11月20日(金)Nanolab Walkthru

Post date: 2015/11/21 17:54:02

NanolabとはUCLAのクリーンルームの名称である.Engineering IVの1階に鎮座していて,研究室の目の前にある.

Nanolab Walkthruを行う.これはクリーンルームの内部を案内してもらうことを言う.初めてクリーンルーム(Nanolab)に入室する.誰でも入れるわけではないし,すぐに入れるわけでもない.

クリーンルーム内の装置を使用するまでには,次の通りの手順がある.

  1. 申請書類を作成し,研究室の指導教員(支払い責任者)の許可を得る
  2. 全学のSafety Trainingを受ける
  3. 月1回実施のSafety Examに合格
  4. Nanolab Walkthruに参加する
  5. ※ここでクリーンルームに入室可となる
  6. 各装置のTraining Courseを受講する

要領よく進めれば,理論的には最短で着任後1ヶ月には入室がスタートできる.それは他に生活準備などもなく,周りがお膳立てしてくれて,はじめて成立する話である.このルールで進む以上,現実的には,2〜3ヶ月はかかると見た方がよい.前にも書いたが,Ph.D.の学生が入室をスタートするのは半年後である(もっと早く入室できるとは思うけど).

クリーンルームの微細加工は,学生とポスドク向けのようである.申請書のフォームを見ても,よく分かる.UCLAのFacultyで,クリーンルームの中に入って,デバイスを作る人はいない(と思われる).複数名の専任スタッフがいて,高い使用料をとって維持される.これは日本との大きな違いである.

話を聞いてみると,クリーンルームを使って行う実験の授業があるらしい.学生はそれを受講して,中の雰囲気やルールを知った上で,入室手続きを進めているようだ.そのような実験の授業に参加したことがない場合は,具体的なものがよく分からないまま,勉強することになる.いきなり来た人には不親切になっている.

さて入ってみると,クリーン度はそこまで高くないと思われる.まずエアシャワーはない.服からのダストは出やすい.靴の上にシューカバーをつけるタイプであり,靴をはいたまま内部に持ち込んでいる.

ドラフトチャンバーが8台以上ある.ウェットケミカルを使うのは,設備面ではやりやすい.ところが,その後の洗浄の実地トレーニングはない(HFとBHFを除く).ピラニア洗浄なども,各自でやっているようだ.もうそれはルール的にOKなので,トレーニングなしでやっても問題はない.入り口はきついが,中の運用はゆるい.

安全対策は進んでいる面もある.設置された緊急用シャワーの数が多く,ファーストエイドキットも多い.

今後使っていけば,より多くの情報が得られるだろう.