2019年のミニマルファブシャトルサービス試行記録

横河ラボをお借りしてミニマルファブを使ったLSIデバイスのシャトルサービスを企画しました。2021年9月から試行を開始し、2022年度に正式運用を企てていました(「ミニマルSOI CMOS試行シャトルのご案内 」参照)。詳細は、シャトル計画 をご覧ください。

しかしながら、2021年7月の#1は2枚試作するも、プロセス不良により失敗。2021年12月の#2もVIA不良により失敗。2枚のうち1枚を評価ボードで評価するも、まともな測定はできず。2022年3月の#3はVIA問題を回避するため、配線をML1のみで行いましたが、新たなプロセス問題により、まともな評価はできませんでした。以来、プロセス・デバイス担当者は地道な努力を続け、明るいニュースも聞いておりますが、シャトルサービスの試行を再開できる状態にはまだ至っておりません(2022年11月現在)。

横河ラボで製造に使えるプロセスは、産総研が開発したTechnology2013とTechnology2018をベースにした、PMOSプロセスとSOI CMOSプロセスです。シャトルの試行は、SOI CMOSプロセス(TiNゲート2層AL、ゲート長10um程度)で行います。

今回のシャトルでは、ファブ(ラボ)と秘密保持契約(NDA)を結ぶ必要はありません。ミニマルファブ用PDKは、オープンソースの無償ツールに対応しているので、設計ツール(ミニマルEDA )に費用はかかりません。設計環境を自前で用意しなくても設計ツールを使えるように無償のEDAサーバーも用意しています。

設計例と、それをミニマルEDAサーバで試すことのできる設計環境の作りかた(ツールのインストール、PDKの設定、設計データの取得まで)は、設計環境の準備と設計例 をご覧ください。