ELTiSってどんなテスト?
高校生の皆さんがアメリカへの交換留学資格を手にするためには、ELTiSというテストの基準点突破が業務づけられています。では、ELTiSとはいったいどんなテストなのでしょうか?
ELTiS試験について
1.テストの目的は?
ELTiSはアメリカの高等教育を受けるだけの能力があるのか?ということが測られます。
具体的には、
1)学校生活で使用される言葉を理解する
2)教師の指示や説明を理解する
3)一般的な学習活動で使用される言葉を理解する
4)特定分野で使用される語彙・専門用語を理解する
5)各学習分野での課題や活動の説明を理解する
というものです。
これまで実施されてきたSLEPテストが、日常生活での英語理解力を中心に問題構成されてきたことを考えると、その違いがよくわかります。
2.難易度は?
従来のSLEPテストに比べてその難易度は高いものです。いままで英検準2級くらいから合格できたのに比べて、ELTiSは文章レベルが英検2級くらい、ボキャブラリーレベルは2級を越え、リスニングはネイティブのナチュラルスピードですから、一般的な高校1年生や中学3年生にはかなり難しいテストと言えるでしょう。
3.テストの構成は?
テストは2つのセクションから成っています。
リスニングは「クラスでの先生の指示を理解できるか」「数学の文章問題が聞き取れるか」「クラスでの会話や講義が理解できるか」といったことが出題されます。
リーディングは「語彙の問題」「グラフを読み取れるか」「学習教材が理解できるか」といったことが試されます。
4.どのような準備が必要か?
まずなにより大切なのは、時間をかけて対策するということです。これまでのSLEPであれば、留学を思い立ってすぐに突破できるレベルだったかもしれませんが、ELTiSは前々からしっかりとしたプランのもと時間をかけて学習していかなければ、高1生や中3生の皆さんにとって突破するのが困難です。
留学団体によっては英語以外の部分で仮合格を手にして、あとからELTiSの追試を受けるといったことが可能なところもありますので、腰を据えて準備をしてほしいものです。英語力そのものが上がっていかなければ突破できないのがELTiSです。
5.ELTiSにはどんな意味がある?
難易度が高く準備に時間のかかるELTiSですが、これを突破することには大きな意味があります。このテストを突破するということは、アメリカの高校の授業についていけるということを意味します。それはそのまま充実した留学生活の実現を意味しますし、高校生としてトップクラスの英語力を持っていることの証拠でもあるのです。
Point1:留学『前』に気をつけたいこと
留学前に注意してほしいこととして最初に挙げられるのは「出発前の学期の評定を下げない」ことです。留学に出発する直前の学期というのは、準備のために忙しく、また精神的にも高揚しているため、どうしても定期テストに対する努力を怠りがちです。
ところがこれが後になって効いてきます。実はAO入試のほとんどには、出願にあたって「評定平均〇〇以上の者のみ出願できる」というようなハードルが設けられているのです。出発前は高校1年や2年の1学期でしょうから、進路に関する知識や意識がそれほどなくとも仕方がないところはあるのですが、毎年驚くほどの数の生徒さんが「出発前の学期で評定を下げてしまったために、希望の大学に出願できない」ということになっているのです。
先を見据えて定期テストの準備を怠りなく!!
