フェージ

# フェージの種類

フェージはその効果からいくつかに分類できます。

色フェージ: 多色語と呼ばれる多義語から1つの語義を引き出す。

相フェージ: 相が不定の語から1つの相を引き出す。

単複フェージ: 数が不定の名詞の単複を決める。

フェージの基本的な効果は「不定の状態から1つの状態を引き出す」ことです。

色フェージ、相フェージ、単複フェージはいずれも典型的なフェージといえます。

# フェージの優先度

フェージはどれも内容語の直後におかれますが、複数個置かれる場合は優先度があります。

[内容語] [色フェージ] [相フェージ] [単複フェージ] [談話フェージ]

# 色フェージ

色フェージはフェージの中でも最も基本的なものです。色フェージは多色語と呼ばれる多義語から1つの語義を引き出します。全部で6つあります。

ex)

saako : 色がついている [6色語]

B = 白色をしている

L = 黒色をしている

R = 赤色をしている

N = 青色をしている

F = 黄色をしている

X = 緑色をしている

saaka ren faagi : 赤い果実

ex)

meeti : 彼/彼女 [2色語]

B = 彼女

L = 彼

ex)

mii : 指示されるもの [3色語]

B = これ、ここにあるもの

R = それ、そこにあるもの

L = あれ、あそこにあるもの

mii bal faago ju? / これは果実であるか?

mii lik saake len faago mejuu? / あれは赤い果実ですか?

# 単複フェージ

単複フェージは原則、名詞の直後につき、その単複を明示するのに使われます。

win

uk

単数 

複数 

※ 名詞はふつう単複フェージがなければ単複が不定ですが、人称代名詞(nii, fii, meeti, dii)に関してはデフォルトで win が想定されます。

※ 用言に単複フェージをつけた場合の意味は不明ですが、その出来事が1回だけ起こったか複数回起こったかの明示に使われることがあります。

levaano uk / 何度も食べる

# 相フェージ

相フェージは内容語の直後におき、その相を明示します。フェージは「引き出すもの」ですから、相を明示できるということは、無相の内容語はどのような相も表しうるということです。

xaana palaadi の相概念は草木の過程になぞらえられます:

「復元」は花がしおれ、蕾が出始めた状態へ戻ろうとする段階です。

「回帰」は花が散りきり、蕾が出始めた状態に戻った段階です。「終了」でもいいです。

「衰退」は植物が枯れていき、種の頃(無の様子)に戻ろうとする/戻った/戻っている段階です。

「希望」は植物が完全に枯れたが、次の植物のための果実が得られている段階です。

無相の内容語はたしかにこのすべての相を表しえますが、rantee と fagteeは慣習上、あまり表されないようです。

さらに、「kee以前」と「kee以後」という大まかな相もあります。

aanyee

zee

開花未前

開花以後 

※ 時制表現は、フェージではなく単に副詞によって行います。

apee

ozee

yee

過去に 

未来に 

今 

yē os nī levāno lē. / 今、私は食べている。

ozē os mēti tālīt dēlo kē. / 未来に、彼は家の中にいはじめる。

# 談話フェージ

談話フェージは、「不定の状態から1つの状態を引き出す」という効果を持っていないという点で、純粋なフェージではありませんが、任意の語の直後につけるという点で文法的な振る舞いとしてはフェージに近く、一応フェージのひとつとされています。談話フェージは「引き出す」のではなく、談話に必要なニュアンスを付加するフェージです。

bah : 強調フェージ 「~さえ」「~も」; 談話フェージ

oljes : 追加フェージ 「~もまた」; 談話フェージ

tasp :  限定フェージ 「~だけ」; 談話フェージ

nii bah xaanapaato. / 我こそが神だ。

nii oljes xaanapaato. / 私も神だ。

een, nii tasp xaanapaato. / いや、私だけが神だ。

meeti maamiix yen oljes fteejiix xaako zee. / 彼は母も父も殺した。