Ver. 4.6.1で、CSV/TSVファイルやフォルダから、すぐにプロット表示・分析を始められるワンタッチな設定機能「ファイルから登録 」が追加され、Ver. 4.7.0ではワンタッチなインストール機能で簡単にインストールでき、Functionでデータ編集が出来るようになりました。
工程でAnalysis Platform + DN7を活用するうえでのTipsをご紹介していこうと思います。
DN7が何でも工程の現場で使えるかというと、否です(かと思います)。現場でこの機能はこんな感じで使えるという事例をあげます。他の機能が使えないというわけではないですが、多少見る目が必要なので、品質管理系、生産技術系の方が対象になるかと思います。
FPP 全数プロット
とりあえず、一番分かり易く直感的です。全製品(ワーク)がプロットされてます。ここがまとまってずれたら、誰でも直感的にまずいと思いますよね。ただし、管理図と異なり1点跳ねたからと言って大騒ぎは禁物です。ある程度の傾向が見えたらアクションを取るか検討する感じで使いましょう。
例えば、OEM品を含む多数の装置で前加工された部品や、国内製造部品と海外製造部品が合流するラインなどで、その前加工がバッチ依存性が激しいや、時々暴れる場合などの注意が必要なラインで効果を発します。
RLP リッジラインプロット
基本的には全数プロットと同じ変化を見れますが、変化すると色が変わる(初期データの緑に対して赤や青になる)ので、より変化を捉えやすい特徴があります。
ロット単位で山分け(グループ分け)することもできますのでロット依存性が激しいラインの監視に向いています。
CHM カレンダヒートマップ
例えば15分毎の、生産量の推移や値変動があったときにそのセルの色の濃さが変わるので、こちらも分かってしまえば直感的に見ることができます。
生産量が落ち易いラインとか、消耗品が消耗するとバラつきが急に増えるような工程、などでの準リアルタイムモニタとして適しています。
StP 層別プロット
DN7の機能ではありませんが、設備保全などで非常に有効なプロットです。例えば、ヒストグラムを装置号機で層別して並べたグラフ、と取っていただいていいです。
消耗品や治具などの影響で機差が出やすい工程の監視に最適です。良い装置も、悪い装置も分かりますので、良い装置ならその装置のコンディションに他を合わせていけばライン全体の実力が上がりますし、悪い装置を直せば不良を減らすといったことが可能です。
AP+DN7にはWebサーバの機能が組み込まれています。ですので、ネットワークがつながっていれば、DN7の分析結果や設定を他のPCでの参照でき、皆さんで共有して使えます。
(ファイヤウォール等は越えられないです。同一のネットワーク内のみ可)
デスクトップに生成されたAP+DN7のショートカットを見てみてください。ブラウザ起動用のショートカットも3つ生成されています。ショートカット名にあるアクセスポート番号の後の符号で中身が異なります。(ショートカットがない方や消した方は適当に読んでください)
7770 localhost:7770 自分のPC用(AP+DN7実行PC内で使用する用)
7770ip 192.168.0.567:7770 IPアドレスによるアクセス :外部PCから参照可
7770pc pc_name:7770 PC名称によるアクセス :外部PCから参照可
※上の例は適当なipアドレスや名称です。実際は起動PCの情報になります。
DN7はデフォルトでは"localhost:7770"で起動しますが、PC名称やipアドレスのリンクを使うことでネットワーク越しに参照できます。
工程で使用する際は、外のPCからPC名称によるアクセスが可能な場合はそれがベストです。
(動作確認は別のPCから試しましょう)
PC名称はショートカットの内容を見る(カーソルを近づけるとホーバーで見れます)か、虫眼鏡に"system"と打ち込んで[システム情報]を開くと、システム名に記載されています。
PC名の後にポート番号を「:7770」のように追記して、ブラウザのアドレスバーに入力すれば外部から開けます。
ipアドレスはショートカットの内容を見る(ホーバで見れます)か、コマンドプロンプトでipconfigなどで調べましょう。左にあるように、アドレスの後に「192.168.2.2:7770」のように追記して、ブラウザのアドレスバーに入力すれば外部から開けます。
DHCP環境の場合、IPアドレスでのアクセス方法は避けた方が無難です。
(接続毎に使えなくなったりします)
ということで、ショートカットを配れば、皆さんで使えますが、文字列だけ配っても大丈夫です。
Teamsなどが使える場合は、アドレスバーからコピペすると、右のようにリンクとして使えるので開く時、便利です。
分析結果そのものも共有することができます。ブックマークでLinkの白のボタンを押してから、メモ帳やメールなどに張り付けていただくと
pc_name:7770/ap/fpp?bookmark_id=1
