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◎ヤングケアラーについて 厚生労働省 ヤングケアラーに関する基本情報の他、支援情報も掲載されています
◎知ってほしいヤングケアラー NHK首都圏ナビ 当事者の声のほか、専門家の解説もあります。
(出典)「ヤングケアラーの実態に関する調査研究について」 令和2年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業 厚生労働省
こんにちは、オヤタケです。ご訪問いただき、ありがとうございます(^^)
「お母さんのページ」では、オヤタケの母親としての経験も交えながらお役立ち情報をお伝えしています。
このページには不登校の基本的な情報のほか、各テーマごとに参考になる本やサイト、専門家のアドバイス、各種相談機関、ニュース記事、調査・統計資料など、不登校の子を支えるお母さんや保護者の方が知っておくと助かったり、お子さんへの理解が深まるような情報を幅広くご紹介しています。
なお、新ページ「体験談コラム」でも、親として試行錯誤する中での失敗談、考えが変わった瞬間や周りから支えられたエピソード、息子コタケによるコラムなどもお伝えしています。こちらも合わせてぜひお越しください!
情報量はまだまだ足りないかも知れませんが、この中から一つでも希望に繋がる情報が見つかりますよう、笑みの間一同、心から願っています(^^)
知りたい項目をクリックするとその情報に移動できます
日本では少子化が進んで生徒数が減少しているにもかかわらず、不登校児童生徒数は増加しています。
文部科学省の令和4年度の調査では、小中学生の不登校生徒が全国に 29万9048人いることがわかりました。前年比22.1%増、54,108人も増えています。児童生徒1,000人あたりの不登校児数は小学校で17.0、中学校で59.8人となり、小学生の約59人に一人、中学生の約17人に一人が不登校ということになります。
不登校は2013年以降増加傾向が続いてきていますが、コロナ禍に見舞われた令和2年度から令和4年度の3年間で10万人増加しました。
さらに民間の調査(2018年実施)では、保健室登校などの「不登校傾向」にある中学生の人数を33万と推計しています。これは約10人に1人が不登校傾向にあるという計算になります。
高校になると通信制や定時制など選択肢が広がりますが、それでも2020年(令2)の文科省の調査では60,575人が不登校になっています。近年は通信制高校の生徒数が急増しているため、通信制高校に転入することで不登校の定義に当てはまらなくなった生徒が一定程度いる可能性もあります。
*「不登校」の定義(文部科学省HPより抜粋)
何らかの心理的、情緒的、身体的若しくは社会的要因又は背景によって、児童生徒が出席しない又はすることができない状況(病気又は経済的理由による場合を除く。)
文科省が毎年実施する「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、「年度間に連続又は断続して30日以上欠席した児童生徒」を不登校としています。
・統計調査
◎「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」 文部科学省
◎ 「不登校傾向にある子どもの実態調査」日本財団
不登校に関する最近の調査報告。不登校児が16万人(小中)に増えたことや、不登校傾向の生徒が33万人以上(中学のみ)いるという内容が掲載されています。
・不登校の原因調査(文科省、長野県、NHK)
不登校の原因は様々あり、一つ以上の背景要因が隠れていることも珍しくないそうです。文部科学省の調査では「教職員との関係」は4%程度であるに対し、長野県やNHKのLINE調査では「担任との関係」が3割近くを占めています。これほど結果に差が出たのは、文部科学省が学校を対象に調査しているのに対し、後者は不登校生徒本人からの直接聞き取っているためと思われます。これに対し、文科省は2020年度中に不登校の当事者(数百人規模)を対象とした調査の実施を予定しています。
◎長野県 令和元年 第2回不登校児童生徒への支援の在り方懇談会 参考資料
・不登校関連のメディア記事・特集
文部科学省は2021年の秋に2つの不登校に関する調査結果を公表しました。
一つは毎年学校・教育委員会を対象に実施されている「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(以下、学校対象調査)、もう一つは当事者を対象とした調査「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」(以下、当事者対象調査)です。
学校対象調査ではいじめや先生との関係が原因とする回答は1%前後と極めて少ないのに対し、当事者対象調査では「学校に行きづらくなった理由」という質問に対し、「いじめ(いやがらせやいじめがあった)」と回答したのは小学生で23.0%、中学生で16.2%、「先生のこと(先生と合わなかった、先生が怖かった、体罰があったなど)」と回答したのが小学生27.0%、中学生25.3%となっています。文科省がこれまで毎年行ってきた学校対象調査の結果を踏まえて、各自治体が不登校支援策を検討したり、研究者が分析の土台としてきたことを考えると、実態を適切に把握できないままこれらの調査結果が学校や社会に与えた影響は小さくないと私は考えます。
さらに、学校対象調査では不登校の原因を生徒の「無気力」とする回答が5割近くに上り、全回答項目で最多となっています。当事者対象調査の回答に「無気力」が含まれていないため単純な比較や分析は難しいですが、この結果によって一部の学校や教員が不登校の理由について、「本人の心の問題」と捉えて対応している可能性も考えられます。
ただ、今回公表された当事者対象調査は対象者が絞られており、さらに回答率も10%前後と低かったことから、今回の調査結果で不登校の全体像がわかったとは言い切れないと私は思います。「調査期間中(約1ヶ月間)に学校または教育支援センターに登校・通所しアンケート用紙を受け取った生徒」しか回答できない条件設定が、何の影響もないとは考えにくいとも思います。調査実施期間中に登校も通所もできなかった完全不登校状態の子ども達の声は反映されていないため、調査結果に偏りが生まれてしまっている可能性もあります。あらゆる状況の不登校生徒やその保護者の声が集まるような調査分析が望まれます。
なお、文部科学省は令和4年度概算要求の「いじめ対策・不登校支援等総合推進事業」(要求・要望額104億円)の中に、「いじめ・不登校等の未然防止に向けた魅力ある学校づくりに関する調査研究」(365百万)を盛り込み、その一つとして「…不登校の未然防止等に向けた校内型適応指導教室、スクリーニング、経済的支援の在り方等の調査研究」を掲げています。
引用・参考資料
「令和4年度概算要求のポイント」 文部科学省HP
「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」 不登校に関する調査研究協力者会議(第1回)配付資料 文部科学省HP
「義務教育」という言葉から、「登校するのは義務だから、休んではだめだ」ととらえる子もいます。この義務は「子どもが登校する義務」ではない、ということが子どもの間ではあまり知られていません。一方で、「教育を受ける権利」は日本国憲法第26条で保障されていますが、不登校の子の「教育を受ける権利」はまだゅうぶんには守られてないと感じます。この「義務教育」について、弁護士の山下敏雅先生がわかりやすく解説してくれます。義務教育の他、子どもの生活にまつわる様々な疑問に答えています。ちなみにこのブログは本にもなっています。
◎「義務教育の義務って?」「どうなってるんだろう? 子どもの法律 弁護士山下敏雅から子どものみなさんへ」ブログ
文部科学省が2019年11月に出した通知について。学校の不登校対応で長年維持されてきた「学校復帰」を目指す方針から、再登校のみではなく、「社会での自立を目指す」へと方針が変更されました。
◎文部科学省の通知からの抜粋
「…1 不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方
(1)支援の視点
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。また,児童生徒によっては,不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で,学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。…」
(全文はこちら)
◎教育機会確保法
お子さんが「もう学校に行けない」となった時に、必要に応じて休ませる、という考えが広がっています。そうした「休養の必要性」は教育機会確保法(「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律 」2016年公布)という法律によって認められています。また、この法律については成立前から賛否両論があります。学校の姿勢が無理をさせない方向に変わったケースがある一方、担任が不登校児と積極的に関わりを持たなくなってしまうなどの問題も出てきています。施行後3年以内に再検討することになっています。
教育を受ける権利と義務教育について定めている第26条をはじめ、法の下の平等、人権の尊重、学問・思想良心の自由など、人権や教育に関わりのある憲法の条文を紹介しています。
◎「子どもの権利条約 日本ユニセフ協会抄訳 25 ― 32 条」 日本ユニセフ協会
国連の「子どもの権利条約」の中にある、教育を受ける権利について紹介しているサイトです。日本は1994年に批准していて、現在、世界では196の国と地域が締約国となっています。
不登校中の子に「学校に行きたくないの?」と聞くと、「行きたい」とか「明日は行く」と答えるお子さんもいます。でも翌朝になると体調を崩して行けない、ということを繰り返すことも。
親としても辛いやりとりですよね。
どう見ても行けそうもないのに、なぜ不登校の子は「明日は行く」「学校には行きたい」と言うのか?
