神経行動解析論文



論文作成に必須だった Macintosh 

コンピュータについてのメモランダム

Steve Jobs のすぐれた遺産のひとつ MAC Book Air (2021 model, Image from Apple Inc)。2008年のオリジナルモデル発売時に,その後の WIFI 時代到来を予見して, Air と命名した。当時は,Operating System (OS)  や Applications などのインストールは,DVD ドライブなどによっていた。それゆえ,デザインはすっきりしていたものの, DVD ドライブの装着がないことに違和感を持った記憶がある。その後,直ぐに iPhone や iPad  などの普及と相まって, WIFI普及時代が到来し,OS  や Applications などのインストールは, WIFI 経由となった。



すっきりした質感の外観デザインは,1枚の厚いアルミ板をジェット水流で切断し,くりぬいて加工してあることによる。アルミ材質は,放熱性,軽量性,堅牢性,再生可能性においてすぐれている。 M1プロセッサー搭載の最新の構造と機能には,当時と比べて格段の進化がみられる。




このあと,MAC Book Air M2 モデルが発売された。さらに,M3モデルも加わってくる。円安と半導体供給不足などによる価格上昇はわれわれにとって痛いが,それでも海外から見ると転売の対象となる程割安である。現在では,MAC Book Air は,決してエントリーモデルではなく,本格的モデルとなった。これらのことから,今が MAC Book Air M2モデル 購入どきと判断した。著者は,これまで  MAC mini (Intel 製チップ) を 2014年製のApple 純正27インチシネマディスプレーに Thunderbolt 2接続で使用していた。



従来使用していた MAC mini から,今回購入したMAC Book Air M2モデルへのソフト (Applications, データ,メール設定など)移行は,MAC に内在されている Applicationsひとつ「移行アシスタント」により,WiFi 経由だと数時間程度で,極めてスムースに行われた。なお,移行元と移行先の OS は同じ Version にそろえておいたほうがよい。Office  (Word, Excel, PowerPoint) も1週間くらいは,問題なく使用できた。ところが,その後 Word での入力そのものができなくなった Office の 40文字近くからなるライセンス番号 (デバイスID) を入力しなければならないのかと思ったが,普段MACで使用している mail アドレスとパスワードを入力するだけで問題なくOffice 全体が継続使用できる様になった。



旧型の Apple 27インチシネマディスプレーへの接続は,Appleアクセサリー (Thunderbolt 3 (USB-C) - Thunderbolt 2 変換アダプター) 購入によりスムーズに行われたApple 純製の旧型 27インチディスプレーには,他にLEDシネマディスプレーあり,こちらの接続は, mini ディスプレーポートである。これには StarTech.com の USB-C - Mini DisplayPort変換アダプターの購入で接続が可能なようである。もちろん,現在発売中の Apple 純正 27 インチ 5K Retina  スタジオディスプレーなら M2モデルへの接続に問題はなく,ベストであろう。しかし,ディスプレーのみの機能で ,その価格が 21万円以上もする。以前なら,27インチの ディスプレー付き iMAC コンピュータが購入できた価格である。



Apple 純正のディスプレーにこだわらなければ,Dell, LG などさまざまな選択肢があろう。その場合には,M2モデルの Thunderbolt 3 による他ディスプレーとの接続の問題をあらかじめ解決しておく必要がある。



ところで,MAC Book Air M2モデルには,性能のよい液晶画面があるのに,なぜ外部ディスプレーに,わざわざつなぐのかという問いがあろう。著者の個人的事情として,外部ディスプレーを利用しなければ,文字が鮮明には判読できないということがある。



Mac Book Air M2モデルの2個ある C型USB 端子の一つには,先のディスプレー変換アダプターを接続した。もう一つの端子には,各種周辺機器接続器(ドッキングステーション)を購入してつなげた。これにより,USB3, HDMI, VGA, LAN, SDカードなどを使用できる様になった。USB3 には,ゆったりと使用できる Apple 純正10 キー付きキーボードを接続した。さらに,Blue Tooth 経由では,Apple 純正マウスを接続した。その結果従来通りの慣れ親しんだ快適な MAC使用が継続され,なおかつ,高性能の M2 モデルの使用を実感できることとなった。