こんな感じでリンクが取得できますので、それを相手先のブラウザのアドレスバーに入力するとその分析結果を表示できます。
工程などでは、ライン単位で少しスペックのいいWindowsのDeskTop PCにDN7をインストールして、周りで共有してみるというケースが多いです。見る側は、AndroidでもiPadでも、タブレットでもスマホ(さすがに小さすぎてちょっと扱いづらいですが)でも参照できますが、ブラウザはChromeかEdgeをお勧めします(それ以外のブラウザだと基本使えますが、表示が崩れたり、ボタンが動作しないなど不具合が起こることがあります)。大画面のモニタにMiniPCぶら下げて運用しているケースもあります。
同時に10人程度使う分には15ー20万円くらいのWin10/11のDesktop PCで対応できます。メモリは16GB以上、人数が多いのであれば32GBとかあるほうが快適に動きます。普段は10万件程度のデータしか見ないとか、レスポンスが遅くてよいとか、10人でもパラパラと使う分にはNotePCなどでも十分ですが、IPアドレスが固定でないことが多いのでその際は基本PC名を使用しましょう。先述のMiniPCはスペック的に結構ギリギリですので、つなげたモニタ単独での使用が良いと思います(共有して使用できなくはないですが結構重いです)。
10人を超えるような人数で同時接続する場合は、Winddows Serverをお使いいただく方がよいかと思います。
DN7は複数のファイルを自動的に結合します。なので、日々CSVが装置から日付名で吐き出されている場合など、自動的にデータ読込が可能です。その際に、同じフォルダの中のファイルを結合する、というように動きますので、フォルダ内のCSVフォーマットは同一でないといけないというルールがあります。
ということで、CSVファイル1個しか読まない場合も、フォルダ作って、その中にファイルを入れましょう。
v4.6.0 以降
ファイル1個のみのデータ登録が可能になりました。ただし、継続読み込み機能(例えば装置のログファイルが追記されたり、新しいファイルができたりしたら自動的にデータを読み込む機能。分析あんどん等には必須)は動きません。あとからデータファイルを追記すると、自動的に追加読み込みしてもらうようにするには、従来通りフォルダでのデータ登録をお願いします。
v4.1.1 以降
日時がないデータはダミーの日時列が指導で作成されます。始めてデータを登録した月の1日から時間が振られます。ダミーの日時ですので、分析にはカテゴリデータとしてのプロットを使いましょう。
v4.0.0
ダミーでいいので日時の列を入れる必要があります。
データの順番は基本無視されるので、それを保持させたい方は、データ列の順番に1秒ずつずらした日時を作成されるといいと思います。その日時順で元のデータ順が再生できます。
大規模なデータを扱うようになると、扱う変数量も膨大になります。変数間の関係を可視化する代表手法が散布図ですが、変数が増えるとすごいことになっていきます。
右は7つの変数間の散布図行列ですが、これだけでもすごい情報量です。7C2=21個の散布図が描画されます。このくらいならギリ中身を見ていこうと思えますかね…。
これが10変数なら10C2=45個、50変数なら50C2=300個。とても人の手に負えませんね。
そこでパラレルコーディネートプロットPCPです。
ここでは、パラレルコーディネートPCPがどうなっているかを分かり易くするために、PCPの各軸間の上方に、隣り合う軸同士の散布図を表示しています(この散布図はAP+DN7ではなく、別に作成)。散布図の打点の色は、PCPの目的変数の虹色に合わせてあります。
AP+DN7のパラレルコーディネートPCPでは目的変数(Objective)Targetが一番右の軸として表示され、Targetの値の大小で虹色が付けられています。
(さらに右にあるコンタで、Targetのどの値にどの色が割り当てられているか、確認できます。このケースでは青=0.0、黄=0.6、赤=1.0といった感じ。一番右のTargetの軸とコンタの色が横隣りで対応していることからもTargetでの着色が確認できます)
右側の3つの散布図を見ると、無相関なデータであることが分かります。その部分(右から2,3本目の軸)ではPCPは色がごちゃごちゃしてますね。左側には散布図でもわかるように相関を持つデータが並んでいますが、PCPではきれいに虹色が見えていると思います。虹色が見える軸には何らかの相関がある、ということが見た目で分かります。なお、虹の上下が反転している(左から3,4本目の軸、赤が下で青が上)とTargetに対し負の相関があるということになります。虹色が上下同じ並びなら、正の相関です。
Targetを含め11個の変数を一気見しています。さっきの7変数(4変数減らしていますがデータは同じもの)の散布図行列より変数の数は多いですが、状況はPCPのほうが把握しやすいですね。散布図行列で、PCPと同じレベルの情報を引き出せますか?