息子のコタケをはじめ、不登校の子たちの体験談を聞くうちに、複雑な胸の内が見えてきました。
子どもの本音としては
「学校に行くのはすごくつらいけれど、親や先生に行きたくないと面と向かって言えない。言っても説得されるかもしれない。でも自分の将来も心配。そのためにも行かなくちゃいけない場所だから、(なんとかして)行く(しかない)、(自分の将来のためになんとか)行きたい」(でもほんとは無理)」
という複雑な気持ちが隠れていることもあるようです。
息子のコタケが不登校の時、私は焦りが募ると「明日の予定はどうするの?」と自分では少しオブラートに包んだつもりのド直球の質問をしてしまったりしました(汗)
今振り返ると、「無理して行かなくていい」という気持ちと「できれば行けると良いな」という感情のせめぎあいが続き、親としても辛い時期だったと思います。
でも不登校について調べていると、「どうして学校に行けないだけで子供がこんな辛い経験をしなければいけないんだろう?」と思うような周りからの厳しい対応や、全国の学校内で起きるいじめやハラスメントなどの問題を耳にして、「無理をして心の傷をこれ以上増やすくらいなら、家でのびのび明るく生きていてくれればもう十分だ。家族が健康で笑っているのが一番!」と思うようになっていきました。
そうして心が決まった直後に、「やっぱり学校には行ったほうが良い?」とコタケから聞かれた時、「無理して行かなくていーんじゃない」と答えました。今思い返すと、100%心の底から言えたのはこれが初めてだったと思います。
すると、この言葉はこれまで何度も口にしているのに、コタケは「ホントに?ホントに行かなくていいの?」とすがるような声で聞き返してきました。
私は改めて「無理しなくていい。学校は苦しんでまで行くところじゃない。勉強どころじゃないだろうし、それなら安心して学べる場所で学んだほうが良い」と伝えました。するとコタケは全身から力が抜けたような声で「ホントに、行かなくていいんだ…」と呟いた後、解放されたような笑顔を見せたのです。
私はこの時、私の心の奥の隅っこにある「できれば学校に行けると良いな」というホンネのかけらが息子にはちゃんと見えていたことにようやく気づきました。そして、そんなプレッシャーをかけていたことを反省しました。「誰よりもまず親が安心させてあげなくては…」と頭ではわかっていて、何度も言葉にしていても、息子はホンネのかけらを感じ取って不安だったんですね。
これが正解というわけではありませんが、一つの体験談としてご参考になれば幸いです。
不登校について相談先をお探しの方、また不登校児を支える中で心が折れそうに感じている方、孤独を感じている方向けの相談先をご紹介します。
「誰かに話しても何も解決しない…」「相談を聞くだけでそれ以上何もしてくれない…」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、少しでもお気持ちが楽になったり、前を向くきっかけにつながることを祈っています。
◎よりそいホットライン(電話・チャット・ファックス・SNS)
厚生労働省の補助金を受けて運営されている相談窓口。DV、性暴力、性別への違和感、仕事、生活苦、病気や障がい、ハラスメント、自殺を考えるほど苦しい、などの様々な悩みや困りごとの相談を無料で受け付けています。どなたでも、何歳でも利用できるそうです。「誰かに話を聞いてほしい」というのもOK。電話だけでなく、ファックス、SNSでも相談可能です。通話料無料。被災者相談も対応しています。
◎こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 厚生労働省
さまざまな悩みに対する総合案内サイト。相談窓口や医療機関の検索サイト、お悩み別の専門家によるアドバイスなど内容は多岐にわたります。電話だけでなく、SNS、メールなどでの相談窓口も紹介しています。
◎あなたのいばしょ(チャット)
チャット相談。24時間365日対応。秘密は守られます。誰でも相談可能です。
◎こどもの人権(じんけん)110番(電話) 0120−007−110
子どもがいじめや虐待、暴力などで苦しんでいる等の問題が起きている時、法務局や人権擁護委員が相談に乗ります。秘密厳守とされ、個人情報を集めたりはしないそうです。子どもだけでなく、保護者の相談にも応じてくれます。
◎女性の人権ホットライン 0570-070-810
配偶者などからの暴力やハラスメント、ストーカーなど、さまざまな相談に対応。「どんなことでも相談してください」とホームページに明記されています。受付時間は平日午前8時30分から午後5時15分まで
◎ネットトラブルでお困りの方へ インターネット 安全・安心相談 警察庁
ネット上のトラブルに関するサイバー犯罪の相談先や事例紹介が検索できる警察庁のサイト。
各都道府県警本部のサイバー犯罪対策相談窓口の一覧
◎オンラインゲームトラブル 消費者庁
「子どもが知らない間に高額課金してしまった」などのオンラインゲームのトラブルについて、わかりやすいイラスト付きで紹介している消費者庁のサイト。親ができる対策なども載っています。消費者ホットライン(188)の紹介の他、各地域の消費生活センターが検索できます。
◎ネット・スマホの悩みを解決 こたエール 東京都都民安全推進本部
ネットトラブルの相談事例などをわかりやすく解説している東京都のサイト。メールやLINEでの相談も受け付けています。
◎ひとり親世帯の無料家計相談会 ゆうちょ財団
ひとり親(離婚を考えている段階でも相談可能な場合があります)を対象とした無料のオンライン家計相談です。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ相談員が相談に応じてくれます。「主な相談な内容」の一つに「不登校」と記載している相談員の方がいます。また、不登校問題ではありませんが、弁護士の方の相談日もあります。
不登校(ふとうこう)だけではなく、いじめや虐待、LGBT、生活問題など、それぞれの悩みごとに相談先を検索できます。お住まいの地域で検索も可能です。NPO自殺対策支援センターライフリンクが運営しています。
◎「あなたはひとりじゃない」孤独/孤立対策室 内閣官房
内閣官房に設置された。孤独・孤立問題の対策チームが立ち上げた相談先を探せるサイト。18歳未満の人と、大人向けとあります。チャット形式で質問に答えていくと、今利用できる公的支援の窓口等のほか、不安の軽減方法などを紹介しているページが表示されます。
◎「年齢・性別を問わず、LINE・チャット等による相談」 厚生労働省
電話はちょっと…という人には、LINEやチャットで相談できるところもあります。
◎児童家庭支援センター(東京都は「子ども家庭支援センター」)
全国の自治体に「児童家庭支援センター(子ども家庭支援センター)」があります。18歳未満のお子さんとそのご家族が利用できます。相談内容も子育て相談の他、ひとり親家庭の支援や女性相談など多岐にわたります。私の知る限りでは、子どもを残して親がセンターに置くのが難しい場合、相談員が家庭訪問してくれる場合もあります。相談員にはソーシャルワーカーの他、心理専門員(カウンセラー)がいることもあります。
不登校には複数の問題や背景が複雑に絡んでいることもあります。悩みが重なって身動きが取れなくなっている時や、誰にも相談できずに孤独で辛いという親の方などは、一人で抱え込まずに地域の公的支援に繋がっておくのもお勧めです。
民間サービスとして、地域に私設の心理相談室、カウンセリングルームなどがあれば、そこを利用する方法もあります。相談料は有料で、カウンセラーによって50分5~6,000円くらいから1万円以上とかなり幅があります。また地域差があり、全般に大都市は金額が高めになります。
自治体や支援団体などの電話相談は相談員がその都度違うことが多いですが、民間の心理相談室や精神科クリニックでは、基本的に同じカウンセラーが担当し、しばらく継続することが多いです。
いじめや虐待などで心の傷が深い人の場合、トラウマ(心的外傷)治療に対応できるカウンセラーや精神科医が望ましい場合もあります。トラウマに対する心理療法には様々なものがありますが、私の知る限りではEMDRや暴露療法、認知処理療法などをよく耳にします。
カウンセラー選びの参考としては、公認心理師か臨床心理士のいずれかの資格保持者であることが一つの目安になるかと思います。公認心理師は新設された国家資格で、臨床心理士は学会認定の民間資格です。現在は二つの資格のいずれか、または両方を持つカウンセラーがいます。公立校のスクールカウンセラーの応募条件も、この2つのいずれかの資格保持者としているところが多いです。
個人的な感想としては、こうした資格保持者であっても、カウンセラーはスキル、経験、人間性などでもだいぶ違いがある印象です。カウンセラー探しは口コミも入りにくいため探しにくいかもしれませんが、お子さんや親御さんの辛さを理解し、支えながら回復に向けて伴走してくれる医師やカウンセラーの方に出会えることを祈っています。
なお、費用を抑えたい場合、臨床心理士を養成している大学院(第一種指定大学院)が学生の実習機関として相談センターを開設していることがあります。料金は少し安く設定されていますが、臨床心理士との面談に実習中の学生が陪席したり、大学院生がカウンセラーとして面談するところもあります。
クリニックでも、自費にはなりますが初診を親だけで受診できるところもあります。子どもが行きたがらないけど親は相談を考えているという方は、事前にホームページや電話等で確認してみてくださいね。
・心療内科・精神科でのカウンセリング
クリニック内の心理士によるカウンセリングに健康保険が適用されるところも僅かですがあります。私が知る限りでは、クリニック内のカウンセリングはまず医師の診察を受け、必要と判断された場合にカウンセリングを受けることになります。いきなりカウンセリングだけ受けることはできないんですね。カウンセラーとの面談時間は30分から1時間程度で、クリニックによっては上記の民間相談室と同等の金額がかかる場合もあります。心療内科にカウンセラーが常駐しているところはまだ少ないので事前に調べてみてくださいね。
コタケの不登校生活が始まってしばらく経った頃、「私は何を聞いてもだいじょうぶ。母の心はこわれたりしないよ」とコタケに伝えてみたことがあります。すると「ほんとに?ママはこわれない?」と聞き返され、息子が辛い中でも私に気を遣ってくれていたことに申し訳なく思いました。これがきっかけになったかはわかりませんが、息子は心の奥にしまっていたさらに辛い出来事を話してくれるようになりました。
でも私は「何を聞いても壊れない」とすぐに言えたわけではありませんでした。その当時息子をサポートしてくれていた方から、「お母さんはどんと構えて動じないで」と助言を受けた時、私はまるで糸が切れたように「あ、もうだめだ…」と感じ、むしろ自分が壊れて動けなくなってしまいたいとさえ思いつめました。その方のアドバイスは子どもを救うという意味では大切で正しいものだったと今では思えますが、当時はそのような余裕はまったくなく、すでに過労状態だった私はその後さらに体調を崩し、入院を勧められるほど体調が悪化していきました。
学校や行政、不登校支援サービスには不登校の子のためのノウハウや仕組みはあっても、その保護者については相談を聞くことが中心で、親への具体的な支援はあまりありません。今でも不登校支援のさまざまな場面で、助言を通して親に様々な役割が重なってしまう状況は続いていると思います。
「私はまだだいじょうぶ」と思っている方でも、不登校はまっすぐ右肩上がりな回復とは行かないことも多いです。今のうちからご夫婦、ご家族と協力しあえることを話し合ったり、利用できる自治体、民間のサービスなどを調べておくのもおすすめです。
不登校のお子さんの中には、不登校をきかっけに発達の特性や疾患がわかることもあります。ここでは、発達障がい、起立性調節障がいについてまとめています。不登校になる背景や要因は多岐にわたることも多く、これらの課題を持っているからといって、必ず不登校になるということではありません。
子供の発達が気になるけれど、どこに相談したら良いのか…という親の方もいらっしゃるかと思います。「いきなり精神科はちょっと不安…」という場合は、学校のスクールカウンセラーに相談するのも一つの方法です。相談料もかかりませんし、基本的な発達障がいの特徴や相談する診療科や自治体支援などを紹介してくれるかもしれません。
NHKの福祉情報総合サイト「NHKハートネット」内の発達障がいのページです。NHKは総合、Eテレの両方で発達障がいについて番組等で情報発信をしています。ハートネットでは発達障がいの他にも知的障がい、精神疾患など様々なテーマの情報が掲載されています。
発達性読み書き障害とも呼ばれているディスレクシア(読字障害)に関する基本的な情報が掲載されています。サイト内では、「読字に困難があると当然ながら書字にも困難があります」と説明しています。ディスレクシアの初期症状をわかりやすい表にして解説しています。
こころの病気や発達の凸凹がある人が子育てをする親に向けた情報を掲載しているウェブサイトです。「ぷるすあるは」は精神しょうがいや発達の特性等に関する様々な情報を発信しているウェブサイトで、医師や看護師、心理士等が運営しています。親のページは心理士の方が担当しており、発達しょうがいや疾患がある子どもへの接し方などを親からの質問に答える形でわかりやすく解説しています。サイト内には精神疾患や障碍、心の不調、ヤングケアラー、相談や支援につながる情報もあります。サイトのコンセプトは「『子ども情報ステーション』は、精神障がいやこころの不調、発達凸凹[デコボコ]などをかかえた親と、その’子ども’を応援するためのサイト」。読んでいる側が励まされる内容です。
