折り図を描くときには「読者にとって理解しやすいか?」という観点が大事です。
どうすればわかりやすい折り図を描けるのでしょうか。まず、折り図を描く作業は、「1つの図を描く」と「複数の図を配置する」の2つの工程に分けることができます。以下では、それぞれについて、基本的なポイントをまとめておきます。
まず、1つの図を描くことを考えましょう。
折り図では、「細い線は折り筋」「一点破線は山折り」という風に、線の太さやパターンごとに意味するところが(ある程度)決まっています。そこで、図を描くときには、それぞれの線の太さやパターン、面の色などをあらかじめ決めておいて、図ごとにバラバラにならないようにする必要があります。
以下の内容は、探偵団コンベンション2016で山口真さんが講習された「折り図投稿について 良い図の例と悪い例」(2016.08.13)から得た情報を元にしています。あくまで一例なので「これじゃないとダメ」というわけでは無いです。たとえば小松英夫さんは、もう少し太い線を使っているようです。
折り筋:0.25pt
外形線(紙のフチ):0.5pt
その他(折り線、矢印の線、拡大するときの丸枠など):0.75pt
太さは3種類くらいしておきましょう。ポイントは、強調したい情報に太い線を割り当てる、ということです。「この工程で何をするか?」について最も重要な情報は折り線や矢印で、ここに一番太い線を割り当てています。
また、線は太すぎるのも細すぎるのもダメです。太すぎると細かい図を描くときに困ります。逆に、線が細すぎると印刷で消えてしまうことがあるそうです。0.25ptよりも細い線は避けましょう。
紙の表の部分:30%
背景の流れを表す線:25pt、20%
これも、あまり薄いと印刷で見えなくなることがあるそうです。立体図で影を入れる場合でも、10%以下は避けるようにしましょう。
キャプション(図の説明文):8pt
図番号:16pt
キャプションの上限は10pt程度で、これ以上大きくなると、説明文が長くなった時に困ります。
次に、1ページに複数の図を配置する場合で注意すべき点です。レイアウトで気にすべきことは以下の3点です。
1つの図の大きさ
図とキャプション等の付随情報の位置関係
ページ内における図の配置
31~34mm四方が目安。
途中で縦長になったりすることがあると思いますが、同じ面積を維持することを一つの目安にすると良いです。
図とキャプションはつかず離れず。
キャプションは図の説明。目的の図の近くに置きましょう。ある図のキャプションが、(その図よりも)他の図に近い位置に配置されているのはダメ
(当然ですが)キャプションが図の一部と重なっているのもダメ。
複数の図を配置するときには、バランスの良さが大事です。うまく配置するのは簡単ではないですが、以下のようなポイントをチェックしながら進めれば、最低限到達すべきレベルには達することができると思います。
特定の図だけ大きすぎ/小さすぎないか?
隙間が大きすぎ/少なすぎないか?(図が近すぎると見にくいし、離れすぎているとスペースが無駄になります)
1つの図から次の図に目線がスムーズに流れるか?