何と言っても、2020年という年は最初から最後まで新型コロナウイルスCOVID-19の世界的感染拡大による脅威に晒され続けた年でした。殊に我々のような吹奏楽器奏者を多く擁するバンドなどは、(あまり言いたくありませんが)存在自体が最も忌避されるべき「3密」の権化でもあり、当然この手の感染症との相性は残念ながら最悪なものであります。
しかるに、お客様を入れてライヴなんてもういつになったらできることやら、それどころか練習からして密つくらないでどうやってやるんだよ、などといった恨み節ばかりが口をついて出ており、活動に関して全く先が見通せなかった今年の春先。当然、全国のビッグバンドさん達を始め同種の音楽団体さん達、部活の生徒さん達も同じ思いであったであろうことは想像に難くありません。
かくして、緊急事態宣言前後の3ヶ月程度の期間、練習は自粛しておりました。
やがて宣言が解除され、自粛明け後は、社会情勢や最新の知見を注視しつつ、安全なラインを慎重に探りつつ、少人数のセクション練習から再開したのち、少しずつ少しずつ本来の姿に戻していきました。
ところが、練習は再開できたものの、恒例イベントの中止が次々に告げられる中で、いかにしてモチベーションを保って活動を継続させるかが次なる問題点として現れていました。
ひとつアイディアとして浮かんだのが、一部のミュージシャンの方々の間でちらほらと実施され始めていたライヴ映像の生配信。これを我々もできないものかと早速検討を開始しました。これなら我々さえ密を作らずに演奏できれば、お客様に対しては安全にライヴができますし、演奏する我々の側にとっても、収録配信と違って生演奏に近い空気の中でできる、と考えたのです。
初の試み故のハプニングやお客様の反応を直接受けない故の違和感等はありましたが、そうした戸惑い以上に現場で感じた空気は、長期にわたる自粛を耐えた末にようやく演奏できたことの嬉しさや楽しさだったと思います。画面の向こう側の皆様方はどのように感じていただけたでしょうか?
この事態、今はまだ収束も見通せない情勢ではあります。無観客生配信はこうした情勢の中で表現を行うための一つの画期的な手段ではありますが、決してこれ自体が目的なわけではありません。いつかまたもとのように、会場でお客様とライヴの時間空間を共有できる日がきっとくると信じて、このバンドでの活動を続けていきたいとの思いを強くしたところであります。
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(本番前)検温、消毒、換気も万全!俺たちはコロナウイルスには負けない!
-SET LIST-
Regular Set
Blues In Hoss' Flat (F.Foster)
Coffee Rumba (H.Manso)
All Of Me (S.Simons)
The Way You Look Tonight (I.Berlin)
Four Brothers (J.Giuffre)
Young And Foolish (A.Heig)
Mexicali Nose (H.Betts)
encore
Mack The Knife (K.Weil)