5月26日(木) セミナー参加,某予算申請(別戦略目標の確認),MEMS光学素子の勉強

Post date: 2016/06/09 0:35:40

EEセミナー"Nanodevices for Probing Brain Activity"

UCLAの電気電子の方で,Rice UniversityのAssistant Professor Jacob Robinsonによるセミナーが開かれた.タイトルを日本語にすると,脳の活動を調べるためのナノデバイス(複数形)になる.

脳を調べるのに,光を脳の深い位置に選択的に照射するナノプローブを作製している.プローブは光導波路とフィルタを有している.この導波路を用いて,異なる深さに別波長の光を照射できる.光源にはレーザーを使い,生体の脳サンプルに対し,シート照明を可能にしている.脳内のバイオイメージングをサポートするためのツールである.

これまでほとんど勉強したことがなかった「従来の脳を光で攻めるアプローチ」がよく理解できた.共焦点や2光子で到達できる観察の深さも,本研究との比較のために説明された.

今回のアプローチでも,プローブを脳に差し込んで使用するため,従来のプローブを刺入する方法と同じく侵襲性の問題は解決できていない.それでも異なる深さにある組織の同時計測は可能にしてくれる.光で情報を得るというアプローチは,電気的なプローブとは違った情報を与えてくれる.最近ではカルシウムイメージングを使えば,ニューロンの電位を計測しなくても,光でニューロンの状態が計測可能となる.蛍光色素を変えれば,また別の情報も得ることができるだろう.光というのは,多情報を得るのに向いている.

特に本学には 多電極アレイの「豊橋プローブ」というものがあり,よく研究されている.またミシガン大で開発された「ミシガンプローブ」もある.どちらかというとMEMSの分野では,これらのプローブを使って電気的に測定するアプローチが有名である.今回の光で活動を計測するアプローチは,これまで聞いたことがなかったので,自分的には面白いアプローチだと感じた.

今回のようなプローブと光を使って脳の活動情報を取得するのと,ナノプローブアレイを使って電気的に活動情報を入手するのとでは,どちらがよいのだろうか?測定情報が違うので,あまり比較するべきものではないのだろうか.

某予算申請のつづき

昨日,最初の戦略目標は,直球では難しそうだと感じた.なので時間がないにも関わらず,この期に及んで,別の戦略目標も調べてみた.

別の目標でも,よい提案ができそうだとは,一見思った.しかし,良く調べると,実はこちらも王道で攻めるのは難しいようであった.自分の持つ技術をベースにして,果たして,どちらがよい提案ができるのだろうか?

一方でしか提案できない.そのためどちらかの提案に関する勉強は,すぐには使えないことになる.直近で役に立たないとしても,最新の技術状況を調べることは,大変勉強になる.

朝のセミナーと合わせ,オプトジェネティクスの技術は,大幅に進展しているなあと感じた.光のアプローチというのが,色々と世の中に普及しつつある.最先端でもある.調べるための武器もそろってきて,新たな可能性が切り開かれつつある.自分の分野だけでなく,他分野も見渡すと,とても面白い時代であることに気が付かされる.

MEMS光学素子の勉強

MEMSの光学素子を勉強する.これが結構役に立ちそうである.有益であるにも関わらず,技術的なハードルもあり,多くの人はまだ手を出していない.新しい素子を使うためには,原理を理解しないといけないし,物として入手できないといけない.自分で調べると,どちらともクリアできそうであった.

今の研究室では,オプトフルイディクスを謳っているだけあり,光学は比較的に強い.だが直接手取り足取り誰かが光学のことを指導してくれるわけではない.

教授は「光学系は比較的簡単だから,そこにはあまり問題ない.デバイス作製の方が大変だ」と言っていた.それはある程度触ったことがあって,慣れた人の話であろうなあ.初心者にとって見れば,光学系は敷居が高く,なかなか参入することは難しい.

そんな状態だとしても,雰囲気や置いてあるものを見て,能動的に光学系を学んでいけば問題ない.結局のところ受動的にやっているのでは限界があり,どこでも業務で主体的に使えるようにしようと思わないと,頭には入らない.

(もう時期としては遅いけれども,せっかくなのでUCLAでOpticsのコースを受ければよかったなとは思う)

何が次の時代の主流になっていて,この先なりそうかは,しばらく時代を形作っている場所に滞在して,周囲の様子を見ないと分からないものでもある.