2024/08/08(木)
情けない国になったものだ。世界中で当たり前に行われていることができない。お粗末な国だ。日経8/8
#3
小泉進次郎氏「慎重派はライドシェアに対する事実誤認がある」
この記事の3つのポイント
1. 小泉進次郎元環境相がインタビューに応じた
2. タクシーとライドシェアの両方を増やすべきと訴える
3. 全面解禁に向け、法制化の重要性を強調する
一般ドライバーが有償で乗客を運ぶシステム「ライドシェア」導入を巡り、賛否が渦巻いている。政府は6月の「骨太の方針」に全面解禁を議論することを盛り込み、政治的な攻防が熱を帯びている。ライドシェア推進の議論を主導する小泉進次郎元環境相に話を聞いた。
ライドシェアの議論が盛り上がりを見せています。改めてその要因はどこにあるのでしょうか。
小泉進次郎元環境相(以下、小泉氏):ライドシェアは民泊と並び、日本の規制改革の目玉の一つでした。新産業の創出と経済活性化につながる一方で、既存の業界団体からの圧力も非常に強い。
5年ほど前はライドシェアという言葉が政治の世界ではタブーだったことを考えると、最近の盛り上がりは隔世の感がありますね。菅義偉前首相が取り組むべきテーマとして掲げたことがきっかけとなり、異例のスピードで「日本版ライドシェア」の整備が進みました。
#3
この記事の3つのポイント
小泉進次郎元環境相がインタビューに応じた
タクシーとライドシェアの両方を増やすべきと訴える
全面解禁に向け、法制化の重要性を強調する
一般ドライバーが有償で乗客を運ぶシステム「ライドシェア」導入を巡り、賛否が渦巻いている。政府は6月の「骨太の方針」に全面解禁を議論することを盛り込み、政治的な攻防が熱を帯びている。ライドシェア推進の議論を主導する小泉進次郎元環境相に話を聞いた。
ライドシェアの議論が盛り上がりを見せています。改めてその要因はどこにあるのでしょうか。
小泉進次郎元環境相(以下、小泉氏):ライドシェアは民泊と並び、日本の規制改革の目玉の一つでした。新産業の創出と経済活性化につながる一方で、既存の業界団体からの圧力も非常に強い。
5年ほど前はライドシェアという言葉が政治の世界ではタブーだったことを考えると、最近の盛り上がりは隔世の感がありますね。菅義偉前首相が取り組むべきテーマとして掲げたことがきっかけとなり、異例のスピードで「日本版ライドシェア」の整備が進みました。
■本連載のラインアップ(予定)
・[新連載]白タクドライバーが明かす組織的手口「リスクは感じない」
・「日本版ライドシェア」の稼働率は4%ほど 移動の足不足は解消せず
・小泉進次郎氏「慎重派はライドシェアに対する事実誤認がある」(今回)
・渡辺博道元復興相「安全性に懸念、タクシーの延長線で運営を」
・特例で先行導入した京都・丹後町に試練 隣町と往復できない
・ライドシェアに積極的なタクシー会社 学生ドライバーに密着
・タクシー会社買収を進めるニューモ、ドライバー1万人計画の狙い
やはり、最大の後押しとなったのは、生活者が移動の足を求めているという現実だと思います。タクシー不足が加速しているのは事実で、鉄道やバスの減便も続いています。
公共交通の縮小を否定できる人は誰もいないでしょう。雨の日や飲み会の帰りにタクシーが捕まらず、一方で白タクが横行しているという不都合な現実にこれ以上目を背けることができなくなった結果だと考えています。
1981年神奈川県横須賀市生まれ。関東学院大学卒業後、米コロンビア大学で政治学修士号を取得。米戦略国際問題研究所(CSIS)研究員を経て、自民党が野党時代の2009年に衆議院初当選。23年11月、自身が会長を務める超党派のライドシェア勉強会を立ち上げ、ライドシェア推進を主導する。(写真=遠藤 素子、以下同)
タクシー不足を解消するためには、まずはタクシーの規制緩和を進めるべきだという意見も聞かれます。
小泉氏:よく誤解されることが多いですが、私はタクシーとライドシェアの両方を増やすべきだという立場です。「流し営業」はタクシーにしかできません。一方でライドシェアは運転手が隙間時間に働けて、事業者は固定した車両を持つ必要がないので需給に応じた調整ができます。
タクシーの規制緩和を長年求めてきた
タクシーの規制緩和は長年、求めてきました。最近では国交省に働きかけ、二種免許取得に必要だった、地理試験の廃止が決まりました。また、免許の取得にかかる日数の短縮など、タクシードライバーの増加につながるような規制緩和が進んでいます。
