遺伝研の動物飼育実験棟の南側に1960年代におそらく実生から発芽し成長した美しいサクラの大木があります。そのサクラは、空に向かって真っすぐ枝を伸ばし、少し濃いピンクの花を毎年きれいに咲かせます。よく見ると白い花弁をつけた花と淡い紅色の花弁の花の二種類があるようです。このサクラはおそらくヤマザクラとオオシマザクラの雑種であろうということになっていますが、名前はありませんでした。
遺伝研は70周年を迎えることを記念して、この新品種に名前をつけました。
遺伝研さくらの会で議論を重ね、5つの候補名をリストアップした後、所内の皆さんの希望とその理由を含めて投票して頂きました。78名の投票の結果をもとに、遺伝研さくらの会で会議を2019年3月7日に開催し、最多の得票があり推薦理由も好意的な意見が多かった「半兵衛白紅桜」にすることに決定しました。
「半兵衛」は、遺伝研のサクラの収集と研究に多大なる貢献をされた故 竹中要先生の愛称です。竹中先生が現役のまま亡くなられたとき、その遺業を称えて「虎は死して皮を残し半兵衛死してサクラを残す」 といわれたというエピソードが残されています。白紅は70周年を記念して縁起の良い名前といえるでしょう。
今後末永く「半兵衛白紅桜」が皆さんに親しまれることを願っています。
さくらの会一同
銘板の除幕式を2019年4月1日に執り行いました。これは遺伝研創立70周年記念行事の一つになります。ご協力ありがとうございました。