◎発達障害ナビポータル 厚生労働省ほか
国が運営する発達障がいに関する総合情報提供サイト。トップページに「発達障害ナビポータルは、国が提供する発達障害に特化したポータルサイトです。発達障害に関する信頼のおける情報を皆様に提供します。」とあり、当事者やその家族のほか、学校や福祉、就労支援など支援者に向けて、発達障碍の基本情報や相談窓口に関する情報を提供しています。一部のページにはひらがなのルビや、文章を音声で伝える機能がついているページもあります。
◎カナロコ【ひとすじ】「字が読めないからこそ 恐竜学者・ジャック・ホーナー」 2014年7月21日 神奈川新聞
ディスレクシアを持つ恐竜博士ジャック・ホーナー氏のインタビューです。ジュラシックパークの主人公の博士のモデルにもなった人で、学習障がいやディスレクシアを理解する上でもおすすめです。日本でのディスレクシアの人口を調べたところ、「約0.7~2.2%、100~200万人いると推定」とするサイトと、5%以上とするサイトがあります。インタビューの中で、ホーナー博士は幼いころに父親から「お前の人生は終わっている」と言われたことを、目に涙を浮かべながら語っています。そしてそのすぐ後に、「でも母が支えてくれたんだ」と続け、母親がホーナー博士の恐竜への好奇心を伸ばすよう理解して支え続けたエピソードが出てきます。ちなみに、ジュラシックパークの監督スティーブン・スピルバーグもディスレクシアなんですよ。
◎「なぜ女子の発達障害は、大人になるまで発覚しにくいのか」岩波 明(昭和大学医学部精神医学講座主任教授) 2020年6月3日 ダイアモンドオンライン
比較的よく耳にする発達障がいにADHDとASDがありますが、これらは男の子に比べて女の子はその傾向が目立ちにくく、大人になってから診断を受けるケースも出てきています。こうした実態の背景について、医学的な話だけではなく、日本の男女の性別役割分担などの視点からも解説されています。
◎「ようやく手に入れた「識字障害」という名の止まり木 勉強がまったくできない落ちこぼれが、落語家になって」婦人公論 2019年11月08日
落語家・柳家花緑さんがご自身の発達障がいのご経験を楽しくユーモラスに語っています。幼い頃は自身を落ちこぼれと捉え、成人して識字障がいに気づくまで学校や生活のさまざまな場面で苦労されてきたそうです。落語家になってから、識字障がいのお子さんを育てている人に「識字障がいでは」と言われた時は不快に感じられたのが、その後「はたと立ち止まる気持ちに」なり、ご自身で調べて確信された時、「受け入れたとたん、ものすごく大きな変化が起きました。わずか数年前まで、自分はダメだ、できないんだと思っていたのが、そうではない。識字障がいのせいだったのだとわかった時の安堵感。精神的にものすごくラクになりましたし、恥ずかしさがなくなりました。」というエピソードが印象的です。まだ幼い子が言葉で表現することが難しいディスレクシア当事者の気持ちを知る一助となるお話です。
◎「知ってほしい! 起立性調節障害のこと」 NHKハートネット
朝が苦手で起きられない、立ちくらみがある、頭痛がするなどの症状があり、朝からの登校が困難になって不登校になるお子さんもいます。日本小児心身医学会によると、中高生の約10%が起立性調節障害(OD)であると推定されています。40人クラスであれば、4人もいることになるのですが、これほど多いのに一般的にはまだあまり知られていません。
この疾患を知らない人からは「早起きが苦手なだけ」「気の持ちよう」などと理解されず、お子さんがさらに辛くなってしまうケースもあるため、まずは正しい知識に基づいた周囲の理解が望まれます。これは疾患であり、気合いや根性論では解決しないということへの理解を求めるためには、上記のサイトにも出てきますが、診断を受けた小児科などで診断書を作成してもらい、それを学校に提出することで理解を促すという方法もあります。
不登校の背景には、こうした生活・学習面で困難を抱えているケースも珍しくないですが、学校の先生が疾患や対処法をよくご存じないこともあります。また、朝起きられない理由は起立性調節障がいだけではありません。上記のNHKの他、いくつかのサイトを下にご紹介していますので、受診の判断のご参考にしていただければと思います。
個人的な経験では、親の希望だけでなく、かかりつけの医師やカウンセラーからもらった具体的な対処法を伝えるのも支援につながりやすいと思います。
◎「こころの病克服体験記 ODになった娘」こころの耳HPより 起立性調節障害(OD)の事例を紹介しています。
◎「小児期発症慢性疾患を有する患者の成人期移行に関する調査報告書」日本小児科学会HPより 「14.日本心身医学会」に「起立性調節障害」(114p)の調査報告があります。
◎『子どものミカタ 不登校・うつ・発達障害 思春期以上、病気未満とのつきあい方』山登敬之 日本評論社 2014年
不登校の相談をしに心療内科などのクリニックを訪れたことがある人もいらっしゃると思います。この本では医師という立場から、不登校のほか、思春期特有の様々な心の不調について、精神科医の山登先生が事例を用いて解説しています。どのお子さんに対しても温かい眼差しを持って書かれていて、思春期の子どもを支える親が知っておきたい疾患の知識やアドバイスがのっている本です。山登先生が参加した文部科学省による不登校児の「その後」を調べた調査についても触れています。
不登校生の親のお悩みの常連、長時間ゲームの問題。
私も当初は「学校がやっている時間はゲームはしない」というルールをコタケと結んでいました。でも、不登校の子の体験談を調べると、多くの子が「朝、クラスでは授業をしているのに自分が家にいると思うと辛い」「何もしない時間はとても辛くて悪いことをずっと考えてしまうので、それを振り払うためにゲームにのめり込んでしまう」といった本音を語っています。コタケも「ゲームをしていても一瞬たりとも自分が不登校であることを忘れることはできない。笑い声を上げていても、心は少しも笑っていない」と言っていました。
朝からゲームをしているから元気なのではなく、ゲームでもしていなければ辛すぎて自分の心を守れないという切実な理由があるようです。また、近所の人の目がこわくて家から出られず、結果としてゲームをし続けてしまうこともあるようです。
ゲームは意味のない娯楽と捉える方もいますが、意外な効果もあります。
オンラインゲームで仲間と協力プレイをするなど、リアルとは違う仲間とのコミュニケーションを通じて自信を培えることもあります。我が家の場合も、不登校中のコタケはオンラインゲームでの会話の中でコミュニケーションの仕方や接し方を学んだように思います。
海外のユーザーとの出会いがあるのもオンラインゲームの世界ならでは。お互いに英語でコミュニケーションを取るので、日本語以外の世界の存在を感じるチャンスにもなります。オンラインゲームの世界で同じ不登校の子と出会い、それが心の支えになる子もいます。
マインクラフトのようなクリエイティブなゲームでは、イメージを膨らませて理想の建造物や街を作ったり、仲間と一緒に作業したり、完成させるための集中力や根気が必要だったりと、単なるストレス発散とは違い、楽しみながら様々なスキルが養える側面もあります。
もちろん、こうしたコミュニケーションの中には良くない出会いもありました。軽いものでは口喧嘩ですが、最初の頃はコタケもとても傷ついていました。暴言を吐くようなプレーヤーはオンラインゲーム上に必ずといっていいほど存在しますが、リアルな場と違いオンラインだと少し冷静に対応できたり、プレイ中に親に相談できるなど、自分なりの対処方法を学ぶ機会にもなりました。ただし、ご存知の通りネットならではのリスクは色々あるため、お子さんだけでなく、親もまたネットトラブルの事例を学ぶなど、自衛の知識を持つことはとても重要だと思います。
インターネット上でのトラブルに関する相談先を、「お母さんのページ」の「心理・生活等の相談」でご紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
ゲーム依存症の問題もあるため、親御さんのご不安はとてもよくわかります。どうしたら健康を害さず、安全に配慮しながらネットゲームができるか、ご家庭ごとの対応があるかと思います。親として心配のあまりお子さんからむりやりゲームを取り上げる前に、学校からの配慮や環境調整が行われたり、お子さんの辛い気持ちに寄り添う親子の対話を重ねる中で、お子さんの不安が軽減されますよう願っています。
「お母さんのページ」の「心理・生活等の相談」では、子どもが被害に会いやすいネット上のトラブルやその相談機関等のご紹介をしていますので、ぜひそちらもご覧ください。
***はじめにお読みください***
子どものページでもこのテーマでほぼ同じ本・ウェブサイトをご紹介しております。その中にはいじめの体験談や、深刻ないじめ行為について書かれているものもあります。そうした話に触れることで気持ちが不安定になるお子さんもいらっしゃるかもしれないため、紹介文には親などの保護者と読むことをくり返し勧めています。お子さんにこれらの本をご紹介いただく際にはそれぞれの紹介文を参考に、可能であれば大人の方が先に本や記事を読んでご判断いただき、お子さんと一緒に読まれることをお勧めします。
***
◎『こども六法』 山崎聡一郎 (著) 弘文堂 2019年
この本を書いた山崎氏は、小学生の時にいじめにあって、中学生になってから「法律を知っていれば、自分を守れたかもしれない」という思いを持つようになり、大人になってからこの本を作ったそうです。イラストは明るく、文体もわかりやすくて読みやすいですが、そこに書かれている内容は子どもの持つ権利とともに、子どもを取り巻く環境がいかに厳しいかを示唆しています。
子供の権利を守ることは当然のことのようで、そのうち大人側が正しく理解し実践できていること、できていないことを確かめる上でも、大人もぜひ読むべき本だと思います。本の企画を始め、協力を求めたりする中で、教育関係者から「子供に法律の知識なんてつけたら御しにくくなる」と言われたこともあるそうです。この言葉は、先生から見て「コントロールしやすい都合の良い」子に育てようとしているかのようにも聞こえます。この本を読むことを通じて、子どもへの接し方を振り返る機会にもなると思います。
下の「こども六法」ホームページには、本の「こども六法」の中にある「いじめで悩んでいるキミに」という山崎さんのメッセージと、いじめから子どもを守るために作られた法律「いじめ防止対策推進法」をわかりやすい言葉で書かれたページがあります。
◎「いじめと君」朝日新聞
朝日新聞DIGITALが「いじめと君」というトピックで、不登校を支援する医師やいじめ被害経験のあるタレント、ジャーナリストなど、様々な立場の人たちから寄せられたいじめに悩んでいるお子さん向けのメッセージを掲載しています。親が読んでもとても学ぶべきメッセージが多くこめられており、励まされる内容です。子どもだけではなく、親子で読むことをお勧めします。
この特集は本にもなっています。
◎『完全版 いじめられている君へ いじめている君へ いじめを見ている君へ』朝日新聞社編 朝日新聞出版 2012年
◎「STOP自殺 #しんどい君へ」 読売新聞
上記の朝日新聞と同様に、現在テレビなどで活躍されている方で、子どもの頃にいじめ被害にあった方々のインタビューです。子どもへのメッセージだけではなく、被害者としての実体験が詳しく語られているものもあります。なお、深刻ないじめの話も出てくるため、小さなお子さんも読む可能性のある「子どものページ」には、お笑い芸人ジャングルポケット・斎藤さんによる質問コーナーのみリンクを掲載しています。このコーナーや斎藤さんの壮絶ないじめ経験談はネットでもかなり話題になったので、すでにご存じの方も多いかもしれません。保護者の方のご判断で、お子さんに紹介される場合はお子さんとご一緒に読むことをお勧めします。
◎『いじめのある世界に生きる君たちへ ーいじめられっ子だった精神科医の贈る言葉』中井久夫著 中央公論新書 2016年
いじめについてはその構造について語られることが多いですが、この本はいじめられている子の過酷な心理状態を中心に書かれています。いじめられている子の行動を見ただけでは理解できない心のありさまを、わかりやすく丁寧に解説しています。私はこの本を読んだ時に、徐々に被害者を奴隷化していくプロセスに、心が芯が冷たくなるような恐ろしさを覚えました。この紹介文を書くために改めて目を通しましたが、そのすさまじさに何度も本を閉じてしまうほどです。
中井氏は本の中で、『この世に、いじめ方を教える塾があるわけではありません。…一部の家庭と学校は、懇切丁寧にいじめを教える学校といえそうです。』と述べています。やさしい語り口ですが、いじめは大人の問題でもあること、大人が果たすべき役割を果たしていないことを、読む人に突きつけているように感じました。この本は『いじめの政治学』という本の内容を子どもにも読みやすく書かれた本ですが、大人の方もぜひお読みください。なお、深刻ないじめについても書かれていますので、お子さんに勧める場合は、大人の方が先に読まれることをお勧めします。
