じだい)に、食べものを長く保存(ほぞん)する方法(ほうほう)として、食べものを塩(しお)づけにする方法があります。
ここでは、からしなの塩づけ(チキナー)の作り方を紹介(しょうかい)します。
また、食べものには塩づけにするほかにも、いろいろな保存方法(ほぞんほうほう)があります。ほかにどのような保存方法があるでしょうか。
チキナー(からしなの塩(しお)づけ)
材料(ざいりょう)と道具(どうぐ)
からしな(しまな)
塩(しお)だいたい大さじ1
包丁(ほうちょう)
まな板(いた)
バット(ボウルでもよい)
からしなを水であらったあと、軽(かる)く水を切って、まな板(いた)の上におく。
からしなをよくみると、かたい茎(くき)の部分(ぶぶん)と、葉(は)の部分がある。
包丁(ほうちょう)で茎(くき)の部分(ぶぶん)を切り分ける。
さらに、葉(は)の部分(ぶぶん)を半分の長さに切り分ける。
切ったからしなをバットにうつす。
塩(しお)をふりかける。
からしなを手でギュッギュッとつぶすようにして、塩(しお)もみをする。
しばらくすると、からしなから水分(すいぶん)がたくさん出てくる。
水分(すいぶん)をギュッとしぼって、冷蔵庫(れいぞうこ)に保存(ほぞん)する。食べるときは、このままでは塩(しお)からいので、水でかるく洗(あら)って塩をおとしてから、食べやすい大きさに切る。