私(このページの作成者)の出身の大学院は、大学自体が新設で、新しい設備が整っていて、研究を進める上では本当によい勉強ができた環境でした。しかし、一方で、新設であるが故、何年にもわたってたくさんの先輩が同じ研究の世界にいるような環境ではありません。
大学院生の頃、夢中で目の前にある研究テーマについて実験をして学位をとれたはいいものの、「目の前の事を一生懸命やる」以外、正直その後、どうしていったらよいのかよくわかりませんでした。
私 が学位をとってポスドクを始めた頃、私の周りには同年代の同じような立場のポスドクがたくさんいました。もうすこし研究所の周りを見回してみると、私たち と同年代のポスドクの他は、その頃の私より少し上の世代の若いPIと、ずっと上の世代のどこかの大学で教授などを経験した事がある有名な方達で した。
「どうして私たちの世代は大勢いるのに、その上のPIの世代はこんなに少ないのだろう?」と、
すこし疑問に思ったこともありましたが、その頃の私はすぐに日々の実験の忙しさに、このような疑問は消えていきました。
私がポスドクを始めた頃、今後のキャリアをどうして行ったらよいかについて先輩たちに質問すると、教えてもらえる事は
「業績を出す以外は考えない」
「極端にショッキングなこと」
のいずれかに関する事であったような気がします。
一方で、私が知りたかったのは、「成功も失敗を含めた全体像」であったり、「中長期的なビジョンをどうたてるか?」であったりしたような気がします。これらは、とても難しい問題で、きちんとした回答などあり得ないのかもしれないですが、ここに載せてある文章は、どれも、学位を取る前、ポスドクを始めた頃の「私」が知りたかったことの「一部」です。その後、私が悪戦苦闘する中で体験したこと、または見聞きしたいろいろな人の「言葉の断片」、を集めて文章にしたものです。
私は、このサイトをインターネットの迷路の向こう側にいる「過去の自分」に向けて作りました。私も、まだ道半ばで苦しんでいる立場ですが、もし、この文章を過去の私と同じような状況にいる後輩が参考にしてくれたら、と思い公開する ことにしました。
このサイトは、以上のような経緯で作られたので、内容は非常に個人的なもので、文責はすべて私にあります。
*注意*
1)このweb siteの内容の文責は、サイトの管理者にあります。
2)このweb siteの内容は、理化学研究所研究員会議幹事会で議論した内容を参考にしています。この場を借りて感謝いたします。