◎『斎藤環さんに聞く「治癒できる『いじめ後遺症』」』2012年12月21日 朝日新聞
いじめによる心の傷からの回復に関する専門家のインタビュー記事です。筑波大学の斎藤環教授は引きこもりの支援を積極的にやっていて、不登校にもとても詳しい先生です。卒業していじめから物理的に解放されてもなお、精神的に苦悩し続けるいじめ被害者の方々のことが述べられています。いじめは暴力であることを改めて考させられる内容です。
「不登校重大事態に係る調査の指針について(通知)」 文部科学省
いじめにより相当期間(おおむね1ヶ月を目安)欠席を余儀なくされているとの疑いが認める時、学校や設置者が調査を行うための指針が文科省から出されています。この調査は加害者の処罰が目的ではなく、いじめによって不登校に至った疑いのある生徒が長期欠席を余儀なくされている状況の解消、学校復帰の支援、再発防止を主な目的としています。
調査の実施方法は「対象児童生徒からの聴取にこだわらないこと」としており、いじめの原因を詳しく話せない場合は聞き取とりだけにこだわらず、多角的に情報収集するなどの必要性も書かれています(抜粋「…対象児童生徒の中には、その原因を話したがらない者もいることを踏まえ、無理に対象児童生徒からの聴取を行うのではなく、周囲の児童生徒や教職員等から多角的に情報収集するなど、状況に応じた柔軟な対応が必要である。」)
また、指針の冒頭にある「調査の目的」の文中には、「…調査は民事・刑事上の責任追及やその他の争訟等への対応を直接の目的とするものでないことは言うまでもなく、学校及び設置者は、たとえ自らに不都合なことがあったとしても、事実にしっかりと向き合おうとする姿勢が何よりも重要である」と明記されています。
ヤングケアラーとは「家族にケアを要する⼈がいる場合に、⼤⼈が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情⾯のサポートなどを⾏っている18歳未満の⼦ども」としています。(厚生労働省のホームページより)
ヤングケアラーの子どもたちは、その悩みを他の人に話すことができず、一人で抱え込んでいることもあり、不登校の子どもたちの中にもヤングケアラーが存在すると言われています。令和2年度の厚生労働省の調査では、中学2年制の5.7%、約17人に一人がヤングケアラーの状態にあることがわかりました。
一昔前までは「お手伝いの範囲」「家族なら当然」という風潮がありましたが、現在は支援が必要な存在として注目され、国会でも議論されています。親の方も望んでそのような生活状況になっているわけではないのだと思いますが、まずは生活の安定につながる支援に家族が繋がることが、子どもの負担を軽減する第一歩だと思います。ここでは、ヤングケアラーに関する基本情報や、ヤングケアラーに関連する支援情報を掲載しています。
◎ヤングケアラーについて こども家庭庁
◎ヤングケアラーについて 厚生労働省 ヤングケアラーに関する基本情報の他、支援情報も掲載されています
◎知ってほしいヤングケアラー NHK首都圏ナビ 当事者の声のほか、専門家の解説もあります。
◎『ヤングケアラーを初めて定義 改正子ども・若者育成支援推進法が成立』福祉新聞、2024年6月
(出典)「ヤングケアラーの実態に関する調査研究について」 令和2年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業 厚生労働省
LGBTQ+の子たちも不登校になることがあります。LGBTQ+の当事者(とうじしゃ)は学校の制服の選択や着替え、友人関係など、学校生活のさまざまな場面で人知れず悩み、周りに変だとからかわれてしまったりして、それがきっかけで学校に行きづらくなってしまいます。LGBTQ+の人の割合は日本では約7%、13人に一人がLGBTQ+の人だとも言われていますが、親や周囲にそのことを伝えられないという話も耳にします。
今もLGBTQ+の人たちへの差別や偏見は社会に根強くありますが、国連サミットで掲げられた「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標」の中に「ジェンダー平等の実現」が掲げられるなど、世界的にも理解を促進する方向に動いています。
我が子がLGBTQ+かも、と思いながらも肯定的に受け止めるのが難しいと感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。これはとてもセンシティブな問題であり、軽々にアドバイスできることではないと個人的には感じていますが、せめて少しでもご参考になればと下記に当事者団体やSDGsに関するサイト、高校生の当事者の体験談などのサイトをご紹介します。
◎認定NPO法人 ReBit LGBTもありのままでオトナになれる社会へ 「LGBTを含めた全ての子どもが、ありのままの自分で大人になれる社会を目指す」とする団体(だんたい)です。LGBTの人とそうではない人が一緒に活動し、出張授業などの教育活動やLGBT成人式を全国で開催しています。
◎「SDGsの目標:5ジェンダー平等」EduTownSDGs ジェンダーについてわかりやすく解説(かいせつ)しているサイト。ジェンダーやLGBTの話もしょうかいされています。
◎「多様な性を知ってほしい」 高校生新聞サイト内 高校生くらいのLGBTの人たちの体験談などがのっています。
息子が不登校のころ、あるカウンセラーの方からいただいたアドバイスの中に、「飛行機にトラブルが起きて酸素マスクが天井から落ちてきた時、小さな子ども連れの親は子どもより先に自分がマスクを装着しなければいけません。それは、親がきちんと酸素が吸えないと、子どもを助けている途中で親が倒れ、結果として子どもも自分も助からないからです。それと同じで、まずは親御さんの健康を大事にしましょう。」というものがありました。
辛そうなお子さんを何とか助けたいと自分を後回しにして懸命に尽くされているお母さん、保護者の方もいらっしゃると思います。自分のことを考える余裕など持てない…という方にもお役に立ちそうな情報サイトを「お母さんのページ」の「親と子のメンタルケア」でご紹介しています。
ちなみに私が実践したのは、コタケの体調やメンタルが少し落ち着いてきた頃から、午前中に家族のランチを用意して、「お昼になったら食べてね」と伝えて朝からウォーキングに行く、というものでした。
コロナ禍の今、ウォーキングなら3密も避けやすいのでおすすめです。時間を気にせず出かけるだけでも小さな自由時間でしたし、ウォーキングの途中で自分へのご褒美に小さなお菓子を買うのも密かな幸せでした。ウォーキングとお菓子でプラマイゼロでちっとも痩せませんでしたが…(^_^;)
コタケが元気になり始めた頃、不安が尽きない私にドクターからも「楽しそうにしているお母さんの姿はお子さんにも良い影響がありますよ」とアドバイスをもらったことがあります。お子さんの体調にもよるかもしれませんので、無理のない範囲でご自身をいたわってあげる時間を持ってみてはいかがでしょうか。
自治体や地域、医療機関、民間団体等の支援の一般的な情報をご紹介します。
自治体にある「不登校相談窓口」や「教育支援センター」、「教育相談」、「スクールカウンセラー」「スクールソーシャルワーカー」が不登校相談などを受け付けていると思います。不登校相談窓口や教育支援センターは地域によってあったりなかったりなので、お住いの自治体や学校に問い合わせてみてください。
我が子が不登校になると、親としていろんな悩みを抱えてしまうことが多いですよね。そんなとき、「同じ境遇の人と話してみたい」「不登校の情報交換する機会がほしい」と思われる方もいらっしゃるかと思います。この笑みの間も含め、インターネット上でも様々な言葉や声があり、とても励まされたりしますが、リアルな場で話がしたい時には(不登校の子を持つ)「親の会」に参加してみるという方法もあります。ここでは、そんな親の会についてご紹介したいと思います。
不登校の親の会は全国各地にあります。当事者の親が集まって気持ちをお互いに語り合ったり、情報を共有したりできます。
平日昼間に開催される会では、参加者は女性(お母さん)がかなり多い傾向があります。平日の夜や週末開催ですと男性(お父さん)も参加されている会もあります。また、名称を「親の会」とせず、「保護者の集い」や「茶話会」の他、「〇〇の会」のように会の名称に不登校と明記していないところもあります。
ホームページやSNSで発信しているところもありますが、小さな会ですとホームページがない場合もあります。そうしたところは加入している不登校関連のネットワーク等の中で連絡先を紹介していたりします。また、住んでいる地域にしばられないオンラインの親の会もあります。
こうして書いてみても、「探すの大変そう…」と思います。私も親の会に初めて参加したのはコタケが不登校になってから1年以上経ってからでした。
地元では情報がなく見つけにくい場合は、自治体の教育支援センターや適応指導教室、フリースクールでも開催していることがありますので、問い合わせてみてください。なお、自治体以外の多くの会では一回につき数百円程度の参加費用がかかります。
次に、親の会の雰囲気や進行の仕方について、私の体験談や集めた情報をもとにお伝えしたいと思います。
親の会とひとことで言っても、それぞれにカラーがあるようです。主催者が元不登校のお子さんを持つ方だったり、臨床心理士の方が司会に入っている会もあります。フリースクール主催ですとその団体の理念に基づいた内容になります。規模も様々で、毎回数人のところもあれば、10人以上になるところもあります。会の内容は、主催者やカウンセラーなどが司会をし、参加者がそれぞれの経験を語り合い、情報を交換したり、アドバイスをしあう形式が多いようですが、中には講習会やセミナーを開催する会もあります。このほか、大学付属の心理相談室が親の会を開催していることもあります。
親の会が大きな心の支えになる方がいる一方で、語り合う中で涙を流される方も珍しくなく、こうした場が苦手な方や、情報収集を目的にしたい方もいらっしゃると耳にします。このような保護者の方の多様なニーズに応える場はまだ社会に少ないようです。
「登校拒否・不登校を考える東京の会」 東京都内の親の会リスト*東京周辺の自治体の親の会も若干紹介されています
不登校になると、不眠や食欲不振、うつ傾向などの症状が現れるケースがありますが、心療内科で出される薬への不安から受診をためらう方もいらっしゃるかと思います。精神科系は口コミが集まりにくいので、どんな方針のドクターなのかわからないというもの、躊躇する理由の一つかなと思います。
私の知る限りでは、精神科の場合、初診は親御さんだけでも大丈夫なところが多いです(自費)。連れて行こうと焦らずに、お子さんの心の状態をご相談される中で、投薬に対する医師の考えなどを聞く機会とするのも方法です。また、必ずしも「児童精神科」でなければ診てもらえないわけではありません。クリニックのホームページがあれば、医師が所属する学会やホームページの内容なども参考になります。個人的な印象では、精神科は問診が中心なので、近くの話しにくい先生より、少し遠くてもお子さんが「話しやすい・わかってもらえてる」と感じる先生の方が継続しやすいです。
また、お子さんがいじめや暴行、セクシャルハラスメント等により深い心の傷を負っている場合は、トラウマ治療にくわしい医師やカウンセラーが望ましい可能性もあります。トラウマ治療は薬の治療のほかに、EMDR、暴露療法、トラウマフォーカスト認知行動療法など、様々な心理療法があります。
発達障がい者支援の総合サイトです。発達障がいに関する情報やイベント案内、相談窓口の案内のほか、各地域の発達障害者支援センターのリストも掲載されています。
***オヤタケvoice***
不登校児支援の場は様々ありますが、笑みの間では基本的に自宅から通う施設で、子どもの自由や安心、自主性を大切にしているところを中心にご紹介しています。
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下記のフリースクールと並んで、子どもの居場所として増えてきているのが、各地域の教育委員会が設置する教育支援センター(適応指導教室)です。
私が調べた限りでは、利用料は無料です。設立当初は学校復帰を指導するための施設として、センターでようやく回復した子どもに再登校を促す話が出たりしたという話も聞きましたが、文科省の指針が「学校復帰だけを目指さない」と変わったため、こうした指導は徐々に減っていくのではないかと思われます。
教育支援センターはまだ自治体の6割程度しか設置しておらず、どの地域でも利用できる状況ではないようです。(H29 調査)ただ、設置していない自治体の約4割が今後設置を検討したいと回答していることから、今後さらに増えていく可能性があります。一方、未設置の理由として「通所を希望する不登校児童生徒が少ないと見込まれる」とか、予算や場所の確保が厳しいなどの回答が最も多くなっています。
不登校児支援の一つに、フリースクールがあります。施設ごとに理念や方針が異なり、時間割が有り学習に力を入れているところもあれば、利用者が自由に過ごせることを重視するところなどさまざまです。在籍する学校の校長が認めれば、フリースクールに行った日を出席日として数えてくれる場合もあります。フリースクールでのびのび過ごし、心身の健康を取り戻したお子さんの話も耳にします。
