公開シンポジウム

11月16日|09:30〜12:30 |言語 [日]

ビッグデータ・オープンデータ時代の生態学

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開会の挨拶

近藤 倫生(東北大学)

"オープン"が緩和する専門分野の敷居

大澤 剛士(東京都立大学)

“オープンデータ”という言葉は、既に学術界に広く浸透したと言ってよいだろう。ただし、“オープンデータ”に含まれる”オープン”という考え方は、データの共有を介した学術の発展や効率化に留まらず、異分野の交流や非専門家の参入、協同関係の構築にも大きく貢献するものであり、何より楽しい考え方である。本講演では、演者がオープンデータに取り組んできた結果、いかに”楽しく”なったかを自由に話すことで、参加者が”オープン”という考えに関わるきっかけを提供したい。

市民参加型調査「花まるマルハナバチ国勢調査」から見た生物観察データ

大野 ゆかり(東北大学)

環境DNA調査は、比較的簡便な方法で大量の生物データが収集可能であり、研究者とともに市民が参加した調査も行われている。環境DNAを使用した市民参加型調査の可能性を考えるため、演者がこれまで行ってきた市民参加型調査「花まるマルハナバチ国勢調査」について、情報提供する。「花まるマルハナバチ国勢調査」とは、市民が撮影したマルハナバチの写真を収集して分布を調べる市民参加型調査である。市民参加型調査の重要な点、およびデータの性質について説明し、参加者の方達とともに、環境DNAを使用した市民参加型調査の可能性を考えたい。

生物多様性ビッグデータの社会実装:環境アセスメントや保全計画での可能性

久保田 康裕(琉球大学)

自然史などの調査で集積された膨大な生物情報を可動化することは、生物多様性研究を飛躍的に発展させそうです。研究対象の生物分類群が網羅的になり、分析の空間スケールもフルレンジになるので、一般化した議論が推進されるでしょう。このことは、基礎研究と応用研究のギャップを埋めることにも貢献し、例えば生物多様性の成り立ちに関わる基礎的課題と、生物多様性の保全計画のような政策的課題議が、同じ土俵で議論されることになるかもしれません。このあたりの展望について話題提供できればと考えています。

パネルディスカッション

大澤 剛士・大野 ゆかり・久保田 康裕

(聞き手) 近藤 倫生