従属節とそれに相当するもの
ここでは、関係節、名詞節、従属接続詞、動名詞について説明します。
# 名詞節
名詞節の作り方は英語と似ています。英語の"that"に相当する kol という語があります。
kol maa lik huui levaano / あの人が食べるということ
※ kol は汎用的です。より狭い意味を表す語があります。
gol : ~という考え/概念
kem : ~という性質/属性
gol xaako haalo. / 殺すという概念は悪である。
xaako : 殺す
haalo : 粗悪だ、悪徳だ
主格以外の名詞節は kol + uu + [格辞] によって表します。(gol, kem も同様です)
mii bal koluut saako fep deelo. / これは黄色い状態にある。
koluut [文] deelo : [文]な状態にある。(「~ということの中にある」から。)
# 関係節
関係詞 ku が登場します。kuに先行詞の関係節中での格の格辞をつけます。uは長母音化しません。
関係節は後ろから係ります。
faagi kux nii levaano xalmeeno. / 私が食べる果実は美味しい。
xalmeeno : 美味しい
taali kut nii daalo muute meeno. / 私のいる家はとても美しい。
muute : とても
meeno : 美しい
# 従属接続詞
bimak : ~だから
nyef : ~するとき
zeren : ~にもかかわらず
man : もし~ならば
gran : たとえ~であろうと
従属接続詞とそれに続く文は、ふつう主文の後ろに来ます。
nii fiix puudo bimak fii muute meeno. / 君はとても美しいので、私は君を愛する。
しかし、主文の前に置くこともできます。そのときは、主文との間に os, をはさみます。
bimak fii muute meeno os, nii fiix puudo. / 君はとても美しいので、私は君を愛する。
# 動詞自体の名詞化(動名詞)
levaano「食べる」の名詞形 levaaniは「食べる人」であって、「食べること」ではありません。
動詞自体の名詞化(エスペラントでいう -i形、英語でいう動名詞)が登場します。
動詞の語末のoを長母音化し、 li をつけます。
levaano : 食べる
levaanooli : 食べること
これを「動詞自体の名詞化による名詞」と呼ぶのはあまりに長いので、「動名詞」と呼ぶことにします。
動名詞は語末の母音を変えることで次のように使えます。
形容詞的用法: 「~するための」 levaanoola 食べるための
副詞的用法: 「~するために」 levaanoole 食べるために
動詞的用法: 「~することだ」 levaanoolo 食べることだ/食べるためだ
mēti lik levānōle mājo. / 彼は食べるために生きている。
maajo : 生きる
maajooli puudoolo yen ax puudoolo.
/ 生きるとは愛し愛されることだ。(生きるのは愛し愛されるためだ)
名詞節開始語に、golやkemがあったように、動名詞においてもより細かい意味合いを表す方法があります。
maajo : 生きる
→ maajoogi : 生きるという概念/考え
→ maajoomi : 生きているという性質
## 名詞節と動名詞の対応
名詞節と動名詞は互いに似通っていますが、参与する名詞が複数ある場合、名詞節のほうが直観的に表せます。動名詞でも表せないことはありませんが、少し面倒です。
1)
kol maa lik huui levaano / あの人が食べるということ
maan lik huuiin levaanooli / あの人の食べること
2)
kol faagiix levaano / 果実を食べるということ
faagiin levaanooli / 果実の食べること
3)
kol maa lik huui faagiix levaano / あの人が果実を食べるということ
maan lik huuiin, faagiix levaanooli / あの人の、果実を食べること
まず、参与する名詞が1つのときはそれが名詞節における格に拘らず、必ず属格になります[1), 2)に相当]。
参与する名詞が2つ以上のとき、ひとつを属格にし、コンマを打ってから、その他の名詞は名詞節と同じ格をつけて表します [3)に相当]。
どちらを使うかは割と趣味です。