富士河口湖町ビオトープ調査

河口湖フィールドセンター自然共生研究室(当時)の協力の下で、当会が主体となって山梨県の河口湖湖畔に造成されたビオトープにおけるインベントリ(生物種目録)作成のための水生生物調査を実施しました。

<活動概要1:ビオトープの生物調査と維持管理>

この調査の対象は河口湖湖畔の公園と河口湖美術館脇の庭園に造られた水辺ビオトープです。2005年から2008年までの3年間、ビオトープ内の流水部(水路)及び止水部(淀み・ため池)においてコドラートを設置し、無脊椎生物相と水質、水生植物の繁茂状況を調査しました。また、ビオトープの環境の維持管理のために、毎年2月にヨシの刈入れ作業や流水部を確保するための水路の掘り起こし作業を実施しました。

<活動概要2:河口湖と接続するビオトープにおける魚類相調査>

この調査の対象は河口湖畔に10年前に造成された、ため池のような水辺ビオトープで、降雨量が少ない年には干上がってしまい(e.g.,2006年4月)、また冬季には全面結氷します。水源は雨水ですが、梅雨の時期の増水に合わせて河口湖と接続することがあります。管理は主に岸の草刈りのみであり、池内部に人為的な管理がされることはほとんどありませんでした。水位上昇によって河口湖と接続した時には、河口湖から水生生物(魚類やエビ類)が移動してきて、計6種の魚類と2種のエビ類が確認できました。2007年から2009年にかけて魚類相調査を実施し、ビオトープの水位変化や河口湖との接続の有無が魚類相(種数や特徴的な出現種)に与える影響について把握しました。この調査結果は、野生生物保護学会第15回東京大会においてポスター発表「河口湖湖岸に造成されたビオトープの魚類相」として公表しました。

※活動は2009年3月をもって終了し、本ビオトープの管理者である河口湖フィールドセンター自然共生研究室に生物相の結果を報告しました。これまで多くのボランティアの方々にご参加いただき、調査や分析、ビオトープの維持管理をお手伝いいただきました。この場を借りて、お礼を申し上げます。