ご挨拶~設立の経緯

 現在、日本にはイギリス・ロマン主義時代を研究する組織として、全国組織のイギリス・ロマン派学会の他に、関西コールリッジ研究会(関西地区)、四季談話会(関東地区)、イギリス・ロマン派文学研究会(九州・山口地区)、中四国イギリス・ロマン派学会、沖縄ロマン派文学研究会(順不同)などがあります。それぞれに長い歴史があります。しかし、残念ながら、東北地区には、東北6県をカバーした研究会はありません。このような現状に鑑み、東北地方にもイギリスのロマン主義時代に関する研究会を立ち上げようではないかという声があがりました。主たる研究対象は、イギリス・ロマン主義時代の文学・文化とし、時代は18 世紀から19 世紀までを横断するような研究会にしたいと思います。同じ興味と関心を共有する会員が研究会に集まり、交流と親睦をはかることは、この分野の研究を深めるためにも、きわめて有益なことと考えます。

 本会の活動としましては、7 月と12 月の年2 回、研究会を開催します。そのうち12 月は総会と2 つ程度の研究発表を、7 月は18 世紀から19 世紀までをまたぐような内容のシンポジュウムを中心に行いたいと考えております。海外からの研究者の発表や講演なども積極的に慫慂したいと思います。研究発表や講演、シンポジュウムは、一方通行的なものではなく、発表後のディスカッションを重視し十分な時間をとり、発表テーマをめぐってフロアーと活発に議論する場にしたいと考えております。

 さらには、年1 回、研究誌『TARS 東北ロマン主義文学・文化研究』(仮題)を発行したいと考えています。本会で行われた研究発表やシンポジュウムだけでなく、会員のみなさまから積極的にご投稿いただいた論文を掲載し、質の高いジャーナルを目指します。研究誌の詳細については、できれば7 月の研究会で臨時総会を開き、お計りしたいと思います。本会の運営組織は数名の委員 (代表、会計、総務、広報、企画等担当)で構成されます。ここでいう「代表」は、組織のトップを意味するものではありません。あくまでも運営委員のひとりであり、必要があって代表者名を届け出るような場合にお名前をお借りするというものです。

 研究会(学会)の品質保証は、言うまでもなく、会員のみなさまの研究活動の内容にあります。新しい時代にふさわしい研究会のあり方を模索しつつ、息の長い会を目指したいと思います。多数のみなさまのご参加とご協力を、心からお願いいたします。

東北ロマン主義文学・文化研究会(TARS)

代表 鈴木 雅之

(「東北ロマン主義文学・文化研究会 ニューズレター 第一号」より)