ところで,そうなると MAC Book Air M2 モデルは,半開きの状態で使用されており,その折角の液晶画面,すぐれたバッテリー性能,キーボード,トラックパッドなどは,普段利用されることはない。もはや,M2モデルは,ノートパソコン (Laptop Computer)  としての使用ではなく,メインコンピュータとしての使用となった。しかし,ノートパソコンとしての機能は,外出時などでの使用において遺憾無くその力を発揮している。この様なときには,このメインコンピュータをそのまま継続使用し続けることができる。これは,自分にとっては,今までにない大きなメリットと考えている。万一,このメインコンピュータが破損したり紛失しても,MAC に内在している Applications のひとつ Time Machine の設定利用により,それまでの内容はある程度別のコンピュータで復元できると考えている。



なお,Time Machine 用データ記録媒体として,新たに SSD (Solid State Disk)  を購入使用した。Mac Book Air M2 モデル本体の媒体が,SSD である。そこで,外付け媒体も,同じSSD として,さらに本体と同じファイルフォーマット形式の APFS (Apple File System)  とした。これは,データの 64 bits  処理に最適化されている。MAC のデータフォーマットは,ながらく 32 bits 処理を前提とした HFS+ (Hierarchical File System +) だったが,MAC OS 10.13  (High Sierra) から,APFS フォーマットのみとなったようである。APFS フォーマットは,iPhone iOS, iPadOS, watchOS, tvOS などの他の Apple 製品にも使用されているとのことである。



今回の MAC Book Air M2 モデルの Time Machine 設定も,最初は HFS+ フォーマットの外付けハードディスクを使用してみた。しかし,いろいろと問題が生じたので,現在は,前述のとおり, APFS フォーマットの 外付け SSD を Time Machine 用に使用するに至ったという経緯があった。



MAC は,常に研究のかたわらにあった。とりわけ,論文作成時には,大きな手助けをしてもらったと感じている。Windows でもよかったかもしれないが,MAC に対する愛着が,論文作成時の苦行を和らげてくれたと思っている。



追記:

上記に,2014年製の27インチ シネマディスプレーを MAC Book Air M2 モデルに接続して使用したと述べた。しかし,2022年製の 27インチ 5K  Retina スタジオディスプレーを購入して使用してみた。画面の輝度は 600ニト,色彩は10億色,6個のスピーカー装着と表記されている。このスタジオディスプレーを実際に購入使用してみると,文字の鮮明度,画像の色彩の鮮やかさなどの点で,先の旧型シネマディスプレーと比較して格段の進化を感じた。スピーカー音も youtube でのオーケストラ音が極めて分離よくダイナミックであり,単体オーディオ製品のセットでなくても,音楽が十分楽しめる。背面には,MAC 本体と繋ぐ Thunderbolt 3 端子の他に3個の USB C 端子があり,これには外付け SSDディスクやキーボードも接続できる。そのデザインは,突起物をことごとく排し,27インチの画面を埋め込んだ筺体部分の厚さは,僅か2センチのすっきりとした仕上がりとなっている。高額ではあったが,購入して全く後悔のない製品に仕上がっていた。「新しい葡萄酒は,新しい皮袋に」との Bible (ルカによる福音書)の文言が頭をよぎった。



本画面テーマ


10.1.  原著論文


10.2.  和文解説論文


 10.1. 原著論文


研究者にとって,国際誌に学術論文を公表することは極めて重要と考えている。とはいっても,現実は日常業務にとりまぎれて,論文作成に使える時間は極めて制約される。断片的な時間の中では,気持ちも,それになかなか集中できないことが多い。指導者には,論文執筆を強く迫る場合,奨励する場合あるいは論文執筆だけにこだわるより,意義のある研究をやれという場合があり,様々であった。理想をいえば,意義のある研究を実施して,それを論文として公表することであろう。しかし,そう簡単な話では無い。様々な葛藤の中で,とりあえず公表した論文の一部を下記に添付させていただいた。




Behavioural Pharmacology 2020, vol 31, 45-60. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6964884/pdf/bpharm-31-45.pdf


Behavioural Pharmacology 2017, vol 28, 670-680. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5690296/pdf/fbp-28-670.pdf


Pharmacology, Biochemistry and Behavior 2014, vol 127, 62-69.