"虹を見つけて、その変数に着目する"というのがパラレルコーディネートPCPでのアプローチです。分かってしまえば直感的に使えます。
中央右寄りに3つと2つのクラスタ(左からそれぞれ7,8本目の軸)に分かれた軸があります。これも、いくつにクラスタ化しているかを含め、見た目で分かります。この2つのケースはクラスタごとに色がまとまっているので、Targetとクラスタに何らかの関係があることも推測できます(色が混ざっていてまとまっているのはTargetに無関係なクラスタ)。
工程改善や機械学習を考える際に層別やクラスタリングが必要であることがすぐに把握できます。相関やクラスタ状態をサクッと判断できる、優れたツールでですね。
いろいろなプロットを見たくなりますが、ページが変わるたびに同じ条件を入力するのは骨が折れます…。
AP+DN7はWebサーバとして開発されているので、他のPCなどからも参照できて便利です。が、反面、ページ間の連携はしにくくなっていますね。あるプロットをして、同じパラメータ、例えば日付区間設定で他のプロットを作れると便利です。打ち直しはめんどくさい…。その時にはこの機能です。(そのうちページ連携してほしいですね)
各プロットのタイトルの横に設定コピーってありますね。プリント2枚重ねたようなアイコン📄📄です。ここを押すとそのページの設定をコピーできます。→
←左にあるように、別のページでプリントに矢印があるアイコン→📄が設定貼り付けになります。この場合は対象期間のみに張り付けです。
全体の設定をなるべく全部張り付ける場合はタイトルの横の設定貼り付けを使ってください。
OSS版のデフォルト言語は英語です。日本語で起動する方が便利な際は、以下の設定をお願いします。設定を変更する前にAPを一度立ち下げてください。 v4.1.1 以降をお使いの方はこちら → 初期設定
v4.0.0
APの起動フォルダの中にある\ap\config\もしくは\histview2\config\の中にbasic_config.ymlというファイルがあります。
※念のためこのファイルのバックアップコピーを取ってください。
メモ帳もしくはVS Code(画面はVS Code:バージョンによって表示されている項目は異なります)を用いて、infoの傘下に画像のフォーマットを参考にしていただきながら
[ - language: ja] ([]内のみ)
という項目を追加して上書き保存してください。次回の起動から日本語で立ち上がります。
2つほど方法があります。 v4.1.1 以降をお使いの方はデスクトップに自動生成されますのでそれをお使いください。
1. WebのBookmarkに登録
Chromeの場合、アドレスバーの右端にある[☆]を押すとブックマークに追加できます。
使用する際は右端にある三点リーダ[︙]→[ブックマーク]→[登録した名前]で選択すると表示できます。
2. デスクトップにショートカット
Webのアドレスバーの左側(localhpostの場合はⓘマーク、外部PCの場合は”保護されていない通信”)の部分からデスクトップにドラッグ&ドロップするとショートカットが作成されます。
(アドレスバーの中身が全選択[Ctrl]+[A]された状態で、反転表示されているアドレスをデスクトップにドラッグ&ドロップしても同じ結果になります)
Chromeで起動したい方は、インストールフォルダからWebショートカットをコピーしましょう(アドレスのドラッグ&ドロップでは次回からEdgeで起動します)。
v4.1.1 以降をお使いの方はデスクトップにショートカットが自動生成されますのでそれをお使いください。
デスクトップにstart_ap.batのショートカットを作成し、そこから起動します。
起動に使用しているstart_ap.batを[右ドラッグ&ドロップ]でデスクトップにドラッグすると、コンテキストメニューが出てきますので[ショートカットをここに作成]を選択します。
v4.1.1 以前
デスクトップにoss_start_app.batのショートカットを作成し、そこから起動します。
起動に使用しているoss_start_app.batを[右ドラッグ&ドロップ]でデスクトップにドラッグすると、コンテキストメニューが出てきますので[ショートカットをここに作成]を選択します。
工程などで使用する場合は、AP+DN7が自動で立ち上がるようにしておくと便利です。
