「ImPACT タフ・ロボティクス・チャレンジ」において,屋内探査用索状ロボット「T2 Snake-3」を開発しています.
災害対策としては,災害が生じた直後である緊急時の対応やその後行われる復旧時対応だけが注目されがちですが,平常時の対応も重要です.平常時には,点検,補強,修繕といった「予防・減災」を目的とした対策が行われます.
このロボットは,
災害現場での被災者探索を行う「レスキューロボット」
平常時のプラント内部やインフラの状況を調査するための「災害予防ロボット」
としての活用を目指して開発しています.
このロボットは内部に制御用パソコンやバッテリが搭載されており,頭部・尾部に搭載されたカメラ映像を見ながら無線遠隔操作で操縦できます.動作時間は約80分です.
段差や階段を移動できるほか,人が入れないような狭所空間に進入し,探索活動を行うことができます.
操作者は基本的にロボット先頭に対してのみ指令を与えれば良く,後続部の動作は自動で決定されるため,操作も比較的単純です.
T2 Snake-3 (2016年6月版)
T2 Snake-3 (2017年4月版)
右の動画は2016年6月版のものですが,2017年4月版のロボットですと最大1mの段差を越えることに成功しています.これは,世界的にも類を見ない性能です.
ロボット名の「T2」は「田中(一)・田中(基)研究室」=「Tanaka ×Tanaka」と「テニュアトラック(Tenure Track)」が元々の由来ですが,それ以外にもプロジェクト名の「タフ(Tough)・ロボティクス・チャレンジ」や「ImPACT田所(Tadokoro)プログラム」,先端グリッパを開発してくださっている「多田隈(Tadakuma)建二郎先生」など「T」と何かと関連が深いため,それらの意味もまとめてこの名称に込めています.
最近は,東北大学多田隈研究室で開発された最新グリッパを頭部に搭載し,小物体拾い,バルブ開け,配電盤開けといった「作業」もできるようになりました.
下記は2017/6に東北大学で行われたImPACT TRCフィールド評価会での動作デモの様子です.
※ 以下の動画は2016年6月版のもので,最新版のものではありません.
平面での基本動作
高い段差乗越え
障害物乗越え
先頭にOmni-Gripper(東北大多田隈研で開発)を搭載したバージョンであるT2 Snake-3Gの段差登りの様子.
グリッパが載っていても1mの段差を昇降できます.
鯖江市の消防の方々の協力の元で行った実証実験の様子です.上方に空いた小さな穴からの進入,複雑なパレット上の移動,倒壊家屋を模擬した部屋の探索などを行いました.
鯖江市長(牧野百男氏) もいらっしゃいました.