縄文貝製品学習 26
アリソガイ製ヘラ状貝製品がどのような目的でどのように使われていたか3Dモデル観察により検討しています。
この記事ではアリソガイ製ヘラ状貝製品の曲線的磨耗成因に関わる検討資料を作成しました。
1 アリソガイ製ヘラ状貝製品の曲線的磨耗の様子
アリソガイ製ヘラ状貝製品の曲線的磨耗の様子
2020.09.30記事「使い込まれたアリソガイ製ヘラ状貝製品の観察」
アリソガイ製ヘラ状貝製品(磨貝)(千葉市有吉北貝塚)372図2表面
2 アリソガイ製ヘラ状貝製品の曲線的磨耗の成因検討資料
アリソガイ製ヘラ状貝製品の曲線的磨耗の成因検討資料
【アリソガイ製ヘラ状貝製品の3Dモデル諸元】
アリソガイ製ヘラ状貝製品(磨貝)(千葉市有吉北貝塚)372図2表面 観察記録3Dモデル
縄文中期、L、殻長105.3㎜、殻高77.9㎜
撮影場所:千葉県教育庁森宮分室
撮影月日:2020.09.18
許可:千葉県教育委員会許可による撮影・掲載
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.007 processing 35 images
https://skfb.ly/6Wnnv
【平面の意義】
アリソガイ製ヘラ状貝製品にみられる曲線的磨耗が、ある平面と貝殻との交差断面線であることを示す。腹縁部がある平面にほぼ直角に交差して継続して擦られたために磨耗したと想定できる。
参考 思考補助平面なし アリソガイ製ヘラ状貝製品
参考 思考補助平面あり アリソガイ製ヘラ状貝製品
3Dモデルの動画
3 メモ
・アリソガイ製ヘラ状貝製品にみられる曲線的磨耗が、貝殻腹縁部とほぼ直角に交わる平面との交差断面線であることがわかりました。
・腹縁部には貝殻を左右ではなく上下に動かしたときのギザギザ傷が残っています。コインの縁のようなギザギザです。
・貝殻はある平面的対象物にたいしてほぼ直角の角度で前後に継続的に擦ったために摩耗したと考えられます。
・アリソガイ製ヘラ状貝製品は貝殻表面でモノを擦っているとともに、腹縁部でモノを擦っていて、磨耗のほとんどは腹縁部利用により生じています。
・アリソガイ製ヘラ状貝製品のより具体的用途はさらに情報を集めてから行います。