以下の設定で、停電後などにPCの電源を入れれば、AP+DN7が立ち上がるようになります。
[Windows]+[R] (Runで覚えるとよいかと思います)で、[ファイルを指定して実行]を出して、"shell:startup"と入力してください。
v4.1.1 以降
スタートアップWindowが開きますので、その場所にデスクトップにある起動用のショートカットをコピーしてください。
[別方法]
スタートアップWindowが開きますので、その場所にAP+DN7のインストールフォルダにある"start_ap.bat"を右ボタンでドラッグ&ドロップすると選択肢が出てきますので、[ショートカットをここに作成]を選んでください。start_ap.batのショートカットが作成されます。
v4.0.0
スタートアップWindowが開きますので、その場所にAP+DN7のインストールフォルダにある"soss_start_app.bat"を右ボタンでドラッグ&ドロップすると選択肢が出てきますので、[ショートカットをここに作成]を選んでください。oss_start_app.batのショートカットが作成されます。
これで、再起動時にAP+DN7が自動起動されます。
現場で使用される分析アンドンなどでは、追加で同様にWeb起動のショートカットを[ここにコピー](こちらはもともとショートカットなのでコピーでOK)もしくは[ショートカットをここに作成]で貼り付けていただければ、Webも自動起動します。
AP+DN7を外部のPCから使用している方も、WebショートカットのコピーのみでOKですね。
v4.0.0
お使いの環境でProxyが自動スクリプトになっている場合など、ProxyのIPアドレスが分からない、もしくは変動するといったことが発生すると思います。その場合の対処方法です。
社内の情報システム部門に固定のProxy IPを問い合わせていただき、設定してください(これが一番安全です)。
なお、自PCから現状のProxy IPを調べる方法はありますが、可変の場合、後でトラブる可能性があるので、お勧めしません。
そのProxy IPを、起動前にセットアップマニュアルに従って設定してください。 → Proxy設定方法
社外に持ち出せるNotePC等あるのであれば、一度、社外の安全なネットワーク経由で分析プラットホームAPをインストール頂き、APのWeb画面が立ち上がるところまで動かします(Proxyの設定は例えば自宅でProxyがない場合は設定変更なし、ある場合はProxyの行を編集)。あとはその動くようになったAPのインストールフォルダを、丸ごと社内ネットワークで導入したいPCにコピーしていただければ結構です(インターネット環境はインストールときしか使いません。また、インストール時に使ったProxy設定はProxy有無にかかわらずコピー時は書き換えないでください)。
AP+DN7を起動するPCが異なる場合(PC1台につきAP+DN7は1つしか入れない)は、それぞれのPCにAP+DN7を入れるだけで大丈夫です。PC名称が"PC-A"・"PC-B"だとすると、"PC-A:7770"とか"PC-B:7770"といったアクセス方法(もしくはIPアドレス指定)で独立して使用できます。
AP+DN7を同じPCで複数同時に使用する場合は、以下のようにしてください。
新しくZipファイルをダウンロードして解凍し、以前使っているZip展開フォルダと同じ階層の所にフォルダ名称を同じにならないように変更して格納してください。
なお、上記のやり方だと初回起動時にインストールが行われるので、その度にネットワーク接続が必要になります。より沢山の工程で使用される際は、まず一度インストールが終わって使用許諾が出た状態(まだ読込設定などを行う前の初回起動時直後のAP。Default_APとします)で、そのZip展開フォルダを複製(Copy_AP)します。Copy_AP-1を例えば製品Aに使います。しばらくして、製品Bでも使うことになった際はDefault_APを再度複製してCopy_AP-2を作成し製品Bで使用します。Default_APは一度インストールが終了していますので、インターネット接続がない場所でもすぐに動きますし、その複製のCopy_AP-1やCopy_AP-2もインストール済みなので、そのままどこででも利用できます。
