『東北ロマン主義研究』

創刊のことば

　「東北ロマン主義文学・文化研究会」（Tohoku Association for Romantic Studies、略称TARS）は、主たる研究対象を、イギリス・ロマン主義時代の文学・文化とし、時代は18世紀から19世紀までを横断する研究会として、2012年12月に産声をあげました。このたび研究会誌『東北ロマン主義研究』（Tohoku Romantic Studies、略称TRS）が、創刊されることとなりました。これも会員のみなさまのご協力の賜と、心から御礼申し上げます。

　研究会誌の創刊は、本研究会を立ち上げた当初からの会員の希望でありました。そこには、研究会での発表やシンポジュウムでの議論の成果をなんとか形にして残したいという会員の強い思いがあったように思われます。当然のことながら、発表原稿そのままでは論文にはなりません。論文にするには研究発表とはまったく違った作業が必要です。研究会誌を刊行することによって、研究会活動に確かな形を与えることができるのは、大変喜ばしいことです。

　日進月歩をとげるIT技術のお陰で、今日学術雑誌の編集・発行に関しても、時間やエネルギー、費用もそれ程かからなくなりました。テンプレートを活用すれば、素人でも一定の基礎的編集作業は可能です。印刷・製本といった最終作業のみを業者に委託することで、大幅にコストダウンが可能となりました。TRS編集委員の仕事は、主として提出された論文を複数で査読し、論文の形式・スタイル・表記の統ーをはかることが中心です。言うまでもなく、論文の中身は執筆者の責任です。

　本誌が、会員相互の切碓琢磨の場になることを心から期待しております。

2014年12月6日

TRS編集委員代表　鈴木 雅之