2018-11-30

日付: 2018年11月30日(金)

時間: 16:30〜18:00

場所: 早稲田大学・西早稲田キャンパス 51号館18階08室

講演者: 東根 一樹 氏 (山形大学)

題目: A birational embedding with two Galois points for quotient curves

要旨: Xを非特異射影曲線,HをXの全自己同型群Aut(X)の有限部分群とする. 本講演では,深澤知氏(山形大学)との共同研究によって得られた, "商曲線X/Hの射影平面P^{2}への双有理埋め込みで,像曲線がガロア点を(少なくとも)2つもつようなものの存在/非存在" をX上の条件によって判定する方法を解説する.また,上記判定法を応用し,Xの平面モデルがガロア点を2つもつ場合に, それぞれのガロア点の群を商曲線の平面モデルのガロア点の群として実現するための十分条件を与える. 以上の解説のために,講演の前半部においてはガロア点への導入と,深澤氏による"ガロア点を2つもつ双有理埋め込み存在の判定法"について述べる. ガロア点は,1996年に吉原久夫氏(新潟大学)により導入された概念である: P^{2}内の曲線に対して,P^{2}の点を中心とする射影が誘導する関数体の拡大がガロア拡大であるとき,射影の中心点をその曲線のガロア点という. ガロア点を複数もつ曲線は高い対称性を有するため,興味深い対象であると考えられる. しかしながら,深澤氏の判定法が登場するまでは複数のガロア点をもつ曲線の例はそれほど多く知られてはいなかった. 現在では,本講演で述べる結果と深澤氏の判定法に関する結果を合わせて,ガロア点を複数もつような多くの新しい例が構成されている.