活動趣旨

分子統計化学とは

当グループは、数個の分子が集合したクラスターから、アボガドロ定数程度の分子によって構成される集団を研究対象とし、個々の分子が統計的に振る舞うがゆえの新規な機能開拓を目的としています。「分子統計化学」とは、シンプルな溶液に対して用いられてきた従来の粒子統計論を、より大きな空間構造を有するソフトマテリアルに拡張することを企図しています。我々の狙いは、全く新しい分子統計化学理論の構築によって、ソフトマテリアルの機能発現に必要な分子間相互作用を正確に決定するだけに留まりません。実験と理論との緊密な協同のもと、新しい分子材料や生体模倣系を実際に設計・合成することをも目指します。具体的な研究対象として、イオン液体クラスター(大きさ:1 nm)から生体ウィルス(100 nm)、微小構造(100 μm)を有するオルガノゲルといった、マルチスケール・ソフトマテリアルも対象としています。

メンバーの専門分野

メンバーの現在の研究対象は、イオン液体からゲル・バイオ材料まで幅広く、研究手法も中性子・X線回折、レーザー分光、高分子合成、液体論・量子化学計算までバラエティに富んでいます。多様な研究手法をもって、従来の学問体系を超越した分子統計化学の確立を目指します。

設置期間:2013年2月18日~2018年2月28日