メンバー

西山 桂  (代表)

名城大学理工学部・教授

希土類の発光という物性に着目し、ゲルなどのソフトマテリアルやナノ粒子と巧みに組み合わせることによって、「実装に適した物性やサイズを持つ発光デバイス」の創製を行っています。これらの発光材料は、例えば新規レーザー媒質やバイオマーカーへの応用を探索しています。

材料を合成する研究に加えて、RISMなどの理論研究も併用しています。材料を構成する分子や粒子間の相互作用が、材料物性にどのような影響を与えるのか、その統計的な物性を精査し、材料設計に役立てています。

略歴

1996年8月 大阪大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー助手
1997年12月 博士(理学)の学位取得(大阪大学大学院基礎工学研究科)
2004年4月 大阪大学先端科学イノベーションセンター助手(配置換)
2004年10月 島根大学教育学部講師
2009年4月 島根大学教育学部准教授
2015年4月 島根大学教育学部教授
2017年4月 名城大学理工学部教授環境創造学科、現在に至る。

上記に加え、タイ国立カセサート大学客員教授、Max-Born研究所客員研究員、山形大学非常勤講師などを歴任。趣味は筋力トレーニング、水泳。

URL

http://www.facebook.com/nishiyama.lab

高椋 利幸  (企画)

佐賀大学理工学部理工学科科学部門・教授

液体物性や溶液中で起こる化学反応に寄与している溶媒-溶質、溶質-溶質、溶媒-溶 媒間のミクロスコピックな相互作用を、赤外吸収やNMR、X線や中性子散乱法を用いて 追求しています。特に、水素結合や分散力などの比較的弱い分子間相互作用が、物性や反応にどのように影響しているかに興味をもっています。 現在は、水と有機溶媒の混合溶液の相分離現象、常温で液体状態をとる電解質として脚光を浴びているイオン液体の物性、有機分子、アミノ酸やタンパク質に対するフッ化溶媒分子の疎水的溶媒和を中心に研究を進めています。

略歴

1985 熊本大学理学部化学科卒業
1987 東京工業大学大学院修士課程修了
1988 東陶機器(株)基礎研究所入社
1993 福岡大学大学院博士課程後期修了
1996 東陶機器(株)基礎研究所退職
1996 福岡大学理学部化学科助手
1997 佐賀大学理工学部助教授
2012 佐賀大学大学院工学系研究科教授
2019 現職

URL

http://solution.chem.saga-u.ac.jp/

吉田 紀生 (広報)

名古屋大学大学院情報学研究科複雑系科学専攻物質情報論講座・教授

液体の統計力学理論を中心に,電子状態理論や分子動力学などを組み合わせて溶液内での分子および分子集合体(生体分子など)の構造や機能に関する研究を行っています。 特に生体分子の分子認識や,化学反応などに興味を持っています。

略歴

2003年3月 京都大学大学院理学研究科 博士後期課程修了,博士(理学)
2003年4月 株式会社富士総合研究所研究員
2004年4月 自然科学研究機構分子科学研究所 博士研究員
2007年7月 自然科学研究機構分子科学研究所 助教
2012年2月 九州大学大学院理学研究院 准教授
2022年3月 現職

URL

https://sites.google.com/view/yoshida-group/home

勝本 之晶

福岡大学理学部化学科・教授

合成高分子と溶媒(特に水)との相互作用を,振動分光法・ 計算機シミュレーションを用いて研究しています.精密重合法や標識化合物の合成を用いて,化学構造を精密に制御した試料を調整することで,複雑な系から分子の相互作用やコンホメーションの情報を得ることが得意です.最近は,精密合成法を応用してあらたな機能性を有する合成高分子を作り出すことに挑戦しています.

略歴

2000年東京農工大学生物システム応用科学科修了(学術博士取得)
2000〜2003年関西学院大学博士 研究員(尾崎幸洋研究室)
2003〜2014年広島大学大学院理学研究科 助教
2014年〜2019年 福岡大学理学部化学科・准教授
2019年〜現職

URL

https://sites.google.com/a/fukuoka-u.ac.jp/physical-chemistry-of-polymers/ 

貞包 浩一朗

同志社大学生命医科学部医情報学科・准教授 

ソフトマターの多くは、物質間の相互作用がバランスすることで様々な形状や動的挙動を示す秩序を形成することが知られています。更に、ここに外部からの刺激を加えることで容易に別の状態へと相転移することも知られています。私は、このような「物質」としての面白さに魅了され、これまで物理の立場から ソフトマターの研究を進めています。

例えば最近では、水と有機溶媒の混合溶液にある種のイオンを加えた場合、水に溶けた有機溶媒が細胞膜に類似した物性を持つ平面膜構造を形成する、という不思議な現象を見つけました。また、レーザー光を用いた実験では、水に溶けた溶質がマイクロメートルスケールで凝集・拡散を周期的に繰り返す(リミットサイクル振動)、といった新しい非平衡パターンが見つかりました。