既に使っているCopy_AP-1を複製してもCopy_APを増やしていくことは可能ですが、使っているうちに工程のデータをたくさん入れすぎると、AP内部のデータベースが大きくなり、Copy_AP-1のコピーに非常に時間がかかって現実的に複製ができなくなります。Default_APは初期の非常に小さなデータベースがあるだけですのですぐに複製が可能です(Default_APをインストール後にそのまま使わずに取っておくことで、インストールなしで、すぐ動く状態の複製をいくつでも作ることができます)。
製品AのCopy_AP-1はデフォルトのポート番号7770で使用していたとします。 製品BのCopy_AP-2は同じ7770で動かすとポートが干渉してしまうので、Copy_AP-2の初期設定を変更して、例えばポート番号7760で起動するようにします。AP+DN7を動かしているPC名がPC-Aだとすると、"PC-A:7770"で製品Aのデータが、"PC-A:7760"で製品Bのデータが参照できるようになります。PC-Aの直接のユーザは"localhost:7770"と"localhost:7760"でもそれぞれ製品A・製品Bのデータを参照できますね。
この方法で、いくつものAP+DN7を一つのPCで同時に実行できます。→ Port設定方法
いずれにせよ、複数のAP+DN7を運用すると、どのAP+DN7がどの製品を見ているのか、さっと判断がつきにくくなります。その際はサブタイトル機能をご使用ください。右の図のタブやヘッダ部にある"DX_QC7Tools"と表示されている部位がサブタイトルになります。初期設定のサブタイトル(subt)を例えば製品Aや製品Bに変更すること(製品名のほかに、管理組織名やなど自由にお使いいただけます)で、どの画面がどの製品のデータであるかを識別しやすくなります。→ サブタイトル設定方法
右の下の図は"subt=AP+DN7"とした場合のサブタイトル表示です。
最近、ALCOA-CCEA原則が製薬業界以外の領域でも検討され始めています。データに求められるデータインテグリティ要件です。データ品質、と考えていただいてもよいかと思います。ALCOA-CCEA原則では、データインテグリティを確保するには
「Attributable:帰属性・Legible:判読性・Contemporaneous:同時性・Original:原本性・Accurate:正確性」
+
「Complete:完全性・Consistent:一貫性・Enduring:永続性・Available:可用性」
を満たすべき、とされています。特にEUにおいて人命にかかわるような業界での議論が進んでいます。
データインテグリティ(DI)とは、全てのデータがデータライフサイクル、データ生成から廃棄に至るまでの全過程を通じ、一貫性を保ち、完全かつ正確でありトレーサビリティがあること、を示しており、DX時代になってより重要な概念となってきています。最近は度重なる大企業のデータ不正や改竄の発覚で、ガバナンスコントロールとしての必要性が取りざたされていますね。またグローバル企業にとっては対応を進めておかないと、あるとき突然要求され始めるといった事態にもなりかねません。が、これを保障しようとすると結構莫大な投資や現場作業等の変更が必要であることも確かです。さらに、電子媒体だけでなく紙媒体も許容されているケースが多いですが、ライフサイクルマネージメントのことを考えると紙媒体は事実上選択肢から外れていく(例えば全ての紙情報を永続保管し、すぐ取り出せる倉庫が必要)でしょう。となると、そのようなシステム導入・運用も必要になってきます。品質と、コストや対応工数など、バランスが難しいところですね。
さて、DN7は内部バッファは持ってはいますが、これは暫定バッファで、基本は外部参照型のデータベースです。ということで、まず原本性(Original)を満たすのは困難ですね。またALC項目(主にデータの生成に関連)に関してはデータ参照型なのでまず担保はできないです。CCEAのCCE(主にライフサイクルマネージメント系)に関しても外部のデータベース次第です。最後の可用性(Available)については得意領域ですね。
ということで、AP+DN7だけではALCOA-CCEA原則を満たすことはできません。コンプライアンスに基づいたデータ管理としては、別のシステムを用いて、補助的に使いましょう。分析ツールなので、そこは割り切って。