研究紹介(Research Works)
研究テーマ
人間らしい振る舞いを自動獲得するゲームAI
研究背景
ゲームAI研究において,将棋や囲碁のCOMの戦略は,数年後にはプロ棋士を凌駕すると考えられています.
そのため,今後は,強さの追求ではなく,いかに人間を楽しませることができるかが,
ゲームAI研究の目標になると言われています.
でも,ビデオゲームをプレイしたことがある人なら,COMに対してこんな経験があるのではないでしょうか?
COMはいつも同じ戦略(振る舞い)だから楽勝! → 数回やったら飽きる.パターン化すれば必勝!
COMが強すぎて勝てない! → 数回チャレンジして諦める.操作制度や反応速度が人間離れしすぎ!
COMの戦略がバカすぎて役に立たない! → イライラ.プレイスタイルが自分とマッチしない.手を抜かれてる感.
COMの振る舞いや戦略が人間プレイヤの楽しみを決定づけるといっても過言ではないのですが,
人間プレイヤを楽しませるための振る舞いや戦略って,以下の要素が必要です.
プレイヤの要求に合わせた強さ(自然な強くなさ)の設定
プレイヤのプレイスタイルにCOMの戦略も適応
人間プレイヤに人間的であると解釈される
人間プレイヤにとって,COMのこれらの要素はほぼ直感的に判断される事項なのですが,
「直感的」な判断に係る事項をコンピュータで実装すること(主観の客観化)は非常に困難です.
そのため,市販ゲームにおけるCOMの実装は,プログラマのヒューリスティックに基づく作り込み
によって実現されており,リアリティを追求すれば開発コストは増大してしまうのが現状です.
そこで,本研究では,極力ヒューリスティックを排除した環境下で,
自然な(人間らしい)COMの振る舞いや戦略を自動的に獲得する手法の構築を目指します.
そのCOMプレイヤと協力プレイ(または敵対プレイ)することが,
ゲームにおいて人間プレイヤに「楽しみ」を提供することにつながると考えています.
研究詳細
1.エンタテインメント系システムの主観評価実験におけるユーザ統制手法の検討
2.生物の基本原則に着目したビデオゲームエージェントの自然な振る舞いの自動獲得