三宅章介

《切妻屋根の痕跡のための類型学》2018

三宅章介 Akiyoshi Miyake
1950年神戸市生まれ。1976年京都市立芸術大学美術専攻科修了。メディアアーティスト。1997年プリンツ21(準グランプリ)、大阪トリエンナーレ、1998年現代日本美術展、1999年京都美術工芸展(優秀賞)、京展(京展賞)、2000年さっぽろ国際版画ビエンナーレ(U氏賞)、2018-21年京都写真展、2018-23年KG+出品、2020年赤々舎から写真集「切妻屋根の痕跡のための類型学」を出版。

ウェブサイト:https://www.akiyoshi.jp 

切妻屋根の痕跡のための類型学
Typology for Traces of Gable Roofs

いわゆる京町家は昭和25年以前に建てられた伝統的木造建築で、職人や商人のための職住一体住宅として、数世代にわたって継承されてきた。近年、伝統産業の衰退と核家族化に加え、老朽化による維持費の増大、固定資産税、相続税などの負担がネックとなり、後継者がなく、年間800軒、1日あたり2軒が取り壊されているという。取り壊された後もその屋根の跡が隣家の壁に刻まれており、その下で営まれたであろう日々が偲ばれる。時の経過とともに痕跡も風化し、新しい建物が建てば視界から消えてしまう。やがて痕跡を記した壁面も取り壊され、人々の記憶からも消え去るだろう。