[1/2/3学期] (A4横)
各学期の素点を入力し、評価を算出するシート
このシステムには様々な関数や書式が搭載されているため、カーソル移動が遅い場合があります。処理があまりに遅い場合には、一度ファイルを閉じ、再度開き直して作業を行ってください。
【評価・評定計算部】
◎変更可能セル
◇組/番/氏名/性別(2/3学期のシートでは変更不可)
1学期のシートに入力すると、2・3学期および学年末のシートに自動転記されます。名簿を作成するときは、転入生用の空白行を予め設けておきます。(行の追加・削除はできません)また、氏名欄が空白の場合、成績処理は行われません。生徒が転出した場合、氏名のみ削除すれば、全ての評価は表示されなくなります。
◇観点別評価・評定
素点を元に、右上の[しきい値]で設定した値でABCの自動判定が行われます。計算値と入力値が違う場合、警告色がつきます。(セル内で[Del]を行うと計算式が削除されるため、警告色がつく場合があります)
◇しきい値設定
「単純明快」では、各観点の総合評価を100点満点に換算し、ここで設定した境界値を利用して観点別評価を算出します。標準では、A基準を80点以上、B基準を40点以上に設定しています。しきい値は、いつでも変更できます。しきい値の設定はこちら→
◇全体備考・個人備考(印刷されません)
自由記述欄です。全体備考では、評価や配点の方針、注意点、変更点など、次の評価までの間に忘れてしまわないように記録を残しておきます。個人備考については、評価の変更記録などをメモしておきます。
◎変更不可能セル
◇順位(1学期のみ)
全員の中での素点による順位を表示します。[スライサー]でフィルターをかけても、順位は全体の順位のままです。
◇ 変化(2/3学期のみ)
前学期の成績からの変化を、矢印で表します。
【↑】 ・・・ 2段階上昇(C→A)
【↗】 ・・・ 1段階上表(C→B、B→A)
【 】 ・・・ 変化なし
【↘】 ・・・ 1段階下降(A→B、B→C)
【↓】 ・・・ 2段階下降(A→C)
◇得点
素点合計を、100点満点で換算した値を表示します。[しきい値]で設定したA規準のの±3点以内の値には緑色、B規準の±3点以内の値には黄色の色がつきます。[□しきい値チェック]にチェックを入れると有効になります。
◇コピー&ペースト用
他のシステムにデータをコピーする場合に利用します。また、データの左側に[組/番/氏名]の列があります。必要に応じてデータとともにコピーしてください。貼り付けるときには[値のみ貼り付け]を利用してください。
◎フィルター機能(Ver3.1で追加)
オートフィルター機能を利用すると、条件に合った生徒のみの名簿を参照することができます。数値はフィルター内でのカウントを表示します。
【素点入力部】
「単純明快」には、2種類の素点入力表が設定されています。どちらの表を利用しても計算結果は同じなので、場合により使いやすい方を利用してください。
◇観点別表
一つの項目が一つの観点にのみ紐付いている場合の表です。観点別に素点を入力する場合に利用します。それぞれの観点ごとに最大20項目入力できます。
◇複合表
一つの項目について、複数の観点で評価する場合の表です。例えば、1つのペーパーテスト内で複数の観点を評価した場合などに利用します。(合計点欄は評価の対象ではありません)
◇エラーチェック(Ver3.1より追加)
【評価・評定計算部】の得点欄に、[しきい値]で設定した点の±3点に境界色(緑・黄)をつけます。このチェックボタンは、全学期リンクしていますので、どの学期で変更しても全体の設定に反映されます。
観点別評価の計算方法について
成績の計算をする場合、以下の2通りの計算方法が存在します。
◇事例1 項目毎に得点の割合を計算し、その平均点で判定する方法
各項目の得点の影響力は等しく、すべての項目が同じ重みで合計成績に影響します。この場合、項目の満点が何点であっても総合評価には影響を与えません。
この方法には、以下の利点と欠点があります。
各項目が平等に判定されるため、評価に対する不平等感がでない。
各項目の満点が大きいと、同じ判定が多発する。
各項目の満点が小さいと、総合判定が大雑把になる。
岡山県教育庁義務教育課「学習評価に関するガイドライン」(令和元年12月)では、この方式を【例1】として説明しています。上記の資料では、学習指導要領の趣旨に従い、各項目の評価を321の3段階で判定し、総合評価の評価基準(しきい値)を、83%以上→A・82~51%→B・50%以下→C、と想定しています。
この場合、項目数が少ないと総合評価が大雑把になるため、より公正な評価を行うためには、評価の項目数を多くするしかありません。しかし、項目数を増やせばそれだけ評価の手間が増え、結果的に「評価のための評価」になるという弊害が起きてしまいます。
◇事例2 各項目をABCで判定し、ABCの個数で評価を決める方法
各項目の得点の影響力は等しく、すべての項目が同じ重みで合計成績に影響します。個々の項目の評価は完全に明確で、総合評価は必ず一意的に決定します。
この方法には、以下の利点と欠点があります。
各項目が平等に判定されるため、評価に対する不平等感がでない。
ABCの数で判定するため、判定が単純になる。
あらゆるABCの個数の組み合わせを事前に決めておく必要がある。
岡山県教育庁義務教育課「学習評価に関するガイドライン」(令和元年12月)では、この方式を【例2】として説明しています。しかし、総括のやり方(判定基準)については明確な説明を避けています。
この場合、項目数に対応した評価の組み合わせの決め方が非常に難しく、担当者の意図により総合評価にゆらぎがでる可能性があります。それを解決するために、数値換算をして判定を決めた場合、結果として【事例1】と同じ評価方法となります。
◇事例3 それぞれの素点を合計したものを、それぞれの満点の合計点で割る方法
各項目の得点の影響力は、その項目の満点に比例します。例えば、100点満点のテストの得点が50点満点のテストの得点の2倍の影響力を持ちます。項目ごとに重みを変えて総合評価を出す方法です。
この方法には、以下のような利点と欠点があります。
項目ごとの重みを変える事ができるため、成績の調整がしやすい。
共通項目に関して、学期間の重みを考慮する必要がなくなる。
各項目の満点の設定次第で、総合評価に大きな影響がでてくる。
この方法は、各項目を任意の得点で集計するため、学習指導要領の趣旨(各項目をABCで判定する)とは異なる手法となります。ただし、全ての項目の満点を321の3段階で評価した場合には、【事例1】と同じ評価方法となります。
この評価では、例えば定期テストの配点を大きくするなど、担当者の意図を総合評価に含めることができるようになります。ただし、個々の項目の重みを公開しない場合、評価結果に対する不満がでてくることになります。
「単純明快」では、各項目の満点の設定次第で、様々な計算ができる設計になっています。また、[評定計算表]を細かく設定することで、より公正な判定もできるようになります。
2023/8/17