海外では、両者がうまく共存しているケースが見られます。たとえライドシェアが普及しても、タクシーにしか提供できないサービスは確かにあります。タクシーとライドシェアを両輪でうまく進めていくことが重要だと考えています。
現行の日本版ライドシェアでは、地域や時間帯、台数などに強い制限が設けられています。制度設計はどのようにあるべきでしょうか。
小泉氏:ご存じの通り、4月に始まった日本版ライドシェアには様々な制限があり、本当に困っている人を救うところまではいっていないのが現状です。タクシーがない空白の時間帯や地域でないとできず、台数にも制限がある。やる気のあるタクシー会社や自治体だけが参入できる仕組みになっています。
慎重派はしばらくデータを観察し、経過を見るべきだという主張で、全面解禁に向けた法整備を進めたい推進派との政治的なせめぎ合いがありました。利用者目線で考えれば、あらゆる地域や状況に対応できる制度に変えていく必要があり、そのための法整備を同時に進めるべきでしょう。
どのような制度にすべきか、プラットフォーマ-の参入も含めて法制度のなかでこれから議論すればいいと考えています。
現行法では、需給の調整を国交省が管理しています。デジタルの力を活用し、市場原理に応じたダイナミックプライシングの導入も検討すべきです。新幹線や飛行機の料金を考えれば、繁忙期に値段が上がるのと同じ原理です。
慎重派は海外のライドシェアを利用したことがない人が多い
規制改革に向けた議論において、どのような点に難しさを感じていますか。
小泉氏:ライドシェアに対して過度な拒否感を持つ人が、かなりの割合でいます。自民党の会議においても、慎重派の議員からは、「ライドシェアではどんな人がドライバーをしているか分からない。そんな危ないものはだめだ」といった事実誤認に基づく発言がいまだにあります。
特に政界には海外で普及しているライドシェアを利用したことがない人が多く、実態以上に恐れている面があります。
例えばライドシェアのアプリでは運転手の総合評価やこれまでの運行回数などが分かります。どんな人が来るか分からないタクシーよりも情報は多いという側面はあるでしょう。
各国ではそれぞれルールが整備されている
専制君主のようなプラットフォーマ-が日本に新たなサービスを持ち込むという誤解もありますが、各国にはそれぞれのルールが整備されています。
豪州ではライドシェアの運転手が一定時間続けて働くとアプリが使えなくなる規制がある。米国では安全性の観点から、乗車中に警備会社と電話をつなぐサービスも普及しています。このような実態を知らない状態で、反対している人が多いのが現状です。
賛成する人というのは声を上げず、反対派の声が大きいというのはどの規制改革において共通することです。
自民党で農林部会長を務めていた2016年ころ、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加を巡る議論を思い出します。当時、党内での反対派の勢いにはすさまじいものがありました。
今後、ライドシェアの全面解禁に向けて、どのような取り組みをされていくのでしょうか。
小泉氏:まずはいち早くライドシェア新法のイメージをつくって共有するという作業が必要です。
安全対策や運行管理のあり方を具体的に議論していき、日本にあった独自のルールづくりを進めていきたいと考えてます。このような議論を重ねていく中で、反対派の方の中でもおのずとライドシェアに関する周知が広がるはずです。
23年11月には、超党派の議員で構成する「ライドシェア勉強会」を立ち上げました。法改正などの最終的な決断には、高度な政治的判断が求められますが、その判断がしやすいような情報発信をしていくことが重要だと考えています。
これだけ移動に不便を感じている国民が多いなか、ライドシェアの法案化への大きな流れを止めることは不可能でしょう。制度化していくうえで、この1年が肝心です。
解禁へ動き出すライドシェア タクシー業界の反発や安全性など課題
この記事はシリーズ「名ばかりライドシェアの進路」に収容されています。フォローすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
慎重派の渡辺元復興相「海外では怖くてライドシェアに乗ったことはない」
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