一方、私が保護者として調べたり、コタケの体験を聞く限りでは、フリースクールの中には経営が厳しく、セキュリティやスタッフの質(能力、経験、知識など)にかなりばらつきがあるという印象です。また、公営の教育支援センターと違い、月々や毎回の利用料が発生します。利用料の平均は一か月約33,000円です。これに交通費、イベント等の諸費用、昼食代、入会金が発生する場合もあります。入会当初にかかる支払いが20万円を超す施設もあります。不登校の受け皿としてマスコミに取り上げられることも多いのですが、フリースクールは比較的都市部に多く、郊外になると子どもが通える距離に無いこともあります。利用者は不登校児童生徒数全体の3〜5%程度です。
フリースクールも集団で生活する場ですので、「不登校の子でもフリースクールなら大丈夫」とは限りません。施設運営者の方針がお子さんに合っていないこともあるかもしれません。親としては「早く行き先を」と焦ってしまうかもしれませんが、お子さんに合うかどうか広く情報を集めたり、安全性も含めて大人の目でよく確かめていただき、親子で一緒に見学に行かれたり、入所体験などを通じて事前になるべく確認されることをお勧めします。
***お知らせ***
過去に東京都内のNPO法人が運営する大手フリースクールの施設内で、男性スタッフから性被害を受けた元利用者の方が、当該フリースクールと加害者の元スタッフに対して民事裁判を起こし、2019年7月に和解が成立したという報道がありました。(記事はこちら)当該法人によって外部の人間で構成された第三者委員会が立ち上げられ、その調査検証結果の一部が報道されました。それによると、当該フリースクール内で性被害にあった人が裁判の原告の方以外にもいたこと、加害者も複数いたことが示唆されたことが明らかになりました。また、当時責任者だった人が当時もそれ以後も適切に対処しなかったことなどが指摘されています。(記事はこちら・当該フリースクールの発表はこちら)
笑みの間としては、被害にあわれた方々への心理的負担を回避することを優先し、当サイト内での当該法人および当時被害者の方が関係した団体・個人等の情報や記事等の掲載は可能な限り控えています。被害にあわれた方々の一日も早い健康回復を心よりお祈りいたします。(2022年1月30日現在)
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不登校が始まってから、私は様々な専門職の方にアドバイスをいただきました。そこでよく言われたのが「お子さんにとって家庭が安心基地であることが、外に出る勇気につながる」です。
気持ちが落ち着いて意欲が戻り始め、家の外に出ようとした時に、「もし外でつらくなっても家で守ってもらえる、親に支えてもらえる」という心のお守りが必要というのは、不登校のお子さんに限らず、どんな子にも大切なことかもしれません。
一昔前までは「家が居心地がいいから出ないんだ」「あえて居づらくすればいやになって登校する」というアドバイスもあったようですが(今でもこのような考えの先生等がたまにいらっしゃると聞きます…(・・;)、個人的には家庭が心地よくないと心が安定しないし回復しにくいのでは、と思います。
ちなみに我が家の安心基地の作り方は小鳥の巣作りと同じで、日常のコツコツとした言葉や態度、親の「必ず守る」という約束の小枝を積み重ねていく感じでした。私たちが試行錯誤する中で作った巣は決して完璧ではなかったですが、コタケが安心して生活し、再び未来に希望を持てるようになるには必要な努力だったと今は思います。(当時は必死過ぎてそんなところまで考えられませんでした。脳内では日々ラスボス級の何かを相手にひたすら獅子奮迅の戦いを繰り広げ…以下略)
皆さまの安心基地作りに必要な言葉やアイデアが一つでも見つかったら嬉しいです。
***オヤタケvoice***
不登校の子と親の会話は、話し合うつもりが、登校や学習、進路等をめぐって対立的になってしまったり、一方的に叱責するような形になってしまうこともあります。親子関係のあり方、教育方針はご家庭それぞれだと思いますが、ここでは家族の穏やかな関係性の中で、子どもの気持ちを尊重するコミュニケーションに関心をお持ちの方への情報をご紹介しています。ご関心のある方は、ぜひご家族みなさんでご一読ください。
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◎「対話とコミュニケーション」 BSNキッズプロジェクト「はぐくむコラム」 *BSN新潟放送
新潟大学・豊田光世淳教授による親子の対話について書かれたコラム。簡単そうに見える親子の対話の難しさとその価値についてわかりやすく説明されています。豊田先生はコラムの中で「対話では、“当たり前”に固執せずに、“異なる可能性”を模索することが大切 」としています。そう考えると、「登校するのが当たり前」に固執せずに異なる可能性を模索する、というのは、大人の硬い頭からは湯気が出そうな話ですが、だからこそ対話すべきテーマなのかもしれません。豊田先生はまた、「対話は、難しく、勇気も必要としますが、気づきや理解を与えてくれるとても大切なコミュニケーション 」とも述べています。笑みの間ミッションにある「お互いに尊重しあう関係性の中での対話」の基本的な考えとも通底しています。ぜひご一読ください。
◎「今は休養が必要な時期 挽回のチャンスはいくらでもある」 斎藤 環 不登校のすべて
引きこもり支援をされている精神科医の斎藤環先生。不登校にも大変詳しい方です。斎藤先生の「追い詰めず、まずは休養させる」「おだやかに見守り、何か話したくなったときに話せるように、会話を多くする」など、焦るあまりについ忘れてしまいがちな日常の心構えが書かれています。下にご紹介するオープンダイアローグについての本も出されています。不登校に関する斎藤先生のインタビュー等はこの他にもインターネット上にいくつかありますので、ぜひ検索してみてください。
◎「対談「オープンダイアローグ」に学ぶ 子どもとの対話の持つ可能性」 斎藤環教授(筑波大学)× 高橋暁子(ジャーナリスト)
オープンダイアローグは1980年代にフィンランドで生まれた療法ですが、対談の中で斎藤先生は親子間のコミュニケーションにも使えると述べられています。文字通り「開かれた対話」で簡単そうに思えますが、子どもを相手に試みると「無理をせずに○○してなさい」とか「○○すればいいよ」など、言い方はやさしくても「親が望ましいと思う提案」をしてしまいがちです。斎藤教授は「議論や説得、説明は対話ではなく、モノローグとも言うべきもの」とし、さらに「相手にわからせよう、伝えよう、意見を変えてやろうという意図のやりとりは、すべて対話ではないと考えてください」とも仰っています。コタケからも、「おとなからの提案は、言葉は優しくても子どもからすると指示に近い」といった指摘を受けたこともあります。つい一方的、対立的になりがちな不登校の家族間のコミュニケーションを、穏やかで自由な対話にするヒントが見つかるかもしれません。
また、新しく出された『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』(医学書院)は実践の場面がマンガで描かれていてわかりやすく、お子さんと一緒に読めるのでこちらもおすすめです。
オープンダイアローグについて、実践されている様子を交えてわかりやすく解説しているサイトがあります。
「【特集】変わり始めた精神医療 (3)“オープンダイアローグ”の可能性」 NHKハートネット 2019年6月
◎『こころのナース 夜野さん(2)』水谷緑 著 小学館 2020年
精神科の看護師「夜野さん」の目線を通して、精神科クリニックやデイケアに訪れる患者とその家族の心の変化を描いている漫画。第2巻のエピソードの中に、不登校の女子中学生とその両親の話があります。娘の不登校をきっかけに夫婦がそれぞれの子育てを見直し、我が子に向き合っていく様子はとてもリアルで、親子の葛藤や夫婦の変化に共感する人も多いのではと感じました。内容はシリアスですが、水野さんのやさしいタッチの絵と夜野さんの穏やかなキャラクターに助けられて、読み終えたときには不登校の女の子、お母さん、お父さん、それぞれを応援する気持ちになりました。お子さんとのコミュニケーションに悩む親の方にぜひお勧めです!
子ども自身もすぐにはうまく語れない不登校中の気もちについて、理解が深まるマンガをご紹介します。当事者目線から見た大人の対応や、言葉にできない苦しさを知るてがかりになる内容でおすすめです。
◎『学校へ行けない僕と9人の先生』 棚園正一 著 双葉社 2015年
この漫画の著者・棚園正一さんは、ご自身の不登校経験を『学校へ行けない僕と9人の先生』に描かれました。当事者の気持ちがとても丁寧に描かれています。私はこのマンガを読んだ後、息子に謝りました。自分なりに懸命に理解してきたつもりでしたが、まだまだ不十分だったことを教えてもらった気がします。
なお、2019年3月に続編となる中学校以降の日々を描いた『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』が出ています。
棚園さんのインタビュー記事もあります。
◎「不登校という「色眼鏡」をかけない人との時間が、「フツウ」になれない自分が変えたーー棚園正一さんが漫画『学校へ行けない僕と9人の先生』続編を描く理由 」クリスクぷらす
◎「不登校から漫画家に 棚園正一さん「学校へ行けなかった日々は宝物」」産経新聞
お子さんの表情が明るくなってきたり、家族となら外出できたり、学習を再開したいと考え始めると、「そろそろ学校に行けるかも…!」と期待する親御さんもいるかと思います。
お子さんの本音としては「学校にはもう行きたくない」と思っているかもしれませんが、親から登校を有言・無言で醸し出されると、子どもは心の奥では不登校への罪悪感があったりするので「期待にこたえなければ」と無理をしてしまうかもしれません。回復の経過もちょっと良くなったり、ささいなことでまた落ちたりを繰り返すこともあります。
当時の自分に声をかけるとしたら、「一喜一憂せず、口出しせず、あまり先々を考えず、冷静に、さりげなく配慮しつつも、普段通りに接しなさい」ですが…実際にはお話しするのも恥ずかしいくらい一喜一憂しながらうろたえてしまい、とても褒められたもんじゃありませんでした。エラそうなこと言ってスミマセンm(__)m
ここでは家庭でできる心のケアについて紹介しているサイトをまとめています。
◎「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」 国立成育医療研究センター・こころの診療部リエゾン診療科
上記のリンクは親子のストレスケアに関する情報が紹介されているホームページです。おとなの方へのおススメは「子育て中のあなたへ」。浮世絵の「鳥獣戯画」に出てくるウサギとカエルが登場し、ユーモラスなイラストで親のストレスへの理解を示しながら、ストレスケアや日常で気を付けた方がよいことを教えてくれます。不登校中の保護者の方のストレス緩和にも役に立つ内容でおススメです。その他、親子向け、子ども向けに、不安や体調不良への対処法なども紹介されています。子どもとのコミュニケーションの心得なども掲載されていますので、ぜひご家族一緒にご覧ください。
◎メンタルフレンド
自治体によってはメンタルフレンド制度があります。メンタルフレンドとは、大学で心理学などを学ぶ(学んでいた)学生さんや不登校への理解がある若い方がボランティアとして家庭訪問し、不登校の子どもの話し相手や遊び相手になってくれる支援サービスです。自治体が派遣する場合は無料で利用できますが、NPOなどはお金がかかる場合もあります。また自治体の場合、派遣の基準に合致しないと判断されると派遣してもらえなかったり、こちらが継続を希望しても終了になってしまうこともあります。メンタルフレンドという名称ではなかったり、自治体によってはメンタルフレンド派遣を行っていない場合もあるので、ご関心がある方はまずはインターネット等で調べたり、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
◎「いまここケア -おうちで誰でもできるこころのケア」 東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
新型コロナウイルス感染拡大防止のために自宅で過ごす方に向けたメンタルヘルスの情報を掲載しているサイト。 マインドフルネスなどを使ったリラクセーション法を紹介しています。マインドフルネスはGoogleが社内の研修に取り入れたことでも有名です。我が家でも自律訓練法とマインドフルネスを親子でやってみたことがありますが、コタケは静かな部屋でゆっくり呼吸をするだけで気持ちがよかったらしく、とても気に入っていました。お子さんに勧めるだけよりも、親子で一緒に楽しんでやる方がモチベーションがあがります。
◎「新型コロナウイルス感染症対策(こころのケア)」厚生労働省
働く人を対象としたストレスケアやメンタルケアの様々な情報を紹介しています。今は職場に出向く方だけではなく、在宅勤務になった方もいらっしゃると思います。通勤ストレスが減った一方で、本来プライベートな空間であるはずの家での仕事に、新たなストレスを抱えることとなった方もいるかと思います。そんな方へのアドバイスや、相談先を紹介しています。
◎『だいじょうぶ 自分でできる心配の追いはらい方ワークブック』 イラスト版 子どもの認知行動療法① ドーン・ヒューナ−著 明石書店NEW!