このように、ソフトマターの世界では研究者の興味次第で実に様々な現象を発掘できる、というのが私の実感です。これからも、可能な限り多くの物質系や実験手法を取り入れながら、ソフトマター研究を楽しんでいきたいと考えています。

略歴

2010年3月 京都大学大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 博士後期課程 終了、博士(理学)取得
2010年4月 高エネルギー加速器研究機構 博士研究員
2013年4月 立命館大学理工学部物理科学科・助教
2015年4月 同志社大学生命医科学部医情報学科・助教
2018年4月より現職

佐藤 高彰

信州大学繊維学部化学材料系材料化学工学課程・教授

佐藤研究室のテーマは溶液の化学物理、コロイド・ソフトマター物理学、生物物理学の境界領域開拓です。「水溶液の動的素過程を含む高速分子ダイナミクスから生体コロイド濃厚系が示すスローダイナミクスまで」並びに、「微視的なサブナノ溶液構造から高次生体機構が示すナノ・メソ領域の空間構造まで」を網羅する時空構造を捉え、それぞれの階層を超越した普遍的立場からこれらを理解する学問体系の構築を究極の目的としています。これらの課題は、創薬、医療、生命など、広大な際領域とも深く関連しています。 (信州大学ホームページより抜粋)

墨 智成

室蘭工業大学大学院工学研究科・教授

液体の統計力学,いわゆる液体論を駆使して,様々な液体・溶液及びバイオ/ソフトマテリアルを対象とした理論的研究を行っています.また,実験と理論の連携研究として,蛋白質/コロイド/高分子ミセル溶液の小角散乱測定データの液体論に基づく解析,生体分子モーターの一分子観測データに関する確率過程モデルを用いた解析,スパイキングニューラルネットワークモデルを用いた学習,記憶,意思決定における神経回路メカニズムの解析,ウイルスや腫瘍に対する宿主内免疫応答の数理モデルによる解析など,多岐に渡り研究を展開しています。.

略歴

1999年3月 九州大学大学院工学研究科応用物理学専攻修了 博士(工学)
1999年4月-2002年3月 日本学術振興会特別研究員(PD) 分子科学研究所
2002年4月-2007年3月 豊橋技術科学大学 知識情報工学系 助手
2007年4月-2011年3月 豊橋技術科学大学 知識情報工学系 助教
2011年4月-2013年3月 学内再編により同上 情報知能工学系 助教
2013年4月-2016年3月 岡山大学大学院自然科学研究科 准教授
2016年4月-20249月 岡山大学異分野基礎科学研究所 准教授
202410より現職

URL 

https://rdsoran.muroran-it.ac.jp/html/200000540_ja.html

宮田 竜彦

愛媛大学大学院理工学研究科・准教授

液体、特に水溶液中で見られる原子・分子レベルでの微視的構造を積分方程式理論や分子シミュレーションに基づいて研究しています。構造と言っても、液体では分子の位置が時々刻々と移り変わるので、“平均”構造を見ることになります。従来は解析の難しかった系にも適用できるよう、新たな計算手法の開発 も行なっています。最新の計算手法では、ナノサイズの溶質を含む水溶液の計算も可能となってきており、ミセルやタンパク質等の構造や水和の様子を調べています。

略歴

2001年5月 京都大学大学院工学研究科化学工学専攻博士後期課程 研究指導認定退学
2002年3月 博士(工学)京都大学
2001年6月~2003年9月 産業技術総合研究所 テクニカルスタッフ・特別研究員
2003年10月~2010年4月 分子科学研究所 専門研究職員
2010年5月~2024年3月 愛媛大学大学院理工学研究科 助教を経て講師
2024年4月より現職

山口 毅

名古屋大学大学院工学研究科・助教

溶液中の分子の「動きやすさ」について研究しています。「粘度が高い」とか、「相互作用が強い」とか、その場に応じた尤もらしい説明を付けることは出来るのですが、粘度がどのような機構で動きやすさと関係するのか、相互作用が強いというのは具体的にはどういう意味なのかを考え始めると、よく分からなくなります。ソフトマテリアルの「柔らかさ」は、分子の目からはどのように見えるのでしょうか?

略歴

2000年7月に京都大学より博士(理学)認定
2002年4月より名古屋大学大学院工学研究科・助手
2007年4月より現職

URL

http://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/view/html/100002044_ja.html


吉田 亨次

福岡大学理学部・准教授 

物性測定に使用されるX線・中性子線の波長は原子間距離に相当しますので、入射線と散乱線のエネルギー差を測定すると、物質の構造と運動の両方の情報が得られるという利点がX線・中性子散乱実験にはあります。散乱実験から得られる情報は原子の位置情報に関するもので、統計力学理論や計算機シミュレーションとよく対応し、厳密な比較が可能です。私はこの手法を利用して、細孔内に閉じ込められた水や生体分子に水和した水の性質を調べています。

略歴

同志社大学大学院工学研究科博士課程(後期)修了(上野・伊吹研究室)

URL

http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~ac/yoshida/index.html