第1回応用可積分系若手セミナー
- 日時:2017年3月11日(土)13:00–19:30
- 会場:同志社大学今出川キャンパス 良心館403室(会場へのアクセス)
講演1 (13:00–14:30)
講演者
名古屋創(金沢大学理工研究域)
題目
共形ブロックとパンルヴェタウ関数
概要
2012年に第六パンルヴェ方程式のタウ関数の固定特異点における級数展開が2次元共形場理論の共形ブロックのフーリエ変換として表されるという発見があった。AGT対応を通じて共形ブロックはゲージ理論のネクラソフ分配関数で書けるので、この発見により第六パンルヴェ方程式のタウ関数の級数展開の一般項が明示的に書けたことになる。
講演では、上記の発見及び他のパンルヴェタウ関数の漸近展開について説明する。
講演2 (15:00–16:30)
講演者
長井秀友(東海大学理学部)
題目
差分・超離散系における解構造の対応
概要
超離散化とは,従属変数の変換と極限操作によって与えられる一連の操作を指す.差分方程式に超離散化を行うことによって,方程式はmax演算と加法によって表される発展方程式にうつり,得られた方程式を超離散方程式と呼ぶ.差分,超離散方程式は異なる代数系での発展方程式であるが,超離散化という操作によって対応しており,それらの解も類似した対応関係をみることができる.本発表では線形差分方程式を例にとり,超離散化によって両者の解がどのように対応しているかを紹介する.さらに離散ソリトン方程式に対しても同様の手続きをとり,ソリトン解がどのように対応するかを紹介する.
講演3 (17:00–18:30)
講演者
多羅間大輔(立命館大学理工学部)
題目
Lie群上の自由剛体の力学系
概要
外力の働かない剛体の回転運動は,解析力学に現れるLiouvilleの意味で完全積分可能なHamilton力学系の典型例である.この力学系の複素半単純Lie群とそのコンパクト実形・正規実形(とそれらの交叉)上の左不変計量に関する完全積分可能な測地流への拡張が,1980年前後にMishchenkoとFomenkoによって行われ,その後も種々のLie群への一般化が行われている.この講演では,実半単純Lie群や冪零Lie群上の自由剛体の力学系について,完全積分可能性やより力学系理論的な側面である平衡点の安定性解析を双Hamilton構造等を用いて考察する.
フリーディスカッション (18:30–19:30)
世話人
- 廣瀬三平(芝浦工業大学デザイン工学部)
- 三木啓司(同志社大学理工学部)