第1部
講演&体験授業「答えのない教室」
講演&体験授業「答えのない教室」
講演「答えのない教室」
体験授業「答えのない教室」
実際にランダムな3人組となり「答えのない教室」を体験します。現地では、会場に用意されたホワイトボードを使って、オンラインでは、MIROというホワイトボードアプリを使って、ついつい考えたくなる数学の問題をみんなで考えます。
出典「答えのない教室 3人で「考える」算数・数学の授業」 p159
ファシリテーター
梅木卓也氏
池田吉久氏
参加申し込みはこちらから
定員(先着)
現地参加:50名/オンライン参加:100名/アーカイブ配信:無制限
答えのない教室とは?
答えのない教室が生まれた背景
サイモンフレーザー大学ピーター・リリヤドール教授(Peter Liljedahl)が「生徒が考える教室」をつくるため、次のような観察や問題意識に基づいて15年以上にわたり研究を続けてきた。
従来型の授業では、2割の児童・生徒が2割の時間しか考えていない。
ずっと座っていると児童・生徒は見られていないと思い考えるのをやめてしまう。
ノートだけでは考えてから表現するまでに時間がかかってしまう。
グループワークの人数によっては行き詰ったり、受け身になったりしてしまう。
考えることはしんどい。だからこそ楽しい。
従来型の授業では、児童・生徒の考えることのしんどさや、教師の先回りして教えたい気持ちが影響して、児童・生徒が考えない時間を図らずも作り出してしまう。「答えのない教室」には、考えることのしんどさを楽しさで乗り越える工夫がある。
あらかじめ答えが用意されておらず、ついつい考えたくなる問題を出す。
ホワイトボードを使って書いたり消したりしながら試行錯誤の動きを作る。
3人組になってコミュニケーションしながら考えるので、煮詰まりや傍観が少ない。
自分たちでひらめきや気づきが生まれる喜びを体験できる。
出典「答えのない教室 3人で「考える」算数・数学の授業」 p3
いろいろな教科や社会課題の議論に応用可能
数学科の教科指導から生まれた教授法だが、他の教科にも応用可能である。また、多様で複雑さを極める現代という答えのない時代の社会課題に取り組む上でも、有益な方法である。
物理の授業で、ペットボトルロケットを使って、ロケットのスピードと力、高さの最大値を考える問題。
家庭科の授業で、未来のたんぱく資源として注目されている虫を絵を描きながら考える問題。
国語の授業で、登場人物や登場場面について考えてみる問題。
社会の授業で、歴史上の出来事を3つの視点で考えてみる問題。
道徳の授業で、人間関係のトラブル事例の問題や解決策を考える問題。
学校教育のみならず、企業研修などにも取り入れられる方法。
インクルーシブ教育に活かす「答えのない教室」
ランダムに3人グループを作ることで、日常的に関わる仲間を超えた関わりが促されたり、心身の障害などにより普段関わることが少ない児童・生徒同士が関わる機会が作られたりする。また、誰もが考えたくなる問題を設定することで、学力差が児童・生徒のコミットメントの差に影響しない状況が作られる。
「答えのない教室」を体験した児童・生徒の声
この授業で、友達と問題を解くことで、さらに仲が深まったことがよかった。
普段話したことない人とも話すきっかけになり、良かったと思う。
協力して問題を解くのが楽しかったです。
それぞれがお互いの意見を言える授業だったので、久々に自分の意見を言ったと感じました。
出典「答えのない教室 3人で「考える」算数・数学の授業」 p111
アーカイブ視聴はこちらから
視聴料:1,000円(小学生~大学生は無料)