ユーモラスなイラストと、わかりやすい説明で親子で楽しく進められるワークブックです。対象は6〜12歳ですが、大人も参考になる内容です。
表紙はカラーですが、中は白黒なので、色が好きなお子さんは一見つまらなそうに見えるかもしれません。でも、各章の最後に子ども自身が質問にイラストで答えるページが用意されていて、字を書くのが苦手な子にも取り組みやすい内容です。久しぶりに読み返して、心配になった時に痛くなる体の場所に印をつけるというページに、体のイラストのあちこちにコタケがつけた☓印を見て改めて胸が痛みました。ただ、息子は字や絵を書くことが辛く感じる時期だったこともあり、途中からは親の私が読んでその内容を伝える形にしました。個人的には、少しメンタルが落ち着いてきてからの方が取り組みやすいかなと思います。子ども向けの本ですが、子どもとの接し方について学びたい親の方にもおすすめです。「子どもの認知行動療法」シリーズは他にも「怒りの消火法」など全部で10巻あります。なお、お子さんが精神科にかかっていたりカウンセリングを受けていらっしゃる場合は、念のため、このワークブックに取り組むことを事前に相談してみてください。
SNS上では、不登校の子のお母さん・お父さんの先の見えない不安や焦り、悲しみや絶望が短い言葉や絵文字で表された投稿を見ない日は無く、多くの方が心身ともに厳しい日々を送られていることが伺えます。
笑みの間ではホームページを通して保護者の方々の支えにつながる情報や専門家のアドバイス等を発信することで、少しでもお力になれたらと考えています。ここでは、親御さんの心の疲れ度合いやうつ病の兆候をご自身でも理解し、適切な支援や周囲からの協力に結びつけるためのツールや専門家の解説をご紹介します。
うつ病、というと身構えてしまう方もいるかも知れません。お気持ちはとてもよくわかります。「今日は疲れてるだけだから…」と思っても、気持ちが沈む日が続いたり、不眠などの体の不調が治らない方は、それ以上の悪化を防ぐためにも医療や福祉の支援を受けることを考えたほうが良い段階かもしれません。子どものために一生懸命に過ごされていて、「自分の体調どころではない、まだ私は大丈夫」と思っていても、過労や心労に何もケアしないままがんばり続けて倒れてしまわないように、いざという時の備えとして地域や自治体などの支援サービスを調べておくのもおすすめです。
「精神科は行きづらい」「近くにない」という方は、まずスクールカウンセラーや養護教諭の先生に話してみるのも方法です。臨床心理士・公認心理師資格を持つカウンセラーであれば精神医療についての基礎知識を持っているはずですし、養護教諭の中には看護師資格保持者もいます。こうした専門職の人と一緒に子どものことを考えてくれる人がいるだけでも少し気持ちが前向きになれたり、受診の目安などを教えてもらえるかもしれません。
下にうつ病の簡易チェックができるサイトやストレスマネジメントに役立つ本をご紹介します。
◎うつ度チェック こころのスキルアップ・トレーニング(ここトレ)
認知行動療法に関するサイトです。認知行動療法が専門の大野裕先生が監修しています。
◎こころの病気を知る うつ病 みんなのメンタルヘルス 厚生労働省
うつ病の症状や治療に関する基本的なことがわかります。
◎『セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク』伊藤絵美著 晶文社 2020年
公認心理師の伊藤絵美氏による心のセルフケアの本。様々な事情でカウンセリングを受けられない人に向けて、自分でできるセルフケアのワークを一冊の本にまとめています。ワークとある通り、読むだけでなく、読者自身がやってみることが勧められています。伊藤氏は「はじめに」の中で『セルフケアとは、「ひとりぼっちで、孤独に自分を助けること」ではありません。互いに助け合いながらのセルフケアこそが、回復にとっては重要です』と述べています。内容はストレスマネジメント、マインドフルネス、コーピング、認知行動療法、スキーマ療法などがベースになっているそうですが、文章はとてもわかりやすく、一つのワークごとに短くまとめられているので、スキマ時間にちょっとずつ進めることもできます。また、100のワークを全てやらなくても良いそうです。お休みの日を利用して、ご家族でやってみるのもオススメです。(すでに医師やカウンセラー等の医療者や援助者につながっている方は、事前にこの本に取り組むことを伝え、その方の指示に従ってください、とのことです。)
(このコラムは「子どものページ」用の記事のため、なるべくひらがなで書いています。)
不登校中はうんどうぶそくになりやすいよね。そんなときのすごしかたをコタケにきいたら、「三日ぼうずでいいから思い出したら運動(うんどう)してみ!かな」とのこと。そこでここはコタケに書いてもらいました。
(ちなみに三日ぼうずはなんでもすぐにあきちゃう人のこと)
はじめまして〜。コタケです!
ぶっちゃけた話、ひだりのトリみたいな見た目はしてないんだけど・・オレは運動(うんどう)がかなりスキな人だ。けど前は・・めっちゃデブだった!
とある日・・鏡(かがみ)に映るデブ(オレ)を見た時、「だれ?」ってなった(笑)けどそこで「これはまずい!」とか思って、「スリムになってやる!」ってことで運動(うんどう)を始めたのがきっかけになった。
「ふとった自分がみたくない」って人もいるかもしれないけど、始めるきっかけは人それぞれでオッケー。いろいろ自分におしえてあげて、「運動するぞ!」みたいな感覚(かんかく)で始めてみよう。んで、続かなくなったら「このやり方は自分にはむいてない」ってことだからまた三日ぼうずでオッケー。
さぁ運動するぞ!ってなった人はまずいろんなスポーツの動画をさがして、3つぐらい面白そうなのを見つけて一回やってみる。で、たぶん一回やったらつかれちゃって運動する気なくなるから、それで3日ぐらいで終わると思う。早ければ1日とか?とにかくすぐ終わっちゃう。けどそのあといつか「やることねーなー」って思う日がくるとおもうから、そのときに三日ぼうずした運動を思い出して、もう一度やってみてほしい。そうすると、たまに気分で運動するようになってくるから、まず運動、と思えばいい。勉強(べんきょう)はあとまわし。たぶんだけど、一ヶ月くらい一度もしないときがあるかもしれない。けど、別にやらなくても、いつか習慣(しゅうかん)づいたらやるようになるから、「ま、いっか」でオッケー。自分をせめる必要はないよ。
(追記 by オヤタケ)
コタケのコラムを読んで、「そんなふうに考えていたんだなあ」と今更ながら知った感じです。当時のコタケは「体育の授業の代わり」とややストイックに筋トレなどに取り組んでいましたが、前の日よりちょっと多く腹筋ができた、少し長くがんばれた、という小さな積み重ねが、ゆっくりではありましたが自信の回復に繋がっていったように思います。コタケはコラムの中で「(続かなくても)自分をせめなくていい」と言っています。そんなコタケに私はどんなふうに接していたか思い出すと、「今日は運動しないの〜?」とつついていた気が…。「あぁ、ほんとにアホ母…」と改めて反省するばかりです(汗)
(現在、新型コロナウイルス感染症の予防の観点から、密になりやすいスポーツ等の情報はしばらく掲載を控えます。状況が変わり、スポーツイベントや教室に安全に参加できるようになりましたら積極的にご紹介したいと思います!)
NHKをテレビやパソコン、スマホで視聴できるのであれば、NHK高校講座やNHK for Schoolは無料で利用できて、家庭で学びやすい教材です。映像がきれいで専門家の丁寧な解説もあり、若者に人気のタレントが生徒役をしたりして楽しい雰囲気です。高校講座内では簡単な理解度チェッククイズもあります。テストやレポートの提出期限のプレッシャーを感じずに自分のペースで学習したいお子さんには向いているかもしれません。高校講座の「ベーシック」とつく講座は、中学の基礎の復習用番組なので、中学の途中で不登校になった人も学習しやすいです。NHK高校講座は好きなところから学べますし、不登校の理由の一つが「学校の授業が単純でつまらない」というお子さんには、自分のペースで好きなだけ高校レベルの基礎を進められるので学習しやすいかもしれません。(2021年1月現在の情報です)
また、YouTubeでも塾や個人がレッスン動画を公開しています。また、現在は新型コロナウイルス対策で、様々な教育機関が無料で教材や動画を公開しています。
☆参考
英語や数学などの主要教科のほか、論理的思考や働くことに関する番組もあります。
主に小学校の教科学習に役立つ番組動画が掲載されていますが、中高向けや就学前のお子さん向けの動画もあります。
◎小島よしおのおっぱっぴー小学校(しょうがっこう) YouTube NEW!
「はい、おっぱっぴー!」で有名なお笑い芸人の小島よしおさんが短パン姿で算数を教えてます。最初からハイテンションの元気な授業ですが、内容は基礎的な算数をわかりやすく教えています。また、お笑い芸人の授業らしく途中にボケたりして最後まで飽きない感じです。学校のオンライン授業の補習にも使えそうです。算数ドリルを発売したらしく、最初に少し宣伝のコーナーが入ったりします。でもそのドリルの表紙はなぜか短パンではなくスーツ姿です。
◎とある男が授業をしてみた Youtube NEW!
この動画は教育系の動画の中ではとても人気があるので、もしかしたらお子さんはすでに観てらっしゃるかもしれません。授業を編集しているはいち先生は数学の先生のようで、小学3〜6年の算数、中学は5教科、高校は数学の授業動画があります。不登校の子の中にはこの動画で学習を補っている子もいるそうです。以前数学の勉強のために観たというコタケの話では、「基礎的な内容で、解説はすごくわかりやすい。でも動画なので継続できるかとか合う合わないは人によるかも」とのこと。オンライン授業がはじまった学校の子には、その予習や復習としても使えそうです。
オンライン英会話
フィリピンなどの外国の陽気な先生とのレッスンだと不登校であることを気にしなくていいので割と気楽です。机に向って一人でやる勉強と違って楽しく会話するので、お話し好きなお子さんや英語好きな方なら始めやすいかもしれません。スクールによっては英語以外もあります。オンラインなので感染リスクもなくて安心です。
小学校でも2020年から導入されたプログラミング。将来に役立つというのみならず、実際に自分でゲームやCGなどが作れるという楽しくてクリエイティブなスキルです。在宅学習に適した学びやすい講座やソフトもあります。
現在は対面での指導にご不安な方もいらっしゃるかと思いますので、当面は自宅からオンラインで学べるサービスや製品をご紹介します。
☆参考情報
プログラミングキャンプを開催している「Life is Tech!」のCEO水野雄介さんのインタビュー記事です。不登校の子のエピソードが出てきます。
・「教えて先輩!ライフイズテック 水野雄介さん 原点は「オタク」たちの会話でした」NHK
NHKの筋トレ動画。体の部位ごとなので、気軽にスタートできます。回によっては難易度がやや高いので、大人はいきなりやると激しい筋肉痛になるかも⁈
◎YUTO NAHATOMO Youtube Channel
コタケ推奨!サッカー元日本代表・長友佑都選手のYouTube。新型コロナの流行で自宅で過ごす人向けに、さまざまな体幹トレーニングやダンス要素のあるエクササイズを長友選手自ら紹介しています。長友選手はサッカー選手としては小柄な体系にもかかわらず、海外の選手にも当たり負けしないほどの強い体幹を維持していらっしゃるとのこと。「体幹オバケ」と呼ばれるほど体幹の強い長友選手直伝のエクササイズは大人の方にも大変おすすめです!
