ある機関が行ったアンケートでは海外の研究所、日本国内の研究機関、国内の大学、海外の研究機関を含めると若手研究者の約90%の人がアカデミック研究に残ることを希望しています。一方、この機関から転出する人の出口調査では、転出する研究員の約半数が アカデミック研究にポストを取得しています(海外を含む)。若手研究者が就職難だと言われるのにこの機関ではすばらしい成績をあげています。しかし逆に、 約半数の人しか、アカデミック研究に残れない事実は、非常に厳しい現実を伝えています。また、この調査の中で、行き先を「未定、不明」とした人たちが30% いることも見逃せません。この中には、ご家族の事情など個人的なさまざまな理由でアンケート調査に行き先を告げずに退職して行った人たちも含まれていると 思われます。または、退職時のどたばたでうまく連絡がつかなかったという、事務手続き上行き先が分からない「不明」の人がいるのかもしれません。しかし、 任期期間中の全てのエネルギーを「目の前の研究、実験」だけに費やしてしまい、任期期間中に行き先が決まらないまま退職している人たちが相当数いるのでないかと 考えられます。
先ほどの調査では、90%もの人たちがアカデミック研究で研究を続けることを希望している一方で、別の意識調査の回答の中には「具体的にはどのように目標を立て行動してよいかわからない」と回答した人たちが約半数います。3年後5年後の自分が社会の中で生き生きと活躍しているために、日々の研究業務以外に、少しだけ未来の自分像について考え行動しようというガイドライン(コツ集)を作成し、これを「1%Right now」と名付けました。1%Right nowとは、「1%だけ」、「今すぐ」将来のために考え行動しようというです。1%というのであれば、普段の研究に支障は出ないはずです。しかし、1%は決して少ない割合ではありません。一年は365日ありますので、1%は3日間(72時間)です。この時間を上手に割り振って作成したガイドラインを参考に実際に行動することによって、いまより少しだけ、未来を恐れずに、今と同じように社会の中でいきいきと活躍している自分を見つけてみませんか?