Post date: 2015/10/30 20:52:11
アパートに対し,第1回目の家賃の支払いを行う.最初にまとめて契約手続きのときに,直接家賃を支払った.それから考えると1ヶ月半かかった.
ここでは銀行のパーソナルチェックを初めて使用する.使い方は簡単ではあるが,約束事を知らないと使えない.インターネットでも調べたけれども,アパートの管理人に直接教えてもらった.
小切手文化は,不思議なものであり,まだ慣れない.なぜ不思議かというと,日本では,銀行振り込みや自動引き落としが多いので,小切手はまず使用しないからである(法人取引なら,小切手を使用するようであるが).さらに,小切手では銀行口座に全くお金がなくても,サインと金額を書けば,好きなお金を渡すことができるからである.小切手システムは,高い信頼性を確保しないと機能しない.その信頼性を担保するためにも,クレジットヒストリーやクレジットスコアという第三者的な評価システムも構築されている.
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9月最初に開設したBank of Americaの銀行口座に対し,取得したSSNとひも付けを行う.最初に開設時には,何もない状態だったからである.必要だったものは,ID,SSN Card,銀行カードである.少し職業や住所の質問があったが,すぐに終わった.
主の目的は,SSNを登録しておけば,オンラインのIDやパスワードを忘れたときにも,それを使ってリセットしたり,調べたりするためであった.副次的な目的は,クレジットヒストリーの構築である.所詮は1年の短期滞在だから,あまり関係ないかもしれない.もし生活を続けるなら,色々なものの購入や契約に必須となる.
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研究室ミーティングでは,3人が成果報告,1人が修士時代の研究の報告.日本でも研究は進んでいるし,同時にアメリカでも別目的で研究が進んでいる.毎週別の内容を勉強しているようなもので,情報収集という意味では役に立っている.
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前任者は一般的なCADソフトであるAutoCADで配列パターンを作成していた.AutoCADは直感的で使いやすい.その半面,階層構造の考えがないのが,マスク用のCADには適していない1つの理由となる.
もし階層構造がないと,同じものを繰り返せばいいところ,各パターンで毎回演算して,画面に描画しようとする.円が100x100あったら,1万回演算して描画する.その結果,読み込むのに時間がかかり,ソフトも遅くなり,強制終了が頻発していた.ファイルサイズは,数十MB程度と膨らんでいた.
一般的な機械設計用CADは階層構造を持たない.一品物を作るだけなら,繰り返しが少ないので,問題はない.ただMEMSやMicrofluidicsで,繰り返しパターンが極めて多い場合には適していない.
そこで階層構造が使えるKlayoutのEditor機能を使うことにしていた.ついにこれを使って,シリコン側のデバイスレイアウトが完成した.Klayoutの機能には,大体は満足して,目的のものが作成できた.最初の習得には半日ぐらい時間を要したが,覚えたあとの作成は早い.損して得取れ的なことになった.
MEMSやMicrofluidicsで,繰り返しパターンが多い場合,作業効率はAutoCADよりも高い.覚える価値は十分にある.GDSというフォーマットを使うのであるが,特に階層構造を意識して作ると,効率が高くなる.下位のセルでパターンを変更すれば,それを利用した上位のセルでも変更が全て行われる.つまりチップ内の修正が,全体のウエハ上へ即座に修正される.配列パターンはサブセルの繰り返しだと記述されるので,全てのパターンを個別に保存していない.ファイルサイズは極めて小さくなり,数十KB程度となる.ソフトの応答も早くなる.
編集性や作業の短縮の観点から,サブセルが使用されるべきである.全てのパターンを同じセル内で作成し,サブセルを使わないのは,機能を使いこなしておらず,効率は低い.機械系CADから入った人は,違いに注意した方がいいと思われる.