◎任天堂 リングフィット
ゲーム音痴の私オヤタケが、コタケとパパタケに強く勧められて(というより知らない間に家に届きました…^^;)始めましたが、「これは不登校の子のために開発されたのか⁉」と思うほど、不登校中の生活スタイルの中で無理なく取り入れられるおすすめのゲームです!体を動かしながらゲームができる…という単純なものでありながら、それ以前のコントローラーをちょっと動かす程度ではなく、ガチで動かさないとゲームに勝てない、プレーヤーを本気で運動させるためのゲームです。コタケは時々ワールドレコードを目指して滝のような汗をかきながらチャレンジしています。横で見ているとリングが折れるんじゃないかとヒヤヒヤしますが(^_^;)おうちのリビングで元気にゲーム兼運動。しかも家族でも楽しめる。私は任天堂の社員でも回し者でもありませんが、リングフィットは不登校の運動不足解消にうってつけのスグレモノだと思います。
◎エアロバイク
最近は外出自粛のために使っている人も増えてきているエアロバイク。おすすめなポイントは、どんなに天気が悪かろうが、夜中でも早朝でも、思い立った時にすぐ始められるところです。家の中ですから服装を気にする必要もなく、ガシガシ漕いでも交通事故に遭う心配もありません。好きな動画やテレビ番組を見ながら運動するのはなかなか気持ちがいいですよ!エアロバイクには静音設計でマンションで使っても床に響きにくいタイプもあります。我が家の家庭用エアロバイクはとても静かなのですが、連続30分間しか使えないため、購入される際にはご家庭のニーズに適しているかどうかご確認ください。
(このコラムは「子どものページ」にも掲載しています)
通信制高校の日常ってどんな感じ?と聞かれて、答えるとするなら・・ネットとかで調べて「期待」とか「不安」を抱えながら入学したオレとしては、「結構自分次第で日常が大きく動かせる」って感じることは多いかな。
逆に言えば、自分から動かないとちょっと退屈するかも。勉強も部活も「やらされてる」って感じはかなり減るけど、レポートとかテストをちゃんとやらないと進級も卒業もできないから、自分次第なところもあって、それをやりやすいと思うかは人による。
学校のある日(スクーリング)
「朝」
自分の場合、朝8時30分くらいに起きても急げばまにあう(家が近い人ほどラクになるね)。
ちなみに親は朝が超苦手なので、学校のある日はだいたい一人で朝メシ用意して食って出発。
「学校(午前)」
9時~11時に学校が始まる所が多い。
そっからちょっとホームルームをして、授業が始まる(40分程度)。
学校やコースによっては一日の授業数とかが多いらしいから、そこは自分に合わせるのがいいかも。
「お昼」
お昼はオレは学校に行く途中のコンビニでお弁当を買ってる。昼休みにご飯を買いに外に出る人もいるけど、苦手な季節とか、特に猛暑が続く夏に買いに行こうとすると相当ツラい。学校によってはお昼休みに学校の外へ出るのが禁止の学校もあるから、そこは要チェック。
これは私情で、かなり丸く言うけど、コロナのせいで昼飯友達と食べれないのツラい。ほんとコロナどっか行ってくれ。
「午後」
お昼の後だから結構眠くなっている人が多いイメージ。もし「この授業だけは睡魔に襲われたくない!」って人は、ご飯をお昼と放課後に分けて食べると眠くなりにくい。(個人的見解)
「放課後(部活編)」
なんと、部活動が存在する通信制高校もあります。なので、「通信制に入っても部活動がしてみたい!」って人はそれも視野に入れて学校選びをしてみるといいかも。ちなみに自分の学校だと週に1~2回の部活がほとんどなので、全国大会に出たいって人は自主練必須って感じる。ちなみに、部活動の頻度が少ない部活とかなら兼部してもほとんど予定が重なることはない。ただし、コロナ対策で部活自粛してたりもするから説明会で聞いといたほうがいいかも。まじでコロナどっかいけ(二回目)。
「レポート」
通信制高校ならではの学習スタイル、「レポート」。
オレも一年生の入学当初おそらく最も不安に感じてたレポートなのだが・・フタを開けてみたらまぁびっくり。高1の一学期は中学の基礎から始まった。オレの学校は不登校中も勉強がんばっていた人にはショックかもしれないレベル。まぁそんなわけで、入学後はしばらく中学の復習が続く。(学校によるかも)
入る前は「白紙に全部一から文を書くのか?」って不安に感じてたけど、実際には小さなテスト用紙みたいなのに自分の生徒番号とかを書く欄がある。それと、学校によってはネットでレポートが提出できるところもある。ぜひ一度チェックしてみてほしい。レポートの回数は、オレの場合だいたい一ヶ月に4〜8回くらい。あと、いわゆる夏休みの時期には宿題はないがレポートはある。
学校によっては期末試験がある。オレの学校はこれも基礎が中心。なんであれ基礎はやっとけ。ついでにレポートもためると年末くらいからハードな日々になる。まさにアリとキリギリス。オレの学校は先生がめちゃくちゃサポートしてくれるけど、「サポートが入る=ちょっと危ない」って考えたほうがいいかも?つまり・・「レポートは余裕を持って提出するとあとがラク」。
ざっくりこんなかんじ。学校によってもちがったりするので、よくしらべてみるのがオススメ。
なにかの参考になったらうれしいです。
コタケ
***必ずお読みください***
ここでご紹介している情報は、過去に私が息子の進学準備の際に集めた情報や見聞きした話をもとに掲載しています。
現在は新型コロナウイルス感染症流行の影響で、試験内容や制度に様々な変更等が行われている可能性があります。
最新情報については必ずご自身でお確かめください。
***
中学進学の前に、いじめや不登校を理由に指定された中学以外の公立中学に入学したい場合、指定校以外の中学に越境入学できる場合があります。申請できる条件等のなかにいじめや不登校が明記されている自治体もありますが、可否についての判断は教育委員会が行います。指定校変更には申請期間があります。
◎就学校の指定変更 文部科学省 様々な自治体の指定校変更基準や制度を紹介しています。
不登校の生徒に合わせたカリキュラムを持つ学校。公立、私立合わせて全国でまだ17校しかありません(2021年9月現在)。中学校が多いですが、小学校、高校もあります。また、東京都では不登校特例校の「分教室」という形で小規模な不登校生徒対象の教育施設がいくつかの設置され始めています(2021年9月現在)。
◎「不登校特例校の設置促進に向けた東京都教育委員会の取組について」東京都
◎「特例校(不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校)について」 文部科学省 2018年02月23日
・特例校に関するニュース
◎「不登校 居場所を探して】失った自信取り戻す「不登校特例校」」産経新聞 9/14(月)
公立1校と私立1校の不登校特例校の取り組みが紹介されています。
世間一般に言う「ふつーの高校」。不登校だからといって絶対に目指せないというわけではありません。公立・私立でも違いますし、自治体によっても異なるようです。全日制にチャレンジしたい人は早めに進路指導の先生や教育支援センターなどに情報を問い合わせてみてください。塾に通っている人は塾でも情報を持っているかもしれません。
いわゆる「高専」。5年制で、技術者志望の生徒が多く進学します。電機や航空工学などの専門性の高い学びを受けられますが、勉強はハードなところが多いようです。
学年による教育課程の区分ではなく、決められた単位を修得すれば卒業が認められる高等学校です。初期は定時制・通信制課程に導入され、現在は全日制課程の学校にも設置されています。
夕方からスタート、または一日に複数の時間枠があり(部)、それぞれの部の時間帯の授業を中心に、決められた単位を取得して卒業する高校。多くは夜間ですが、中には朝から夜まで4部もある学校もあります。通常4年間ですが、単位を積極的に取れば3年で卒業可能な学校もあります。昔は不良の多いイメージでしたが、今は不登校経験経験のある子も多く通っており、穏やかな雰囲気になっているところもあります。
☆参考情報☆
・「「ヤンキー」消えた…夜の定時制高校は今 まるで大学?けど給食あり」WithNews
・「「同じ経験をしている子のためになりたい」 不登校乗り越え、夢新たに」琉球新報
公立高校の中には、不登校や高校中退の経験がある生徒へのサポートが充実している高校や、小中学校で力を十分に発揮できなかった子が基礎的学力を身に着けることを重視したカリキュラムがある高校など、自治体によって様々な新しいタイプの高校が生まれています。東京都ではチャレンジスクール、エンカレッジスクールがあり、大阪ではエンパワメントスクールという名称で設置されています。
☆参考情報☆
「これまで設置してきた多様なタイプの学校」 東京都教育委員会*チャレンジスクール・エンカレッジスクールが簡単に紹介されています。
「エンパワメントスクールに関すること」 大阪府
通信制高校とは?:簡単に言うと、主に自宅で学習し、レポート、スクーリング参加、筆記試験で必要な単位を取得すれば、高校卒業資格が得られる高校です。近年、学校数も生徒数も増えてきており、平成30年の生徒数は186,502 人、同年の高校生全体の約17人に1人が通信制高校に通っていることになります(H30学校基本調査資料より算出)。
一方、通信制高校生が学習等の様々なサポートを受けられる施設のことをサポート校といいます。サポート校はいわゆる高校ではなく塾や予備校と同じ位置づけのため、ここに通って学んだだけでは高校卒業資格は得られません。通信制高校がサポート校も運営していたり、通信制高校とサポート校が提携していたりすることもあります
いつから入れるの?:新入生として入学する生徒も多いですが、積極的に転入生を受け入れているのも通信制高校の大きな特徴の一つです。転入のタイミングも年に2〜3回程度というところから、随時受け付けている高校もあります。全日制高校に入ったけれど、合わなかったり人間関係につまづいた時の転入先として選ばれることもあります。
通信制高校の入試は全日制と異なり、書類や作文、面接などで審査する高校が多いです。だからといって、生徒が勉強嫌いばかりかと言うとそうでもなく、中には高校生の段階で大学レベルの学びをスタートさせている生徒もいます。
どんな人が通ってるの?:全日制高校と違い、様々な背景、年齢の人が集まるのも通信制高校の特色かもしれません。実際、息子のコタケの高校にも少し年上の子がいますが、他のコースではもっと年齢が高い人もいると聞きます。不登校経験など個別の事情を抱えて入学した生徒も多いようですが、特にそれを隠す必要もなく、自然体でいられるようです。
どんな特色があるの?:学校によって校風も授業内容もさまざまで、中には小説やアニメ、プログラミングの授業など、ユニークなカリキュラムの学校もありますし、大学進学に力を入れている高校もあります。キャンパスライフも様々で、髪型自由、私服・メイクがOKのところや、制服があり、着用を義務付けている学校もあります。部活が熱心な高校もありますが、本校以外の多くの小規模キャンパスには体育館や運動場といった施設が十分に無く、私が実際に話を聞いた高校では、スポーツ系の部活は近くの公共施設を借りて練習しているとのことでした。
学校には一度も行かないの?:通信制高校でもスクーリングの日は登校して対面授業を受けます。スクーリング日数や開催場所は学校によって様々ですが、年間数日程度でOKなコースを持つ学校もあります。積極的に通って対面授業を受けたい人には、学校によっては週に何日(1〜5日間まで様々)か登校するコースもあります。一見、楽そうに聞こえますが、卒業単位を取得するには毎月のレポート提出(教科書の内容に沿った問題などが載っているプリント。多くは月4〜8枚程度)とスクーリング(登校)、テスト(登校またはネットなど)は必須で、自律的に学習を進める力が求められます。丁寧な指導等によって高校卒業率が高い学校がある一方で、近年、学習指導要領等に基づかない杜撰な指導等を行っている通信制高校が問題になっています。
卒業できるか不安…:卒業率・進学率は学校差が大きく、50%に満たない高校もあれば、90%以上が卒業し、進学希望者の7割が進学を実現する学校もあります。また、通信制高校の卒業者の約40%が進学・就職が未定という調査結果もあります。(H29年度文科省調査より算出)大手通信制高校が進学先に浪人生の予備校等も含めて計算し、進学率を高く見せようとしたとする報道がありましたが(2021年3月31日週刊文春)、私が個人的に聞いた中には、生徒の卒業や進級のために先生方が熱心にサポートする高校もあります。
学費は?:これも学校によってかなり開きがあります。公立高校の通信教育課程であれば一単位あたり数百円(例:都立通信制高校 336円/1単位)で、就学支援金が利用できれば「授業料」はかなり安く、または実質無料まで抑えられます。また、就学支援金でもカバーされない授業料については、都道府県からの奨学給付金制度でカバーできるケースもあります。一方、私立高になると授業料はかなりばらつきがあります。また、就学支援金がカバーするのは「授業料」のみで、入学金等は含まれないので注意が必要です。サポート校も就学支援金ではカバーされません。
☆参考情報☆
(論文)『通信制高校の現状と卒業率に関わる要因の調査分析』大久保智久 政策研究大学院大学 2017年
論文著者の大久保氏自身は執筆当時に通信制高校に勤務しており、通信制高校の歴史や概要、卒業率、通信制高校の実情について詳述、分析されています。
工業のみならず、調理師や美容師、自動車整備(じどうしゃせいび)、看護など、さまざまな技能を学びます。修業年限3年以上等の文科省が定めた基準を満たす課程を卒業すると「高校卒業と同等」と扱われますが、大学進学を視野に入れるなら「大学入学資格付与指定校」に入る必要があります。*上記の「高専」とは異なります。
発達障がい等の障がいの状況をふまえ、通常の筆記試験では受験が難しい生徒に対し、「合理的配慮」として学校や教育委員会が別室受験や試験時間の延長等を認めていることがあります。申請方法等は在籍する中学校にお問い合わせください。
(参考)「続・合理的配慮を考える(1)」朝日新聞 2020年10月17日
都立高校受験を控えた学習障害を持つ中学生の方の体験と、各学校での合理的配慮についての記事です。どのようなプロセスかもわかりやすくまとめられています。
(参考)「(8)合理的配慮の提供」文部科学省(PDFファイル)
障がいがある人に対して、学校や店舗等で求められる配慮について絵や図を用いて解説されている資料。平成29年くらいまでの情報をもとに作成された資料のため、現在は変更されている可能性があります。高校入試については8ページと12ページにあります。
(参考)インクルDB インクルーシブ教育システム構築支援データベース
国立特別支援教育総合研究所のインクルーシブ教育に関する様々な情報が掲載されているデータベースのサイト。「Q&A」の「保護者向けのQ&A」ページに入試の合理的配慮に関する記述があります。
高校には通わず、大学入学に必要な資格だけ取ることもできます。女子スキージャンプの高梨沙羅選手は、この資格を半年くらいで取って競技に専念し、その後体育大学に進学しています。
フリースクールの中には、20歳くらいまで通えるところもあります。通信制高校のレポート作成を支援してくれるところもあります。
中学で不登校のまま卒業し、もう一度中学校の学習をやり直したい人には夜間中学という選択肢もあります。不登校経験者への支援の場となりつつあり、政府でも夜間中学校を増やす方向で前向きに議論されています。実際、少しずつ増えてきており、従来の中学校に併設されている夜間学級ではなく、専門の校舎を持つ夜間中学校も生まれています。戦争や仕事などで中学校に通えなかったり、不登校経験などからじゅうぶん学べなかった人のほか、外国籍の人が多く通っている学校もあります。そうした夜間中学の文化祭はとても国際的なのだそうです。給食が出る学校もあります。
◎「夜間中学、不登校の受け皿に 香川・三豊に来春開校予定」朝日新聞 2021年8月27日 NEW!