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/11961855

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いまから10年以上前に,著者は初めて  Open Acess 誌である上記PLOS ONE  に論文を掲載した。ここでは,通常の論文審査後に,その論文が受理されれば,著者側が数十万円の掲載処理費用を負担する。その結果,ネット上にフルテキストが公開され,誰もがそれを自由に読める。

 

従来型の論文掲載では,本的には著者側に費用負担はない。しかし,読者側に費用負担を強いられる。すなわち,読者がネット上でアブストラクトを読み,そのフルテキストを PDFなどで読みたければ,まず,その論文の出版社に会員登録した上で,1論文あたり数千円を支払う必要がある。勤務先の大学や研究機関の図書館が,年間莫大な費用を払って,その雑誌を定期購読していれば,そこの勤務者や学生は,その論文を自由に読める。しかし,いまや膨大な数の学術誌が存在しており,大きな大学や研究機関といえども,ライフサイエンス分野に限ったとしても,全ての学術雑誌を定期購読することは経済的に困難であろう。この様な状況では,Open Access誌は,時代の流れにそった必然といえるかもしれない。あとは,Google が無料の各種サービスを提供しているように,出版社も,学術的性格を帯びた広告収入を前提として, Open Access 誌掲載処理費用をもう少し低額に抑えてほしい。ただし,学術誌の論文審査の公平性は担保されていることが条件となる。

 

Open Access 誌の他の利点は,それぞれの論文がどれだけ一般に閲覧されているかなどの情報が,metrics などで,誰もがリアルタイムで把握できることである。もっとも,Open Access 誌でない従来型の学術誌も電子版であれば,それが可能であろう。



上記 PLOS ONE論文は,202391日時点で下記の様に表示されている。公表後10年以上経ても,11,441件の閲覧は決して多い方ではない。この論文の閲覧数は,とっくにピークを過ぎているが,いまだに毎月数件の閲覧が続いている。





Psychopharmacology 2008, vol 195, 509-516

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/3505333




10.2.  和文解説論文


和文の解説書執筆は,外部からの依頼によることが多い。国際学術誌のような厳しい審査もないだけに,自己責任で注意深く執筆しなければならない。締切日が近づくと,執筆依頼を受けなければ良かったと後悔することが多い。このような執筆は,学術的にはあまり評価されることは少ない。しかし,これまでやってきた研究内容を立ち止まって,他の研究も調査の上で内容をまとめることには,大きな意義があると考える。次の原著論文を執筆す場合の Introduction や Discussion を執筆するときには役に立つことが多い。このような解説書も,積み上げてみると,自身のささやかな研究の履歴にはなると思うようになった。



オベリスク. Vol. 23, No. 1: 14 -22, 2018

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/19447809

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上記の解説書は,商業誌からの依頼で執筆し,公表した。この論文の PDF を国立研究開発法人 科学技術振興機構の Research Map に登録したため,PDF ダウンロード数は, 2023年91日時点で1,511件となった。公表した時には,こんな特殊な研究課題は,誰にも読まれないと思っていた。




実験医学. Vol. 30, No. 2: 121 - 127, 2012



マーモセット MRアトラス. 82 - 86, 2008

監修:岡野栄之/野村達次

慶應義塾大学21世紀 COEプログラム

「幹細胞医学と免疫学の基礎・臨床 一体型拠点

羊土社 編集製作



認知神経科学. Vol. 9, No. 1: 45 – 48, 2007

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/3506717



分子精神医学. Vol. 5, No. 4: 31-37, 2005

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/3506718



細胞工学. Vol. 23, No. 8: 962 - 967, 2004

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/3506719



日本神経精神薬理学会誌. Vol. 24: 55-59, 2004

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/3506720



The Journal of Toxicological Science. Vol. 21: 137-142, 1996