基本部分

SOVであり、前置修飾的であり、格は膠着します。

時間表現は副詞によって表します。相表現は相フェージによって表します。

格は、主格、対格、与格、属格、様格、変格、内格、出格、入格、接格、向格、離格、欠格、共格、具格、同格、呼格があります。一般的に、名詞の原形(主格の形)の語末の i を長母音化させ、それぞれの格を表す接尾辞をつけます。(原形の語末が長母音のときはそのまま接尾辞をつけます)

 taali

 taaliix

家(が) 

家を (対格)

 nii

 niiv

私(が) 

私に(与格) 

nii fiix puudo. / 私はあなたを愛する。

meeti faagiix taaliit levaano. / 彼(彼女)は果実を家の中で食べる。

このうち、属格と同格は体言修飾的です。

maamiikez Aalisi / 母であるアリス

maamo : hはgにとって母である

また、同格法のひとつとして、挿入句的に表す方法もあります。

Aalisi, maami, ... / アリス、母、

この場合、挿入句の語は同格相手と同じ格辞をつけます。

nii Aalisiix, maamiix, puudo. / 私はアリスを、すなわち母を愛する。 

# 語の意味の概要

辞書には、内容語はすべて動詞の形(-o)で載っています。この動詞形の語尾の母音を変えることで、体系的に名詞形や形容詞形、副詞形をつくることができますが、その意味は概ね次のようになります。

動詞形: taalo / 家である

名詞形: 動詞形の主格に当てはまるもの; taali / 家(であるもの)

形容詞形: 被修飾語(体言)が動詞形の主格に当てはまることを表す; taala / 家(のよう)な

副詞形: 被修飾語(用言)の具合が動詞形の主格に当てはまることを表す

# 転換詞

"a + [格辞]"の形で定義され、14個あります(属格と同格の転換詞はありません)。転換詞は内容語の直前に置いて、主格と該当する格の位置を変えます。主格と対格を入れ替える ax は受身文を作るのに使えます。そのため、転換詞は受身文を一般化したものと考えられます。

転換詞は、特に形容詞でよく使われます。

puuda ii bal / 愛する生き物 (生き物が愛している)

ax puuda ii bal / 愛される生き物

kcuupa taali / 移動する家 (移動式家屋)

ag kcuupa taali / 移動先の家

ii bal : 生きているもの

kcuupo : 移動する

# 属格、同格に係る形容詞

被修飾語が属格、同格の場合、形容詞の語末のaを長母音化して 相当する格辞 をつけます(格の一致)。

meenaan huuiin bal taali / 美しい女の家

meeno : 美しい

huui : 人

huui bal : 女

huui lik : 男