香川県三豊市の取り組み。「だれ一人置き去りにしない、生徒が主役の多様性を尊重する学校」をキャッチコピーに、不登校特例校の指定を受けることで不登校生徒も通える夜間中学を目指しているそうです。勇気づけられる取り組みです。
大学の通信教育課程の中には、中退などで高卒資格を持たない人が大学で学ぶための「特修生」制度を持つところもあります。大学によっては別の名称の場合もあります。また、入学資格は15歳以上など、それぞれの大学で条件が少し違います。特修生として一定の単位を取得すると、その大学の通信教育課程に正規の大学生として入学が可能です。私が調べた限りでは、必要単位を取得して正規の大学入学資格を得ても高校卒業資格とはならない、としています。私も大学の通信制課程で学んだことがありますが、自宅でマイペースに学べる一方、難しい内容の時は自分でいろいろ調べて理解する努力が必要ですし、映像授業は録画なので少し単調に感じることもあり、モチベーションの維持は自分次第という印象です。年齢層はかなり幅広く、若い方から祖父母世代までが一緒に学んでいます。詳しくは各大学のHPをご参照ください。
☆参考情報☆
「通信制だけど、仲間もできる――15歳から学べる「放送大学」の利点とは?」
ハローワーク等の職業紹介
中学校の進路指導担当の先生に就職支援について問い合わせてみてください。
◇例:厚生労働省東京労働局 「新規中学校・高等学校卒業者の求人申込から採用まで」
自治体に子ども若者総合相談センターなどの支援施設や相談窓口があります。当事者団体や家族会もあります。親御さんだけで抱え込まず、まずは様々な支援の情報を集めたりしてみてください。
☆参考情報☆
オヤタケのおすすめの本や記事です。子どもの気持ちを理解したり、関わり方を考える上で役に立ちました。
『子どもの脳を傷つける親たち』 (NHK出版新書 523) 友田 明美著 2017年
小児精神科医である友田先生はこの本の中で、不適切な養育(マルトリートメント)によって子どもの脳には深い傷を与えてしまうことを科学的なエビデンスをもとに紹介しています。少し知るのが怖いと感じるかもしれませんが、著者の友田氏は、自身もまた不適切な養育に該当することを我が子にしていたことを打ち明け、子育て中の親たちに共感し、寄り添う言葉を添えています。この本を読む前と後では子供への接し方が変わる方もいるかも知れません。エビデンスに基づく情報も多く、学校の先生や子育て中の保護者の方、子どもの支援をされている方など、ぜひ多くの人におすすめしたい本です。
『子どもの宇宙』河合隼雄著 岩波書店 1987年
河合隼雄氏は日本の分析心理学の発展に貢献した心理学者で、子どもに関する本も多数書いています。この本の「はじめに」の中で、河合氏は『ひとりひとりの子どもの中に宇宙がある』とし、さらに『私は心理療法という仕事を通じて、…実に多くの子どもたちが、その宇宙を圧殺されるときに発する悲痛な叫びを聞いた。…』と述べています。この「圧殺」をしているのは、誰でもない、親を含めた周囲の大人たちではないかと深く考えさせられました。また、読み進めるうちに「親として息子の話をどれほど共感して聞いていただろうか」と反省しました。不登校についてダイレクトに解説している本ではありませんが、子どもの心を理解するための別な視点を与えてくれます。
『自尊感情を持たせて,きちんと自己主張できる子を育てる アサーショントレーニング40-先生と子どもと親のためのワークブック-』リサ M.シャーブ著 黎明書房 2011年
コタケ推奨!アメリカのソーシャルワーカーであるシャーブ氏のワークブック。ちょっと難しい漢字にはふりがながふってあるので、子どもでもだいたい読めますが、一人でやらせず大人の方が一緒に取り組む方が理解が深くなると思います。アクティビティは40個あり、「怒りをコントロールしよう」「自分の権利を守ろう」「じょうだんのからかいと、傷つけるからかい」など、子どもがよく遭遇する場面を想定し、「自分ならどうするかな?」「その子はどんな気持ち?」などの問いがあります。正解は無く、子ども自身が自分なりの答えを見つけていくことを促します。子供と一緒に取り組むことで、親自身も気づきがあったり、子どもとの対話のきっかけにもなっておすすめです。
「ひきこもりで変わり者、分身型ロボットで起業」吉藤健太朗さん 日経ビジネス
ロボット開発者の吉藤健太朗さんは分身型ロボットOriHimeの開発者で、OriHimeは不登校や病気で学校に来れない子の支援の現場ですでに使われ始めています(参考記事はこちら)。ご自身も不登校を経験され、その後さまざまな人との出会いを経て、OriHimeをはじめとするロボット開発の道に進まれます。ここまでユニークな人生を誰しもが歩めるわけではありませんが、吉藤さんの「我慢弱さ」を否定せず、我慢しなくてもすむ方法を追求することで新しいアイデアを生み出していくお話は、弱点を克服するストーリーが称賛された私の子ども時代の教えとは真逆で、私も子どもの頃にその言葉を聞きたかったと思ったほどです。また、まわりと違う道を選んだことで時間がかかっても「子どもが明るく健康に暮らせていれば、自分の好きなことをきっかけに社会に繋がっていけるかも」と考えられるようになり、親としてとても励まされたエピソードです。
「イタリア人医師が考える、日本に引きこもりが多い理由。」パントー・フランチェスコさん Torus
日本語ペラペラのフランチェスコさんが考える「アニメの力を借りた治療」という斬新なアイデアにとても希望を感じます。アニメやマンガは不登校の子どもが一時的でも苦しい気持ちから離れられる心の居場所だったりします。それはゲームも同じです。フランチェスコさんは『日本では「〇〇しなければいけない」という大きな物語がとても多く、そこに当てはまらないことを気に病んでいる人が多いように思います。』と述べていて、とても共感しました。また「全員が同じような人生を、同じタイミングで送れるはずがない」という言葉にもハッとさせられます。ちょっと考えたら当たり前のことなのに、学校となると同じ時間の使い方をして同じことをするのが当然と思ってしまいがちです。子ども時代にアニメに励まされたというフランチェスコさんは、「アニメの物語を通して、患者と対話し、その人自身の物語を作り直せるようになれたらいい。そして、いつかは、症状に合わせたアニメ作品をつくれるようになったら」と結んでいます。それは不登校の子にもすごく良さそうな気がして、今後の研究に期待せずに入られません。ちなみに、フランチェスコさんの日本での指導教授は、上で紹介したオープンダイアローグの本を書かれている斎藤環教授です。
「空気を読んでも従わない」鴻上尚史著
演出家・鴻上尚史氏が中高校生向けの新聞に連載していたエッセイです。中高生向けですが、大人の方にもおすすめの内容です。鴻上さんは日本の社会に今もある「世間」について、わかりやすく丁寧な言葉で紐解いています。著書の中で、鴻上さんは昔の農耕社会の中で生まれた日本特有の「世間」を「神様」みたいなもの、とし、現代になってもなお生活の様々な場面にあるとしています。こうした世間の見えない同調圧力に、感受性の高い子は息苦しさを覚えるのかもしれません。確かに世間もまた目に見えないため、余計に恐ろしくなってしまうこともありますが、そんな世間との向き合い方のヒントを教えてくれる本だと思います。
「完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込」若林正恭著 角川文庫
お笑い芸人オードリーの若林(わかばやし)さんが雑誌に連載していた大人気エッセイ。子どものページにも紹介しています。若林さんは自身を「極度の人見知り」で「自意識過剰」とし、行く先々でその高い自意識や人見知りとコミュ力が問われる現実の間でもがきなら、芸人として売れるために試行錯誤する日々を描いた自伝的エッセイです。中でも、学校生活になじめず若林さんのラジオ番組にハガキを送り続けていた若者のエピソードや、あるおじいさんから聞いた「この世に存在する理由は二つあって、一つは何かをしているから存在していいということ、二つ目は生まれてきたらなんの理由もなくこの世界に存在していいということ」という話がとても心に響きました。
世間だけではなく、自らにも辛辣な視線を突き刺し続ける若林さんの話は単に面白いだけではなく、子どもや若者が社会や集団の中で感じる違和感や心理的な壁を前に戸惑う心情を丁寧に言葉にしていて、いつしか何も感じなくなっていた大人として改めて学ぶことも多いと感じ、おすすめ図書に挙げさせていただきました。初版が出たのが平成27年、平成2年には35版まで版を重ね続けています。どんな経験も明るくユーモラスに表現し、多くの人に共感されているこの本の締めくくり、「卒業論文」は必読です。
学校がつらい子にとって、平日の日中の時間帯は、自宅以外ほんとうに居場所が無いことに気づかされました。家庭でさえも居心地が悪い子にとってはなおさら辛い状況だと思います。鎌倉中央図書館のツイートに感銘を受けるとともに、深く考えさせられました。肩書や専門家ではなくてもできることはあるのかも、と考えるきっかけとなった笑みの間の原点の一つです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ホームページの情報の中にみなさまが前向きになれる言葉や情報が見つかりますようお祈りしています。
(「お父さんのページ」にもぜひ起こしください!)
笑みの間メンバー一同