次に英語学習についてです。
英語圏に留学する場合、コミュニケーション能力や読解力を上げようと事前に学習量を増やすのは当然ですし、ぜひ取り組んでいただきたいことですが、ここで注意してほしいのは英文法についてです。実は英語圏に留学した場合、リスニングやスピーキング能力は例外なく上がりますが、文法力は下がるか横ばいの場合が多いという事実があるのです。
これは、学校で学ぶ文法知識にこだわっていると、とくに留学初期には現地のコミュニケーション・スピードや授業スピードについていけない、ということがあるためなのです。
であるならば、留学前の時期にしっかりと英文法の土台を固めておく必要があります。高2で留学する場合は高1から現在までの、高1で留学する場合は中3から現在までの英文法を総復習しておいてください。方法としては、基礎を固めるレベルの問題集を1冊こなしておくというもので良いでしょう。帰国後の受験を楽にするだけでなく、現地の授業で正しい文章を書くためにも役立ちます。
留学前の準備と言っても英語学習だけではありません。たとえ、「話す」「書く」ことができたとしても、重要なのは「なにを話し、なにを書くか」をいうことで、つまり知識が蓄えられていなければなりません。
留学生には、自国である日本を現地の人々に理解してもらうという役割も持っているわけですから、日本の歴史・文化についてはしっかりと知識を持ち、かつそれを英語で説明できる力も持っていなければなりません。学校の日本史などはしっかりと学習しましょう。また英語での説明については、専用の書籍も多数発行されていますので購入してみてもいいでしょう。
また、留学先の歴史・文化についても、あらかじめしっかり学んでおきましょう。立場を変えて、日本の文化・歴史に何の興味も知識も持っていない海外からの留学生に、あなたがどんな感情を抱くか、まだ逆の場合はどうかを想像してみてください。
これはお世話になる方々に敬意を払うことと同じであり、特に文化的ミッションを背負った交換留学生にとっては絶対に必要なことです。
Point2:留学『中』に気をつけたいこと
まず、現地での科目履修にあたって必ず守っていただきたいことは「読解量の多い授業を取る」ということです。読解量の多い授業とは、日本でいうところの社会科、つまり現地のHistoryやEconomicsなどです。これらの科目の単語レベルは、日本の大学受験や英語資格取得の際に十分役に立つものばかりですので、現地での学習がイコール大学受験対策にも繋がります。英語力に自信がある場合は、前期にはこういった授業を1クラス、後期には2クラス取るようにすると、取り組み方次第で飛躍的に英語力を伸ばすことができます。反対に読書量が少ない科目というのは、日本で言うところの体育、音楽、コンピューター、理系科目などです。帰国後、ほとんど英語力が上がっていない交換・派遣留学帰国性というのは、概ねこのようなクラスばかり取っていたケースが多く、これではその後の受験に支障をきたしますので注意が必要です。
留学中の評定は、将来の総合型選抜入試を見据えた上で非常に重要です。というのは、留学前の項でも書きましたが、総合型選抜入試においては「評定〇〇以上で出願可能」というように、出願にあたって評定のハードルを設けている場合がほとんどだからです。また、そのような規約がない大学の場合でも成績に関する出願書類は、専攻に当たって非常に重要なのです。よく日本の高校側から「留学中の成績は関係ない」という説明を受け安心してしまっている留学生がいますが、それは「高校側が卒業認定に当たり留学中の成績を考慮に入れない」ということではありません。ですから、帰国後総合型選抜に出願を考えている方は、何としても留学中には良い評定をとってください。目安としてはA~Dの4段階評価の場合でB以上です。
英語力を上げるため読解量の多いクラスを取ったけれど、やはり難しくていい評定は取れそうにない___
そんな場合は教科担当の先生と相談してみましょう。その場合、正直に自分が置かれている状況を説明しましょう。つまり、
自分は留学生として英語力を上げるために読解量の多い授業を取った。
それが思ったより難しくていい評定が取れそうにない。
しかし自分は日本に帰ったら大学を受けるので、ここでは良い評定が必要だ。
もちろんこれだけではダメです。そこで…
自分にエクストラ・ワークをくれないか。それを込みで評定をつけてほしい。
とお願いするのです。エクストラ・ワークとは、正規以外の課題のことで読書レポートの場合もあれば、クラス内でのボランティアワークの場合もあるでしょう。こういったことを申し出てみてください。もちろん、全部の先生がOKしてくれるわけではありませんが、現地の学校では交換留学生にはなにかと便宜を図ってくれるケースが多く、
7割程度は認めてくれることが多いようです。
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アメリカンヒストリー・模擬授業(動画)
トフルゼミナール交換留学帰国生センターには、長年に渡り留学団体の皆さん、留学準備生の方々より、「英語圏に交換留学するにあたり、現地の英語での授業を疑似体験できるようなビデオ授業はないか」という声をいただいていました。この度、トフルゼミナール専任講師の一ノ瀬安先生とトフルゼミナールの現役チューターの皆さんの協力のもと 「アメリカンヒストリー・模擬授業」を制作・無料配信しています。アメリカ留学予定の方のみならず、英語圏に留学する方であれば必ずお役に立てる内容になっています。